「日常にひとつのきっかけをつくる」 KINTO STORE Tokyo 〔キントー ストア トーキョー〕 ・ サカイ チエコ
OPEN MAGAZINE "Based in Nakameguro"では、中目黒エリアに拠点を構える店舗や人を特集し、街の魅力を繋いでいきます。
今回は、インテリア雑貨ブランド・KINTOのフラッグシップストア、KINTO STORE Tokyo〔キントー ストア トーキョー〕。
植物ブランドである MOLLIS〔モリス〕のリアルショップも併設されており、店内にはリラクゼーション施設かのような、思わずリラックスしてしまう心地よい空気が流れています。この場所には豊かな暮らしを得るための"ヒント"が隠されているようです。
本取材では、株式会社キントーの広報・サカイさんに、KINTOが実店舗を中目黒に構えた理由、そしてブランドとしての展望についてもお話を伺いました。
深化して進化する
- - 早速ですが、サカイさんが(株)キントーに入社された経緯について教えてください。
サカイさん:私は15年前に入社しました。前職は飲食業界だったのですが、食以外にも、日用品といった暮らしにまつわるモノにもすごく興味があって。今も販売しているロングセラーのUNITEAというガラスのティーウェアのシリーズに惹かれて転職を決めたました。
- - なるほど。では、サカイさんの"役割"について教えてください。
サカイさん:私はデジタルマーケティングなども行うコミュニケーションチームに所属しながら、広報と店舗のマネジメントも兼務して、現場のスタッフと一緒にこの場所を作っています。
- - KINTOの事業内容について、もう少し詳しく教えていただけますか。
サカイさん:KINTOは1972年に滋賀県で創業した、50年以上の歴史ある会社です。創業は、食器の卸業を担い、海外ブランドの食器を輸入して国内で販売を行なう時代を経て、今は自社で企画した製品の販売を行なっています。
第一ステージが国内の食器の卸業がメイン、第二ステージが海外製品の卸事業だとしたら、今は自社の商品やブランドを育てる第三ステージ。人々の暮らしについてより深く考え、深化(進化)していく時期だと思っています。
暮らしに変化を生む
- - では、実店舗を構えた理由について教えてください。
サカイさん:KINTOというブランドの世界観をより多くの方々に知っていただきたくて。商品は国内外の卸先の店舗で、その店舗ごとのテーマに合わせてセレクトされているので、世界観やブランドとしてのメッセージを間接的に伝えていくには限界があるかもしれない、と感じたこともきっかけの一つでした。
- - ここはKINTOの世界観を表現する場所なんですね。では、出店の地に中目黒を選んだ理由について教えてください。
サカイさん:中目黒は、訪れる人や住む人に合わせて形を変え続ける「柔軟な街」だと思っています。そんな変化に富んだ街だからこそ、私たちが提案する暮らしにも、共感してくださる方は多いのではと思って。それに、海外ゲストも訪れる街なので、ブランドとしての成長も見込めると思ったんです。
- - 当店・OPEN NAKAMEGUROでも、海外ゲストの来店は年々増えています。一方で、中目黒を地元とする地域の方も多くいらっしゃっている印象です。まさに、訪れる人と住む人が混在する街だと思いますね。では「暮らしを提案する場」として、なされている工夫があれば教えてください。
サカイさん:それで言うと、私たちは「五感での体験」を意識しています。例えば、花瓶には造花ではなく、生花をいけることでその花の香りや柔らかい質感を感じたり。旬の花が並ぶことで、お客様に季節の移り変わりを楽しんでいただいたり。KINTOというブランドが空間に溶け込み、あたかも生活のワンシーンが連想できるような場づくりを行なっています。
私たちは、ただこの場で、日常にささやかな変化が生まれるきっかけをつくりたくて。お客様が商品を買わなかったとしても「料理してみようかな」「お花いけてみようかな」と思ってもらえるだけでも、存在意義になるかと思っています。
想いを繋ぎ、想像を超える
- - KINTOさんでもWEBで取材記事を配信されているとお聞きしました。どういった想いでスタートされた取り組みなのでしょうか?
サカイさん:そうなんです。OPEN Magazineさんと違い、私たちは中目黒に限らず、KINTOを使用してくださっている店舗や、ブランドとして繋がりがある方々を紹介する記事をブランドサイトに掲載しています。
私たちは「人々の生活により深みや奥行きを届けたい」と思っているのですが、そういった想いは非常に埋もれやすいなと感じていて。私たちと似た価値観を持つ者同士で繋がりを持って、より大きな想いにすれば、届く人も増やせるのではと思ったんです。
中目黒周辺を紹介する記事・Art Walk by KINTO STORE Tokyo もあるので、ご興味あれば是非ご覧いただきたいです。
- - OPEN Magazineでも、中目黒という"地域"や"場"に対する「想い」を繋いでいく役割を担えたらと思っているので、大変共感するお話でした。取材を通してでないと、汲み取れない想いってありますよね。
サカイさん:仰る通りだと思います。人の想いには、誰かを動かす大きなパワーがありますよね。共感を得た想いは、私たちが想像していなかった多くの繋がりを生み出してくれる。そんな気がしています。
日常に寄り添い続ける
- - 最後に、KINTOとしての展望について教えてください。
サカイさん:今年はKINTO FARMが立ち上がって、自社菜園を構えて、ハーブや野菜の栽培を進めている段階です。今後、ファームで育てたハーブや野菜を使った「何か」がお客様に届けられたらと思っています。テーブルウェア・インテリア雑貨だけでなく、それらを用いて楽しんでもらうためにも、新たな分野へのチャレンジを模索中です。
これからも、KINTOというブランドが人々の日常に寄り添うブランドであるように。私たちは人々の暮らしについて、考え続けたいと思っています。
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