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「中目黒から日本一を目指す」 炭火焼 MARU 〔スミビヤキ マル〕 ・ 丸尾 真佐樹

OPEN MAGAZINE "Based in Nakameguro"では、中目黒エリアに拠点を構える店舗や人を特集し、街の魅力を繋いでいきます。

今回は、熊本の幻の地鶏・天草大王〔アマクサダイオウ〕の炭火焼きが評判のお店・炭火焼 MARU〔スミビヤキ マル〕。

看板メニューの親子丼は、一口食べると「たしかに。」と頷いてしまう程の美味さ。卵の半熟感と鶏肉の肉汁溢れる様子は、老若男女問わず、食欲が掻き立てられます。

本取材では、お腹だけではなく、心まで満す場を提供する 炭火焼 MARUの「場づくり」に迫ります。代表取締役社長の丸尾さんに「焼鶏の魅力」や「自身の展望」についてもお話を伺いました。

鶏肉はグローバルコンテンツ

-- 飲食で起業するに至った「きっかけ」について教えてください。

丸尾さん:中学生の頃から「社長になる」ことが僕の夢でした。良く悪くも、僕は影響を受けやすい性格なので「マネーの虎」というビジネス番組を観てから、社長に憧れたり、料理漫画を読んで料理人に憧れたりして。いつの日か「料理人になって、起業するぞ」なんて考えるようになりました。そして、中学卒業後には調理専門学校に通って、本格的に夢を追うことにしたんです。

-- なるほど。影響を受けながらも、強い意志を持って突き進まれてきたのですね。では、調理専門学校の卒業後について教えてください。

丸尾さん:卒業後は、銀座の高級料亭で働きはじめました。ですが、2ヶ月程で熱海にあるホテルレストランに異動することになって。当時、一人暮らしもしたことがないヒヨッコだったので、不安なことも多い上、職場では理不尽なことも多くて…。僕が世間知らずだったおかげで、なんとかその時は乗り越えられている状況でしたね。

ですが、ホテルでは朝昼晩と相当量の料理を作るので、短い間でたくさんの経験値を積むことができました。結果的には一年程働かせてもらったのですが、最後の最後に先輩と大喧嘩してしまって。僕は職場を飛び出して、事実上の無職になったんです。

-- 当時の年齢で言うと、20歳程だったのでしょうか。その後、どのようにしてキャリアを築かれていったのですか?

丸尾さん:飛び出し直ぐに向かったのは、中目黒にある実家でした。次の職場は「近場でないと続かないだろう」と思っていたので、近所の高級焼き鳥店で働くことにしたんです。今でこそ、ディナーで1人1万円を超える焼き鳥屋も増えてきましたが、当時では大変珍しくて。この職場での経験から「焼き鳥」に魅力を感じるようになったんです。

-- なるほど。焼き鳥との出会いは偶然だったんですね。では、どのように魅力を感じたのか教えてください。

丸尾さん:焼き鳥は世界でも通用するコンテンツだと思ったんです。鶏肉なら宗教も関係ないですし、鶏は寒いところでも、暑いところでも、よく育つんですよね。

あとは、両親が鶏肉好きなので「毎日焼き鳥が食べれたら喜んでくれるかな」と思って。それで焼き鳥屋の開業を目指して、25歳の時に独立したんです。

-- 次は、丸尾さんが生まれ育った中目黒という「地域について」お話を伺います。

祭りがある地域に活気あり

-- 開業の地に中目黒を選ばれた理由について教えてください。

丸尾さん:それは、僕が生まれ育った場所だからですね。ビジネスをするなら、親しみある場所でと決めていたので。
中目黒はブログが流行り出した時期からイメージがガラッと変わったんですよね。芸能人が中目黒でショッピングしている姿や、桜並木の写真をアップしたことで「オシャレな街」だとか「桜の街」といったイメージが醸成されていったように思います。

一方で、そのイメージだけが先行している印象もあります。
中目黒はまだまだ下町情緒に溢れる街です。これからはより一層、祭りなどの地域イベントを積極的に行なっていくべきだと思います。どんな時代でも祭りがある地域は活気に溢れていますしね。

-- なるほど。とても納得感あるお話でした。では、このお店を一言で表すと、どんな場所と言えますか?

丸尾さん:「大人な雰囲気をカジュアルに楽しめる場所」だと思います。この場所を機に、少し贅沢をして食事をすることの楽しさを知ってもらえたらと。

まだ、焼き鳥屋は「サラリーマンが行く場所」みたいなイメージもあるようなので、当店を入り口にして、焼き鳥屋をより身近に感じもらえたら嬉しいです。

-- この洗礼された空間にある温かい雰囲気。女性同士や家族でも利用するシーンが浮かびます。では、炭火焼き MARUの名物について教えてください。

丸尾さん:うちの名物は、親子丼です。創業当初から10年以上出し続けているシグネチャー商品でして。焼き鳥よりも、親子丼の方が幅広い層に楽しんでもらえる印象なので、当店の間口を広げる役割も担ってくれています。

-- なるほど。親子丼は家庭的な料理ですが、プロが作る親子丼は別格で違った良さがありますよね。では、店舗運営を行う際に、心掛けていることがあれば教えてください。

丸尾さん:それで言うと、細部にまでこだわりを持つことですかね。例えば、氷は製氷機のものではなく、業者さんから仕入れた氷を使用するとか。このこだわりに気づかないお客様も当然いらっしゃいますが、それでもこのこだわりによって体験価値が上がっていると思うんですよね。

店舗運営において大事なことは、細部にまでこだわり、それを保ち続けること、これに尽きる気がしています。

仲間のための「場づくり」

-- この時代に実店舗という「リアルな場所」を持つ意義について、どのようなお考えをお持ちでしょうか。

丸尾さん:人間なら最後はやっぱり「リアルが欲しくなる」と思っています。
ただお酒を呑むだけなら、家で呑んだ方が安く済みます。ですが、それでも人間はお店でお酒を呑む体験を求めています。飲食店は五感を通して体験を得られる場所なので、今後も必要とされる場所だと思っています。

-- たしかに。飲食店は「体験の場」とも言えますね。改めて、入店から退店までの体験を意識した「場づくり」が大事だと思いました。では、丸尾さんが注力されていることがあれば教えてください。

丸尾さん:僕は社員全員が満足できる給料を払える会社を作りたいと思っています。選択肢に溢れているこの世の中で、あえてこの会社を選んでくれるのであれば、僕はそれに全力で応えたい。そのために、社員が働きやすく、体力のある会社を作りたいと思うんです。

「美味しさ」が人を呼ぶ

-- 最後に、店舗としての展望について教えてください。

丸尾さん:うちの親子丼を日本一にしたいです。そのために僕たちができることは、美味しい親子丼を提供し続けることだと思っています。「美味しい」という事実さえあれば、その評判が広まり、来店に繋がると思っています。
うちの会社で働いてくれている仲間と一緒に、中目黒から日本一を目指します。


炭火焼 MARU〔スミビヤキ マル〕

OPEN = 11:30〜14:00 , 17:00~23:00(LO.22:30)
Adress = 東京都目黒区上目黒2丁目12−2 W.nakameguro 1F

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