商品ラインナップは松竹梅!

こんにちは金曜お昼になりました。手芸作家兼若手イラストレーターの展示をメインとしたギャラリーを運営している大図まことです。イラストレーターとハンドメイド作家のための「仕事とお金の授業」37回目となる本日のタイトルは「商品ラインナップは松竹梅!」です。

以前このnoteの16回目の授業で「作品とグッズの値付けについて」の記事を書きました。今日はそれに付随した話になります。


突然ですがみなさんは鰻を食べに行った際、下のようなメニューを見た時どれを選びますか?

松3,800円
竹2,800円
梅1,800円

梅だとちょっと少ないような気がするけど松だと豪華すぎるだろうし、真ん中の竹が無難かななんて考えませんか?梅を頼むのは心理的にちょっと恥ずかしい気もしますよね。

私はソニーのカメラを使っているのですがソニー純正レンズの種類も松竹梅の3種類が用意されています。

GM:赤いGマークロゴがまぶしいミラーレス専用設計レンズの最高峰G Masterレンズ(すごく高い)
G:控えめなGマークロゴが優等生っぽい高性能レンズ(程よい価格帯)
無印:何にもマークが入っていないシンプルなレンズ(安い)

はじめてレンズを買ったときほんとはGMが欲しいけど手が届かないし、かといって無印では物足りないだろうからとGを選びました。その後色んな人の作例を見たり、YouTubeを見たりして感覚が麻痺してレンズを大量に売り買いしていることの話を始めるとキリが無いのでそれはまた別の機会に話したいと思います。笑

他にも気になるブランドがあった場合、バッグやコートは高くていきなりは手が出しづらいけどかと言ってスカーフだけでは物足りないのでお財布を買ったり、ライブやコンサートでS席A席B席とあったらきっと真ん中のA席を選びますよね。もちろんガチなファンであれば値段で迷うことなく一番欲しい物、良い席を選ぶことは言わずもがなです。

イラストレーターやハンドメイド作家も対価をもらうお仕事をするにあたってはお客さんに対して選択肢を複数用意しておいた方が良いと私は思って実践しています。

例えば手芸作家の私は以下のような選択肢を用意してハンドメイドイベントに参加していました。

松:一点物の高価なハンドメイド作品
竹:機械で量産した安価な作品
梅:作り方を記載した本

松の一点物のハンドメイド作品だけを並べた場合と竹の量産品を一緒に並べた場合では手に取って見てもらえる件数が大幅に変わりました。(そもそも松は大量生産出来ないのでそれをカバーするためにも竹が必要でした。)また梅の作り方を記載した本を作ったことによりファンを増やすことが出来ました。

ギャラリーを運営しこれまで100名以上のイラストレーターと個展をやってきた経験からしても松竹梅の考えはとても大事だということがわかっています。ここ数年はご一緒する作家さんにこの事をアドバイスしているので数字として結果が出ています。

松:原画作品
竹:複製原画
梅:作品集やポストカードなどのグッズ

松の原画作品は1点物なのでどうしても価格が高くなります。それでもその価値を理解し欲しいと言う方はもちろんいらっしゃいます。そこで売り切れとなり買えなかった方や、原画作品には手が届かないけど絵が欲しいという方に向けて竹の複製原画を別に用意しています。

ちなみに松、竹、梅、それぞれの中でも松竹梅を付けることが望ましいです。大きいサイズの原画、中くらい、小さいサイズなど大きさで松竹梅を付けたり、グッズでも1万円くらいの高価格帯のグッズから数百円程度の安価なグッズまで幅広く揃えるようにしています。

もちろん作家の意向や予算もあるので全てがこの通りに出来るとは限りません。それでも頭の片隅に松竹梅の意識を持っておくだけで自分もお客さんも嬉しい結果に繋がると思います。選択肢が全く無いよりいくつか選択肢があった方が受け手としては心理的なハードルが下がるのです。これはきっとクライアントワークでも一緒です。

鰻の事を書いたのでなんだか今日のお昼は久しぶりに鰻が食べたくなってきましたよ。松竹梅どれを選びましょうか?それではまた来週金曜お昼にお会いしましょう~。

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