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私大受験の決め手/早稲田大学と慶應義塾大学の受験タイプ


文系の日本一の大学といえば、一般的には東大法学部でしょう。これに次ぐのは京大法学部、慶應法学部、早稲田法学部、一橋法学部といったところが日本の文系トップファイブと言えるでしょう。

今、面白いのは法学部受験で早稲田と慶應の2校を併願するケースがどんどん減っていることです。一言でいえば慶應は国立型、早稲田は私立型だということです。慶應法学部は東大や京大の受験者の併願校として使われるケースというのは昔からありました。

理由は簡単で慶應には国語が受験科目にないからです。代わりに論文テストというのがあり、これも5000字程度の論説文を読んで1000字ぐらいの論述をすることが求められるからです。

東大や京大の二次試験はほとんど全て論述問題ですから、特別な対策をしなくても慶應の問題は楽にできます。私も受験時代はそうでした。国立型の勉強をしていれば、慶應対策の勉強をしなくても慶應は合格できるのです。

早稲田はそうはいきません。現代国語はもとより古文や漢文が極めて難しいのです。特に早稲田の古文の難しさは日本一と言っても過言ではありません。それは簡単で、早稲田の文学部は日本では珍しい東洋哲学科というものがあるからです。ほとんどの大学の哲学科は西洋哲学のみです。だから古文でも漢文でも、普通の高校教育を大きく超えた問題を出題します。

早稲田の法学部の古文や漢文の勉強をしておけば、日本の私大の国語の問題はほとんど楽に解けるはずです。早稲田はまさに私大の「雄」であると言えます。

文系のトップファイブのどれか一つでも受かるためには慶應型か早稲田型かのどちらかに決めるべきです。両方狙うと、両方失敗する可能性が高くなります。法学部受験で早慶両方受かるのは東大や京大を合格できる実力者のみであると考えて良いと思います。

最近プレジデント社の特集で面白い記事がありました。法学部合格者で早稲田と慶應を両方受かった生徒が、どちらを選ぶのかという調査です。

なんと95%が慶應を選ぶという結果が出たそうです。早稲田関係者は大ショックだったようです。慶應は三田会の結束が強く就職に有利であること、法科大学院の司法試験合格率が東大を抜いて日本一になったことなどが主な原因のようです。

予備校関係者は高校生に早慶合格を目指して頑張れと発破をかけますが、高校生の認識とはかなり温度差があるようです。

世の中では早慶受験対策とか、早慶対応といったくくり方が通常ですが、このくくり方は疑問だと感じざるを得ません。強いて言えば、私立の御三家の高校生や地域の公立高校の進学校の高校生に通用する言葉であると思います。

普通の高校生は慶應型か早稲方かどうか、一つのキャラクターしか持ち合わせていないのが現実だと思われます。自分がどちらのタイプかを決めるには過去問をやってみれば、すぐ分かるでしょう。

その際に考えるべきことは、できるかできないかではなく「合うか合わないか」という相性で決めることです。難しくてもやれそうだという感覚やフィーリングが受験では重要であると思われます。

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