見出し画像

【読書を通してキャリア形成】職業は武装解除

こんにちは、就活真っ只中の太田百恵です。

私は国際協力に興味があるのですが、女性で活躍している方のキャリアを詳しく知る機会があまりないなと思っています。そのため、本を通して活躍している方がどういう道を歩んできたのかを知り、ロールモデルとして参考にしたいと思いました。

今回紹介する本では、特定非営利活動法人 Reach Alternatives (REALs)(旧:認定NPO法人日本紛争予防センター(JCCP))理事長である瀬谷ルミ子さんの半生がつづられています。
瀬谷さんが、どういう想いで何をしたのかが詳細に書かれているため、私と同じような思いがある方にはとてもおすすめの一冊です。

タイトル「職業は武装解除」

職業は武装解除2

あらすじ

群馬の山奥で生まれた彼女の人生は高校生のときに見た1枚の写真で変わった……。32歳の若さで、中東やアフリカなどの紛争地帯に赴き兵士の武装解除を担う専門家である著者が、国連職員としての経験など、
これまでのキャリアと挫折について赤裸々に綴る自伝的エッセイ。

(Amazonより引用)

これから瀬谷さんが現職に至るまでのきっかけ、道のり、そして活動内容を紹介したいと思います。

きっかけはアフリカの写真一枚

自身以外の家族は海外にいったことが一度もないという瀬谷さん。子ども時代はみんなが興味を持たないような未知のものに目が向かったそうです。特に外国は未知のものであり英語の勉強に没頭しました。そんな時、高校3年時に新聞をめくると ルワンダの難民キャンプでコレラで死にかけている母親を起こそうとしている子ども の写真が目にとまります。このことがきっかけで、紛争問題に興味を抱いたそうです。

武装解除とは、兵士を社会復帰させること

紛争解決の分野で大学院に進学すると決めた瀬谷さんは、紛争地では元兵士や子ども兵士をいかに社会に戻すかが問題だという記事の一文を見て、それを専門にすることに決めたとのことです。

その取り組みの一つが、タイトルにもなっている「武装解除」です。それは何をするのかというと、本書の中ではこのように書かれています。

「武装解除とは、紛争が終わったあと、兵士たちから武器を回収して、これからは一般市民として生活していけるように職業訓練などをほどこし、社会復帰させる仕事だ。」

兵士の対象は、6歳の子どももいれば60歳以上の年配の方、さらに武装勢力に誘拐された女性などさまざまだそうです。

どんな経歴?

武装解除を専門にするって、いったいどのような経歴を歩んだのだろう。

私がこの本を手に取って最初に抱いた疑問です。どこで働いていて、何をするのかとても気になりますよね。瀬谷さんの経歴はまとめると次のようになりました。

瀬谷さんの略歴
中央大学総合政策学部

イギリス ブラッドフォード大学紛争解決学修士課程

アフリカ平和再建委員会(ARC) ルワンダ駐在

UNAMISL シエラレオネで国連ボランティア

日本大使館員 アフガニスタン駐在

国連コートジボワール活動

日本紛争予防センター(JCCP)事務局長

大学卒業後から、現地で紛争問題に取り組んでいることがわかります。加えてNGO、国連や外務省といった様々な組織を経験してきた瀬谷さんだからこそ見えるそれぞれの違いも紹介されています。

・政府関係機関
国や地域の課題に政策レベルで関われる。必ずしも希望の部署に配属されるわけではない。国連やNGOの活動資金を援助しているため様々な機関に対して提案や連携がしやすい。

・国連
国際色が豊かで、大規模なプロジェクトに関われる。事業の多くはNGOに委託するため現地レベルで取り組むことができないことも。

・NGO
現地に根ざした活動ができる。多くの経験ができ成長できるスピードは他の機関よりも速い。組織の活動目的の設定によって専門性に特化したどんな活動もできる。

JCCPの活動

瀬谷さんが理事長を務めているJCCPでは「紛争地の人びとに生きる選択肢を増やす」ことを目的に、「人材育成」を行っています。国が独り立ちするときに一番の課題となるのは人材不足だからとのことです。現地のNGOや施設と連携し、独り立ちできるようになったら事業を引き渡します。「いつか、JCCPのような組織の役割が終わる日がくれば」というのが瀬谷さんの心からの願いだそうです。

HPはこちら↓

※2020年3月25日より、JCCPの名称は「特定非営利法人 Reach Alternatives (REALs)」に変更

本書ではJCCPの活動内容が3つ紹介されています。

・治安の改善 in ソマリア
・最低限の生活環境と心のケア in ケニア
・経済的・社会的自立 in 南スーダン

詳しい内容が気になる方はぜひ本を見てみてください!

最後に

興味のあることを突き詰める

私が本書の中で一番心に残ったところは、業界の境界を越えて、専門性ある個人が活躍するという部分です。興味のあることを突き詰め、どのような想い、スキルを持ち社会に貢献できる個人かが問われる時代になる、というのはとてもしっくりきました。私もネームバリューや肩書にとらわれずに興味ある分野に飛び込みたいと思います。

繰り返しになりますが、国際協力に興味がある方はぜひ本書を読むことをおすすめします。瀬谷さんが現職にいたるまで歩んできたことが詳細に書かれているほか、組織それぞれの特徴が書かれているため自分の将来進む道の参考になると思います。

最後までご覧いただきありがとうございました!


この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?