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モノがもの申す その2

ものを自分のものにすることで、実際、何を考えていたのだろう?

もし、仕事場と家の往復だけでスーパーマーケットに寄らなかったら、そんなに物は増えない。
としても、スーパーマーケットで買うのは消耗品なので、そこで何かを買ったとして冷蔵庫や洗面所のスペースを侵略されるぐらいの限定的な影響しかない。

部屋を見渡すと、趣味のものの他に、生活を便利にしそうなもの、豊かな心になりそうなもの、みんなで遊べる娯楽もの、頂きもの、いつか年に数回もしくは起きるかどうかわからない災害時に使うようなもの、それらを収納する家具、箱、袋 などが見える。

端的に言うと、「なんとなく、よさそう」で、増えてしまった。

断れなかったから頂いてしまったものも、
生ゴミだと思うと、貰わないと思う。(中にはそれでも押し付けられて受け取る事もあるかもしれないけど)

前回記事に書いたように、何かを埋めるためなのだとしたら、

不足していた何か。って何なんだ?

あくまでも、おおてぼの場合、
物を買うときに「もったいない」という気持ちに引っ張られる。

赤札がついていて、2割引、3割引、なんなら半額!これは買わなくては!

昔、おおてぼが子供の時に親や先生やテレビの大人たちが言っていたのだ。
「世界には食べられなくて餓死する子供もいるのだから、出されたものは残さず食べなさい。まだ食べられる食料を捨てるなんてもったいない。」

大好きだった世界の童話シリーズの中にも、「お家のものを使い切って、ゴミを日頃からあまり出さないお嬢さんが裕福な農家のお嫁さんに選ばれた」など、ゴミを出さないことが美徳!と本気で思っていた。

アフリカのワンガリ・マータイさんも言ってるじゃない?
「MOTTAINAI」はすばらしい!って。


ワンガリ・マータイ女史(1940-2011)


世の中の人がゴミを出しても、私がゴミを少なくするんだー、と

信じきっていた。


こうなると、これは

実際の行動という習慣になる。


潜在意識って習慣という繰り返しのリズムが好きなんだって。
だから、私はスーパーに行って消費期限の早い赤札割引物を進んで買い、いつもいつもそうした日配品を冷蔵庫に入れて必死で消費していた。

潜在意識に染み込んだ行動に成り果てていたために、これは無意識で、スーパーマーケット以外でも、もう売れなくなった見切り品、在庫処分で、ここで売れなかったら捨ててしまうぐらいに価値の下がった物を、
「私を待っていたのね」とすら思い、買っていた。
頭おかしいのか?と思うほど、何か勘違いした行動だ。

欲しい物が、たまたま安い、ならお買い得だが、
欲しくなかった物を、定価より割引で安い、だけで買う?
そんなことをしていたら、本当は欲しくないものに、家が占領されて何が何だかわけわからない状態になってしまうのがオチだろう。

・・・
・・・
・・・

この行動で不足していたものは、
「わたしがその時その時で、本当に必要な物を感じて知る力」
だ。

おまけで言うならば、他に不足していた事は
「私が買わなくても、世界は必要な物が必要な人のところに行き渡るものだ」という信頼感。

敷衍して考えると「お節介を焼かなくても、一人一人が自分に必要だ、自分がしたいと思うことをするだけで、過度な供給は無くなり無駄は減っていく」ことを信じることなんだ。
もちろん、自分が人を助けることを心からしたい時にそれをするのは、自分にとっての必要事項で何も悪くない。その気持ちが世界を優しくしてきたし、福祉や医療の社会インフラを作ってきた。ただそれらを「しなければならない」と自分ごととして過度に引き受けた時に少しずつ歪みが生まれている。これは介護の仕事をしているおおてぼにとって身近に散見する問題なのだ。

人のことを心配する前に、自分のこと、できてますか?

ちゃんとしてなくてもいいけど、
せめて自分が「どうしたいか」を知ってるかどうか。


ミニマリストさんや、断捨離提唱者のやましたひでこさん、片付け天才の近藤麻里恵さんなど、減らすことを賛美する方がおっしゃっているのは、「自分がどうしたいか」と向き合う必要性だ。

昔、仕事を教わった美人の背の高い優しい女性がいた。そのひとが小さい頃よく友達にお菓子をもらったそうで。「ありがとう!」と笑顔でもらった後、くれた人の見ていないところで、こっそりゴミ箱に捨てていたらしく、笑って話してくれたことがあった。
私だったらもったいない、と欲しくなくても食べたんだけど(意地汚い)、欲しくないものは今いらない、とはっきりしているというのは清々しいと思った。

大丈夫、自分に必要なことを見極めてれば、世界は均衡を保つように動いていく。


ただ、増えちゃったモノたち。こいつらがここにいると何が起きているのかを次回で書きます。お楽しみに。



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