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2DK part7【短編小説】
前作を読んでからお読みください。
20.終わり
夏季休暇が終わって大学が始まった。雪乃さんの居ない家は広くて何かが欠けたような感覚だった。講義は何も無かったかのように始まり、季節も何も無かったかのように変わっていく。いや、何かあったから寒くなったのだろうか。
「奈々、入院したけど、退院したってさ」
そうひなのが言ってきた。俺と奈々さんの関係を知っていたかのように。
「なんでお前がそれを俺に言うの
2DK part3 【短編小説】
#前作を読んでからお読みください 。
6.帰宅
奈々さんが帰ってきたのは真冬でとても冷たい日だった。鍵を開けて「ただいま」とだけ言って自分の部屋に入って行こうとした。
「何してたんですか」
僕の情緒が壊れた瞬間だった。
「大学に通えなくなるから、療養の為に、僕と同棲始めたんですよね。性的感情がなかった男の僕と。それがなんで急にいなくなるんですか。どこいってたんですか。急に消えないでくださいよ。なに