この星に異性としか結婚できない国があったら
この星に異性としか結婚できない国があったら
この星のどこかに
人間が細かく分けられた
めずらしい法律をもつ国があって
私がそこに産まれたら
もしそれが
お互いが異性である場合のみの婚約以外は
認められない国だとしたら
昔
お昼休みの掃除の時間に
私が急に泣き出して
様子を見に来たあなたに
大人になっても離れないでと
言うことはなかったかもしれない
たとえあの日ほどの勇気を持っていても
同性だという理由ひとつで
この恋は
私から始めたものだったから
恋人になる前にあなたが私にしてくれたことも
過ごした時間も
その国では変わらずあるとして
友達として送ってくれたたくさんの手紙を前に
あなたを好きにならないことは絶対に無い
一部の人間を肯定するために
一部の人間を否定する世界では
優しいだれかのメッセージは隠されている
全ての異なる形の
恋する心達のために歌う唄が
ひっそりと私の背中を押す
あなたを好きだと言えないままで
新たな環境へ旅立つとき
きっと私は途方もなく悲しい
恋を恋だと言えないままで
離れることを
かわいそうだと喜ぶ人がいる
一つのルールが保たれる安堵
歳をとるあなたの姿を
近くで見るのは私じゃない
どんな人が傍にいるのか
人づてに聞いて泣くのだろうか
過去の失敗を振り返って
自分は不幸だと思うことがあるから
きっとその国に産まれた私は
すべての不幸をあなたに結び付ける
そして何度も
ありもしない恋を
空に描くのだろうか
こんなに 幸せな
思い出と生活があるのは
決して2人だけの力ではないから
すべてのことに感謝して一緒に生きていこう
この国で
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