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新しいことを生み出す組織の作り方-言葉のハードル編-

こんにちは。
『OoO』とかいて『おー』と読みます。どうぞ宜しくお願いいたします。


OoOは、新しいことに挑戦したい大手企業や自治体に向けてトレーニング・ワークショップ、年間プログラム、共創イベント等の企画・運営や、社内での事務局の立ち上げ・運営サポートなどを行っている会社です。

様々な大手企業の新規事業部やその他の部署(デジタル推進、知財、人事、開発、経営企画)、そして自治体と対話を行う上で、多岐にわたる課題やそれに対する改善策についてディスカッションする機会がとても多いのですが、対話することで掴んだ課題と、それに対して「こんな視点を持てば解決できるのではないか」といった新たな視点についてお話ししています。

      ①新しいことを生み出す組織の作り方-学びの要素編-
今日はここ→②新しいことを生み出す組織の作り方-言葉のハードル編-
      ③新しいことを生み出す組織の作り方-担当者の孤独編-
      ④クリエイターのチームビルディングとプロジェクト推進から
                            学ぶ成果を作る構造
      ⑤番外編-新しいチャレンジがしたくなる心理的安全性の話-
      ⑥番外編-これからの最先端である”対話型の学び”-

第一回目「新しいことを生み出す組織の作り方-学びの要素編-」でもお伝えしましたが、大手企業とディスカッションする上で、様々な課題をお伺いします。

・自分の業務外のことはあまり主体的に行えない人が多い
・考える場を設けても、これまでの役割の中でしか物事を考えられない
・新しいビジネスを生み出す(成果をあげる)人の母数を増やすために何が効果的かわからない
・既存事業だけで売り上げが立つから、新しいことに挑戦する風土が生まれにくい
・何か新しいことに挑戦しようとすると、どこからか叩かれる(蛸壺状態)
・新しいことに取り組んだはいいが、中長期的な視点が短すぎて頓挫する
・新規事業をやったこともないのに、急に放り込まれて何をすればいいのかわからない人員と、すでに推進している人員の相互理解の時間が取れない→やったこともないのに使えない判定
・他部署や上司からの理解が得られない→孤独を感じる

本記事では、成果を生み出す人の母数を増やすだけでなく、組織内で安心して物事に取り組める風土の醸成に関連して「言葉のハードル」という新たな視点があれば解決できるのではないかといった内容でお届けします。

”言葉”が新しい挑戦のハードルになっているかもしれない

組織内で日常的に使われる言葉にはどのようなものがありますか?

「新しいアイディアを見つけよう」
「スキルを身につけよう」
「インパクトのあるもの」

こうしてみると特に何も感じることがない内容にも一見思えます。

しかし、これまで新しいアイディアを考えることを求められていなかった人や、現状維持で大丈夫だった人からすると、「新しいアイディア」と聞くと、すごいものを考えないといけない。とか、「スキルを身につける」と聞くと、〇〇検定を獲得しないといけない。「インパクト」までいくと自分には、そんなすごいアイディアや関連する意見など述べることができないと感じることがよくあります。

既存事業で売り上げを立てれる企業などは、特にこういった言葉で困惑する従業員は多いと思いますし、普段何気なく使っている言葉以外でも、何か新しいことに挑戦しようとすると、どこからか叩かれるようなとき(蛸壺状態)に頭ごなしに何か言われると、それこそ抑圧されてしまい新しいことだけでなく、普段の業務でも萎縮してしまい役割を果たせなくなることもあるかと思います。

一見すると些細なことだと思うかもしれません。
しかし、下記画像のように言葉を少し変えると印象は変わります。

言葉のハードルを下げる

このように言葉のハードルを下げると、聴き手は安心しますし、個人の成果としても「大きいプロジェクトを最初から完遂する」より、「小さいプロジェクトを自分の裁量の中で完遂する」方が成果にも繋げやすくなります。

そして、この小さなプロジェクトの経験を積むことで、成功体験からくるマインドの醸成と実績からくるスキルの向上にも繋がり、大きいプロジェクトを個人が完遂することにつながるはずです。

このように言葉のハードルを高く伝えすぎないように気をつけることが重要です。

”言葉”が組織の論理を作り、論理が文化を作る

言葉のハードルという部分では、例えばAmazonやAppleなどの企業でも行っていることがあります。
特にAmazonでは、社内でのビジョン共有や企画書のためのコミュニケーション、投資家、講演、顧客とのコミュニケーション(広報)において言葉のハードルに一種の決まりごとがあります。

それは、とにかく相手に”適切に伝わる”こと。
特に​​フレッシュ・キンケイド・テストという文章レベルを測るものを使い、学年レベルで、7・8年生(日本の中学1〜2年生)までの文章にすることが定められています。

分かりにくい、難しそうなどの要素が含まれるものは基本的にAmazonでは企画書一つ通らないそうです。

そして、名古屋大学の教授である渡邉 雅子氏による「”論理的思考”の文化的基盤 -4つの思考表現スタイル-」という書籍にも記載されていますが、言葉が組織の論理を作り、論理が文化を作ります。

渡邉雅子氏著書:「論理的思考」の文化的基盤

このように成果を生み出す人の母数を増やす、組織内で安心して物事に取り組める風土醸成のためには、難しい言葉や精神的にハードルが高いと感じる言葉を使わないことも重要で、そういった習慣があることで、適切な言葉から、適切な論理になり、それが安心と成果を生む文化に繋がります。

言葉が企業価値をつくる時代

そして、言葉は企業価値に直結して繋がる時代でもあります。
例えば、スマートフォンを例にしたときに、他社がiPhoneに追随して、外見はどれもそれほど見分けがつかなくなっています。

ですが、Appleの時価総額に他社はなかなか追いつけていません。デザインや機能は簡単に真似できるけれど、その背後にあるストーリーは容易にはコピーできないからです。

会社やブランドのストーリーをどのようにつくりだすか。それは、どんな文学作品をつくるかと同じなので、文学的なリテラシー(知見)が問われるようになっていると思います。

会社としてのストーリーをつくったり、自分はこういう新しいものを世の中に打ち出していきたいんだというビジョンなど、こうしたリベラルなセンスは、組織構築だけでなく成果を産み続けるためにも必要な要素です。

さいごに

OoO(おー)では、これまでお話ししてきた「言葉のハードル」を軸にしたトレーニング・ワークショップ、年間プログラムの企画・設計、そして社内で事務局の立ち上げ・運営伴走等も行っています。

OoOオリジナルコンテンツ

「BLUEPRINT-拡張性のあるコミュニケーションスキル-」を筆頭に、OoOのコンテンツは、どの内容も「伝える」に特化した内容でお届けしています。


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