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わたしはあの日、二人の男の手を握った
某日。
かねてより会う約束をしていた坊やと仕事終わりに会った。
約束をしてから会うまで3週間ぐらい経っていたような。。
よく切れずに会えたなと感心。だって治安悪いマッチングアプリでの案件だったから。
直前でブチられることもしばしばある世界。
ちゃんと登場するってのも、なかなか確率低いと最近思ってる。
さて、会ってすぐ打ち解けられたとわたしは思ってるけど君はどうだったんだい?
しかし自分の年齢とひとまわりも離れていたら、ちょっと親子感感じざるを得ない。
でもわたしはそれでも楽しかったかな。
カラオケしてそこそこ時間経って。そろそろ解散かな?という時間になってようやく、わたしの手に触れて来た。
若い手のハリって素晴らしい。みずみずしさが違うね。
その日はそのまま解散する予定だったから、それっぽい雰囲気は回避して。
それでも最後あたりわたしに抱きついて来て可愛かったなぁ。坊や。
頭撫でで、私も可愛がれました。可愛いワンちゃんて感じ。
別れる時手を握って来たから握り返したよ。
でも君にはパートナーがいるんだってね。
恋人と普段繋いでるであろうその手を今私と繋いで、まるで恋人のように振る舞う君を嫌いになりそうだ。
背徳感と憎悪と嫌悪と、矛盾した高揚感を覚えた夜。
坊やと別れた後、別の坊やの元へ。
健全に飲んでいたはずなのに。
飲みすぎたフラフラな私を介抱するため、ホテイン。
暫く面倒見てくれてたみたいだけど記憶ないのが悔やまれる。
そろそろ回復して来たかな?ってあたりの朝方、ようやく彼は自分の欲を出すかのように、私に唇を重ねて来た。
私の手を握りながら。
しかし私の思考はこうだ
『酒にまみれたクッセェ口なのにキスして来て大丈夫なのかな?口臭大丈夫かな?』
といたって冷静なのである。
彼にはこの後用事があると聞いといたので、あんまり発情させると最後まで致すことになると思い、キスもほどほどに中断してもらった。
「遅れちゃうよ…」
って言っても続行しようとするそのオスの発情してる感じ、ゾクゾクする。
今日は私の手を二人の男が握って来た。
同じように指を絡めて、同じように握る君たちに、密かに背徳感と高揚を感じながら
しかし私という存在はなんのために、誰のためにこの感情を捧げれば良いのか
わからなくなるには充分な闇を感じざるを得ない。そんな日だった。
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