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心理的安全性に始まる最強の組織の作り方。

最強のチームをつくる方法_page-0001

上のはダニエル・コイルの『最強の組織の作り方』をA4にざっとまとめた感じです。で、ここで問題なるのが「心理的安全性」という最近流行の人事の言葉なんで、それについて少し掘り上げて説明したのが、下のピョートル・フェリクス・グジバチ『世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法』からチーム作りについて、私なりに説明した資料になるので、今回はそれを紹介したいと思います。

世界最高のチーム_page-0001

概要は添付の資料に一枚にまとめていますので、手っ取り早く理解されたい方はそれを見てから、言葉での説明を読んでみてください。

生産性が高いチームを作り、優秀なメンバーの退職リスクの低減を図り、課題の早期発見とスピーディな課題解決を実行するための、大前提は、「チームづくりの本質は『心理的安全性』にある」ということです。

心理的安全性とは、「psychological safety(サイコロジカル・セーフティ)」という英語を和訳した心理学用語で、チームのメンバー一人ひとりが恐怖や不安を感じることなく、安心して発言・行動できる状態のことを指します。

より身近な表現として、「チームの中で自分が自分らしく働いている状態」や「安心して何でも言い合えるチームだと感じる状態」と言い換えることもできます。

私なりの見解を少し深く踏み込んでいうと、「明日解雇になるかもしれない」だとか「左遷されるかもしれない」、「減給処分を受けるかもしれない」といった、まずは低次の欲求である「安全欲求」を会社が従業員に対してもたらしていないことには心理的安全性どころではありません。

皆さんもご周知のマズローの欲求5段階説の安全欲求や社会的欲求も充たせていなければよいチームなど作りようもありません。

だから、会社としては最低限こうした不安は従業員に対して抱かせないようにしないといけないと思います。

その上で、添付の資料にあるように「無能だと思われたらどうしよう?」だとか「邪魔をしていると思われたくない」といった不安を埋めてあげる必要があると思います。

(1)無知だと思われることへの不安が増す
というのも、心理的安全性が不足していると、誰かに質問や相談をしなければならないときでも、「こんなこともわからないのか」と相手に思われてしまうのではないか、と不安になる可能性があるからです。

自分が無知だと思われることへの不安から行動に移すことができない。その結果、業務内容などの不明点について詳しい説明を聞きたくても十分なコミュニケーションを取ることができず、ミスにつながるかもしれません。

私は、異なる部署同士、恥を恐れず、また知らない人を笑うことなく、忌憚のないコミュニケーションが各部門間で活発に行われることを期待しています。

(2)無能だと思われることへの不安が増す
減点主義のような見方で互いを見てしまうと、お互いが、自分の欠点をさらけ出すことに恐れ、何か行動を起こしたときに「こんなこともできないのか」と相手に思われてしまうのではないか、と不安になる可能性があります。

自分が無能だと思われることへの不安から、自分のミスを素直に認めない、あるいはミスがあっても周囲に報告しないことで問題が可視化されず、後々になって大きなトラブルに繋がりかねません。完璧な人間などいやしません。

皆さんは、「ハインリッヒの法則」をご存知でしょうか?自動車の免許の取得の講習などでもよく出てくる言葉ですね。1件の重大事故の背後には29件の軽い事故があり、その背景には実に300件の小さな異常が存在するという考え方です。労働災害における経験則で「1:29:300の法則」「ヒヤリ・ハットの法則」とも言われています。

どんな些細なことでも悪いことほど上長に報告することで、1件の重大事故を防げるかもしれません。変にプライドで自分の過ちを認めずに、後で手ひどい目にあうようりは、ミスならミスとさくっと認めてしまいましょう。

(3)邪魔をしていると思われることへの不安が増す
次に、心理的安全性が不足していると、チームのメンバーに嫌われるのではないか、あるいはチーム内で議論をするときに「あの人のせいで議論が進まない」と相手に思われてしまうのではないか、などといった不安が生まれやすくなると思います。

自分が邪魔をしていると思われることへの不安から、自分の発言のせいで議論が脱線したり長引いたりすることを避けるため、自発的な発言を控えるようになり、新たなアイデアを提案できなくなります。それにより、チームにとって有意義な意見が表に出てこなくなってしまいます。

確かに、皆さんが出したアイデアが否決されることはあるでしょう。しかし、それに価値がないなどと言うことはありません。皆さんもご周知のとおり、ミリオンセラー(100万部)という単語はご存知かと思います。

ミリオンセラーというとよっぽどすごいことかと思ってしまうかもしれませんが、100万部ということは、日本の人口が1億3000万人だということを考えると、その本を買ったのは、1億3000万分の100万人、つまり、130人に一人、ということになります。

130人に一人の人に受け入れられたものを、「大ヒット」と呼ぶわけです。過半数の賛成には程遠いですよね。

今日却下されたアイデアといっても、所詮は先輩や上司といった、わずか数人に採用されなかったからだけで、そのアイデアが全くダメなアイデアだったということにはなりません。

また、これは会社の仕組みとしてあまり私はよくない風習だと思っていますが、アイデアそのものよりも、アイデアの通し方が大事になる場面が多いように思います。誰の了解を事前に得て置くべきか、といったことも大事でしょうし、また、先輩や上司が了解しやすいような説明の仕方というスキルも忘れてはいけないでしょう。

ただ、一番大事なのは、やはり、「こうしたら、よりよくなるはず!」と思って新しいことを考えようとすることだと思います。そういう気持ちがない限り、そもそも新しいことを思いつき、かつそれを実行に移そうなんて思うことはできないからです。

会社の中で何度も自分の案が却下されると、その「新しいこと、よりよくなるようなアイデア」を考える気力を削がれることがあると思います。不必要な誹謗を受けることもあるかもしれません。

しかし、ミリオンセラーですら、世間の130人に一人に受け入れられたにすぎないのです。自分の周りの数人に賛成してもらえなかったくらいで、自分のアイデアが間違っていたとか、大したことないとか、あるいは、自分には新しいことを考える力なんてないんだ、なんて思わなくてよいのではないでしょうか。

(4)ネガティブだと思われることへの不安が増す
心理的安全性が不足していると、チームの和を乱すことに敏感になるあまり、本来なら大切な指摘をしなければならないときでも「あの人は消極的でいつも否定ばかりする」と思われるのではないかと不安になる可能性もあるでしょう。

自分が和を乱していると思われることを恐れるあまりに積極的な発言が生まれにくくなる可能性があります。改善などを目的とした前向きな指摘内容であっても、否定的な要素が少しでも含まれていると発言を躊躇し、チームが抱える課題を解決しづらくなってしまいます。

安易にポジティブシンキングを推奨するつもりはありませんが、私は学生時代からの言葉で好きな言葉に、「やらないで後悔するより、やって後悔する方がいい。」という俗語があります。いつだれが言ったのかは知りませんが、アインシュタインの「一度も失敗をしたことがない人は、何も新しいことに挑戦したことがない人である。」とも似ているかもしれません。

心理的安全性についての説明はこれぐらいにしておきます。

まずは、皆さんが心理的安全性をもって、生産性の高いチームを構築され得んことを願ってやみません。


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