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Uターン移住した若手農家の挑戦|カメラマンとめぐる尾道_第3回(因島)

今回は全8回のシリーズ企画第3回
広島県尾道市にゆかりのあるプロカメラマンと、尾道市地域おこし協力隊が市内をめぐり、各地で撮影した場所やひとの情報、撮影について学んだ内容をinstagramnoteマガジンで発信します。

この企画の投稿や記事を見ながら、カメラ片手に尾道各地をめぐってみてくださいね(尾道への交通手段をまとめた記事はこちら)。

※順番変更のお知らせ※
第3回に予定していた御調町(みつぎちょう)の回は、諸事情により後ろの回に移動します。

1. エリア・テーマ・講師のご紹介

第3回の舞台となるのは、因島(いんのしま)
ポルノグラフィティの故郷や、映画化もした長編歴史小説『村上海賊の娘』に出てくる「村上海賊」の活動地域、サイクリストの聖地「しまなみ海道」で行ける島などとして知られています。

実は造船の歴史と深い関わりのある島でもあり、船体のパーツの製造で全国一の実績があります。また温暖な気候を活かして、はっさくをはじめとする柑橘などの果樹栽培や、農業も盛んにおこなわれています。

全8回のうち、初回はカメラの基礎知識を学ぶ座学で、2回目以降は実践編で市内各地を撮影しながら撮影方法を学びます。各回研修のテーマを設けていますが、第3回のテーマはこちら(テーマの一覧)。

〈第3回の研修テーマ〉
絞り

今回の講師は、「装苑」「SWITCH」「天然生活」等のファッション・カルチャー・ライフスタイル系雑誌の撮影を中心に長年東京で活躍後、海外移住を経て、現在尾道で島生活を送られている岡本真菜子さんです。

2. カメラ研修

内容に入る前に、研修の大まかな流れを改めてご説明します。

まず「①全員で被写体を撮影」し、「②協力隊2名が自分の写真を複数枚選択」します。それから「③撮影意図と疑問点を発表して講師からフィードバック」を受け、それをもとに「④再撮影」し、最後に「⑤講師の撮影した写真を見て質疑応答」をします。

前提として、写真はInstagramとnoteで使う写真を想定して撮影しています。

2-1. 協力隊1人目(選んだ写真)

協1:「1枚目は、八朔(はっさく)を保管している部屋の写真です。八朔に日が当たって綺麗だったので、F値(えふち:絞り・ボケ具合の度合い。数値が小さいほどボケて、大きいほど奥まではっきり写る)を小さくして、八朔だけに焦点が合うようにしました。2枚目は人物写真、3枚目ははっさくと橋の組み合わせが珍しかったので撮ってみました。」

岡本さん:「1枚目きれいですね。暗いところもあるし明るいところもあるし。トリミングもしないほうが良さそう。ただ、焦点が中央部に合っている気がします。写したい対称のどこに焦点が当たるのがベストか、考えたほうが良いかもしれませんね。」

岡本さん:「2枚目は奥の橋と手前のはっさくが両方写る構図で、奥がボケて手前がはっきり写るようにしているので良いと思います。3枚目も同じ。instagramに載せる3枚と考えると、2枚目と3枚目は似ているのでもったいないかもしれません。2枚目は人が埋もれていて人物写真にしては人が目立っていないので…。何を伝えるための写真かという視点も大切です。」

POINT
・写したい対称のどの部分に焦点を合わせるのがベストかを考えて撮る
・何を伝えるためにその写真を選ぶのかという視点も大切

2-2. 協力隊2人目(選んだ写真)

協2:「1枚目は収穫風景。2枚目は収穫袋が特徴的だったので、その袋と八朔の保管倉庫が写ったもの。3枚目は被写体の人柄が伝わるものを選びました。」

岡本さん:「1枚目の写真は、もう少し頭の位置が橋より上でもいいかも。構図的な違和感があります。」

岡本さん:「2枚目は絞りでF値を大きく(ボケ度合いが小さい)をしたので、全体が写っていて良いですね。でも横の扉が写っているのは微妙かも。撮りたい絵が撮れる場所に移動して撮るのも大事ですよ。」

岡本さん:「3枚目は背景がもう少しボケてもいいかも。とても小さなF値で撮影できるレンズを買わなくても、被写体に前に出てもらって、背景とひとの距離を長くすることで、背景をよりボケさせることができます。」

POINT
・撮りたい絵が撮れるところに移動して撮影する
・背景と被写体の距離を大きくすると、背景がよりボケる

3. プロカメラマンが切り取った因島

ここまで協力隊の写真とプロカメラマンからいただいたアドバイスをご紹介してきましたが、今度はプロが撮影した3枚とコメントをご紹介します。

絞り:大きいF値で全体をはっきりと撮影
絞り:小さいF値で鳥に焦点をあてて撮影
絞り:大きいF値で全体をはっきりと撮影

岡本さん:「絞りは、絵で言うところのタッチ、筆使い、雰囲気を決める要素でもあると思います。ボケたところがあると柔らかい空気感になるというか。曖昧さを含む世界というか。撮影者の好みなので、いろいろ試してみてください。」

4. 因島で出会ったひとやもの

最後にあとがきとして、今回因島で出会ったひとやものをご紹介します。

せぱたくさん
因島出身の31歳。九州の大学で体育教育を学び、卒業後はサッカーコーチをしながら世界各国を旅行。因島にUターン移住後、3年ほど前に兼業農家をしていた家族から畑を譲り受け、八朔をはじめとする柑橘栽培をはじめました。現在は、観光農園をつくるための準備をされています。

instagram @pressboncafe (準備中のカフェのアカウント)

八朔(はっさく)
因島の特産品。写真上は紅八朔(べにはっさく)、下が通常の八朔です。160年程前に、因島のお寺の境内で発見された品種なのだとか。年越しに収穫がはじまり、地元では「旬はお雛様の時期(2~3月)」と言われているそうです。

木成り(きなり)
柑橘の豆知識。通常収穫後に完熟させて出荷するのを、木に実らせたまま完熟させたものを「木成り(きなり)」(例:木成り八朔)と呼びます。収穫してから熟させたものより糖度が高くなると言われています。

いかがでしたでしょうか。これからも尾道各地のさまざまなエリア情報と、カメラ講座の内容をご紹介していきます。よろしければフォローやいいね!をよろしくお願いします♪

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