[野球][北海道日本ハムファイターズ観戦日記 2022]5/11 監督と選手の関係について考える

 昨日の試合に関しては、特に言うことはありません。走者を置いてあと1本が出ず、そればかりか走塁ミスでチャンスを潰し、たまの得点はHRだけ。守っては守備ミスの連続で投手の足を引っ張り失点を重ねる。言ってみればここ最近の典型的なハム野球でした。進塁打はマイナス査定とか言いながら、初回無死2塁の走者をいきなりバントで「進塁」させるというお見事なダブスタ采配も相変わらず。先発の加藤は確かに良くなかったですが、そりゃたまにはこういう日もある。

 しかし虫の居所が悪かったのか、新庄監督は試合後にこんなコメントを出しました。

「1軍に残りたいという姿勢が全く見えない。バットを出さない限り、一生結果は出ない」。

  昨日見逃し三振したのは清宮だけでなく野村や片岡もですが、まあ、清宮のことを非難しているとみていいでしょう。

 ヤクルトや楽天の元選手たちに言わせると、野村克也監督はたとえ見逃し三振であっても、ちゃんとした根拠、理由のある三振なら文句は言わなかったといいます。つまり自分なりに根拠があって狙い球を絞り、それがたまたま外れてしまって結果として三振なら仕方ない、ということ。野球は考えるスポーツなんだから、自分なりに考えてプレイせい!ということですね。その考えが浅かったり間違ってたり、というのはまた別の話。昨日の清宮の三振は、自分なりに狙いを絞ったけど結果として全然違う球が来たので仕方ない、という三振に見えました。自分の打てない、苦手な球種は捨てて自分の打てる球(ストレート?)に絞っただけなのかもしれないけど、それも明確な根拠には違いない。全然悔しがってなかったですからね。ああいう割り切った三振は、たとえば金子誠現コーチも現役時代によくやってました。でも新庄はなんでもかんでもガンガン振りに行くタイプの選手だったから、清宮みたいに四球が多くじっくりタマを見極めたいタイプは理解出来ないんでしょう。問題は新庄が、自分のプレースタイルこそが唯一の正解と思い込んでることです。だから自分の好みを選手に押し付ける。自分の現役時代の成功体験が唯一絶対の拠り所になっていて、選手にもそれを当てはめたがる。よく聞く話です。

 だからこの発言はパワハラの疑いがあります。「進塁打はマイナス査定」とか、選手の生殺与奪を握る査定まで持ち出して選手を思い通りに動かそうとしているわけだから。冒頭の「バットを出さない限り」云々の発言に関しては「よくぞ言った」みたいな反応がプロ野球OBから出てたりしてますが、プロ野球……というか体育会系組織はおしなべて理不尽なパワハラ体質だったりしますからね。

 私の憶測ですが、清宮も自分のプレイスタイルと監督の押しつけてくるプレイスタイルの違いに困っているはず。たぶん信頼できる先輩に相談も持ちかけているかもしれない。選手と監督ならそりゃ監督の方が圧倒的に強いし、監督の方針に合わない選手はファームで干されてオフはトレードか戦力外が通り相場ですが、ドラフト7球団で1位競合、名門早実出身のエリートで知名度も注目度も抜群、しかもまだ若い清宮となれば、どっちが強いかはわからない。清宮を一人前に育てられなかったらハム球団の育成体制に大いに疑問がもたれることになる。ましてこれでトレードにでも出せば大騒動になるのは間違いないですが、もしかしたら監督が放り出されて選手が残ることだってありうるわけです。判断するのは監督ではなく球団フロントですが、清宮クラスの処遇となれば親会社の意向も関係してくるし、もちろん出身の早稲田学閥との関係もある。ヘタに清宮を扱ったら早稲田関係のアマ選手を今後一切ドラフト指名できない、なんてことになりかねない。そう考えると、もし新庄と清宮の対立が抜き差しならないことになっても、清宮より先に新庄が切られることもありうる。実際、今のままのチーム状態が続き、GWまっただ中のホーム試合で1万人ちょっとしか入らないような観客動員の低迷が続くようなら、ありえないことじゃない。

 監督やコーチの指導通りにやったところで、必ずうまくいくわけじゃない。しかし指導があわず選手が大成できないまま終わっても、監督やコーチがその選手の人生まで責任を負ってくれるわけじゃない。ならななんでも言うことを聞くんじゃなく、監督やコーチの顔色をうかがって萎縮するんじゃなく、堂々と自分の信念とプレイスタイルを貫け。もしかしから相談した先輩から、そんなアドバイスもあったかもしれない。昨日の見逃し三振後の清宮の様子を見て、なんとなくそう思いました。ま、だからといって私も清宮は現状のままでいい、なんてこれっぽちも思っちゃいませんが。

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