見出し画像

サクセスストーリーの演者

ミニシアター

全国にはミニシアターがある。ミニシアターという言葉がいつごろ産まれたのかは僕は知らない。僕が映画館に一番通っていた時期は単館系とか独立系映画館とかそんな言葉はあったし、あとは名画座だった。
今は全国の都市部にシネコンが出来たからその対となるものなのかもしれない。
ミニシアターは元々、経営が難しかったという。地方のミニシアターは一定層のシニア層の常連がいたのだけれどコロナ禍で離れてしまって、その影響は今も続いている。
スマッシュヒット、大ヒット、とにかくミニシアターも全国的なヒット作品を待ち望んでいる。

多様な映画

ミニシアターで上映される作品は実に多様な作品だ。
ハリウッドではない海外の作品、社会的メッセージ性の強いドキュメンタリー作品、インディーズムービー、前衛芸術作品、名画や名画のデジタルリマスター上映。
ほとんどのミニシアターはそういう映画を特化型にせず上映している。ミニシアターでしか観れない映画はたくさんある。
最近はインディーズムービー的商業映画もあるし、簡単にこの映画はこういう映画と説明することは難しいのかもしれない。

映画「演者」の一番館、K'sシネマもいわゆるミニシアターになるのだと思う。映画ファンにはおなじみの映画館だ。上映できることだけでもすごいことなんだと言われることも何度もあった。今も話題作を上映している。

世間一般の人々にとってミニシアターとはどういう場所なのだろう?
映画館と言えばシネコンでポップコーンという人の方が圧倒的に多いのはわかる。ミニシアターには一度も言ったことがない人もたくさんいるはずだ。
でも僕の目にはだけれど、そこまで敷居が高い場所だと思ったことがない。小劇場やライブハウスに比べればずっと足を運びやすい場所だと思う。でもそこと比べてもしょうがないのかもしれない。
どういう場所なのだろう?そういうことは考えてしまう。

weeklyぴあ

今は廃刊となってしまったけれど、僕たちはいつもぴあを読んでいた。なんか映画でも観に行こうかという話になれば、ぴあを開いて今週末上映している映画を探した。そこには並列にどんな映画も紹介されていた。あの頃、僕は話題作かどうかなんかはあんまり関係なく作品を選んでいた。
何だこの映画、ここでしか上映してないけどどうする?みたいな感じ。
なんだったら行く街が先に決まっていて、そこでやっている映画を探したりもした。

それで貸切状態だったこともあったけどさ。
なんか、面白い作品ぽいなと思ったのはどんどん観に行った。
でもまあ多分、ぴあにすら載らない映画もあったんだろうなぁ。
そう思うともったいないことをした。
今はそれがネットで検索できるということで。
だからこそ、ぴあも廃刊になったんだもんなぁ。
でもかえってそれは見えにくいものを見えにくくしたのかもしれない。
そんなこともなんとなくだけれど思っている。
並列かなぁと言われれば並列ではない。

はじめの一歩

いずれにせよ大きな宣伝費用を持たない映画「演者」のような映画は地道にゲリラ的手法の宣伝を繰り返していくことと、観てくださった皆様が楽しめる作品であること、そして口コミが拡がることしか道はない。
口コミが拡がった頃には上映されていないなんてことも充分にある。
僕は面白がってもらえると確信しているけれどさ。それだけでは無理ということだ。
だとすれば、重要なのはそもそも口コミをしてくれる誰かに観てもらわなくちゃいけないということだ。

はじめの一歩。

映画ファン、その中でもインディーズムービーファン。元々、僕たちを知ってくださっている方。時間と場所の都合さえあればきっと足を運んでくださると思う。でもきっとそれだけでは不十分で。
ミニシアターにはあまり足を運ばない層であるとか、映画以外の、、、音楽や絵画や執筆や演劇の他の分野のアーティストたちだとか、映画に限らず何か楽しいものを探している敏感な人たちだとか、そういう誰かが、あれ?これちょっと観ておこうかな?って思うとしたら何が鍵なのだろう。

数万人相手のプロモーションではなくて。でも出会わなくてはいけない誰かがやっぱり存在しているよなって思っている。その誰かにはじめの一歩を踏んでもらうにはどうしたらいいだろう。
すくなくても映画ファンの方々にはまず知ってもらわないとだ。

サクセスストーリー

大きなサクセスストーリーがある。20年以上も劇団をやっていて映画を製作して、コロナ禍の中で解散を経験して、これからどうしていくのだろう?今頃何をやっているのだろう?なんていうタイミングで、かつての仲間同士で新しい映画を公開するというサクセス。何年も何年もかかっている道。
でもそんな大きなサクセスではなく、この映画「演者」だけのサクセスもある。単館上映で始まるサクセス。まだ世の中に知られていない作品。そこからどんなサクセスを踏んでいくのかというダイナミクス。

僕は一番館の上映に来てくださった皆様が、後日自慢できるような道を歩めたらなぁと思っている。まだ誰も知らないような頃に観に行ったんだぜとか言えるまで、進んでいけたらなぁと考えている。単館の初日でまだ誰も知らなかった「ロッキー」を観た人たちはアカデミー賞を獲った時に嬉しかったはずだもの。
まぁ、そんなに簡単なことじゃない。
実は今も映画館に連絡をしては、自分の至らなさに落ち込む毎日だ。なんだったら呼吸すらしたくなくなったりするよ。
でもみていろヨと思っているよ。
どんな可能性だってあるに決まっている。

面白そうから面白かったへ

もうすでに予告編が映画館で流れている。
もうすでにチラシが置いてある。
もうすぐポスターも張り出される。
ネットでもSNSや映画サイトや映画館で紹介されている。

誰かの目にとまって欲しい。
あの頃の僕のように。
そしてはじめの一歩を踏み出してほしい。

誰かの「面白そう」が「面白かった」に変わる。
映画「演者」がヤバいと気付くだろう。
それがこのサクセスストーリーのスタートになる。
誰かはそのストーリーの演者になる。

夢だと笑うなら笑え。
僕は前にだけ進む。

この記事が参加している募集

投げ銭は全て「演者」映画化計画に使用させていただきます。