雪とみぞれの違いとは?
昨年の初雪から、ちょうど一年が過ぎました。
丁度1年前の12月14日は、東京の初雪でした。
今年の冬の気温は平均より低く、日本海側の雪は多くなる予想がされていますが、初雪は今年のほうが遅かったわけですね。
しかし東京の初雪はおおむね1月初旬に降ることが多いので、初雪はまだまだかもしれませんね。
12月24日が初雪だったりしたら、さぞかしロマンチックなホワイトクリスマスになるのではないでしょうか?
さて、昨年の12月14日に降った初雪は、みぞれでした。
みぞれもは観測上、雪と同じ扱いをされます。
ところで 皆様、雪とみぞれの違いはご存じでしょうか?
雪とは、大気中の気体だった水(つまり雲)が凍って、結合と成長を繰り返して雪の結晶となったものが重力を受けて地表に降り注ぐものですが、これが地上に落ちてくるまでに溶けたものが雨となります。
(なので雨は全て、もともと雪だったということになります)
そして、みぞれ とは溶けかかって降る雪、あるいは大気上層の雪が中、下層の水分で湿って液体の水とまざった降水を指します。
あの名曲は…
「雪は雪のまま降っている」ということが分かりましたが、そうすると1つ覚えておいてもらいたいことがあります。
冬の名曲である山下達郎さんの『クリスマス・イブ』に「雨は夜更け過ぎに雪へと変わるだろう」というフレーズがありますが、これの解釈が重要になります。
「変わるだろう」の「変わる」とは性質の変化を表すのではなく、観測結果として変わるという意味で解釈しないと歌詞が間違えていることになります。
「雨は夜更け過ぎに雪へと変わる(変化する)だろう」と解釈すると間違えていることになります。
「雨は夜更け過ぎに雪へと(観測結果が)変わるだろう」の解釈してあげてください。
雪になるには湿度も重要
一般的には湿度50%では地上気温5℃であっても雪になる一方、湿度90%以上では地上気温3℃でも雨になります。
しかし気温約4℃以下では、ある程度の湿度があっても融解層(みぞれ)が出現して、完全な雨にならないことがあります。
またこの融解層(みぞれ)の出現する湿度の幅や、4℃という境界点温度は、雪の結晶の大きさや密度に依存し、これが大きいほど融けにくいので幅が大きく、境界温点度は高くなります。
今日は「忠臣蔵の日」でもあります
ちなみに今日12月14 日は、1702年(元禄15年)に47人の赤穂浪士が江戸、本所松坂町の吉良邸にて討ち入りを行い、主君の仇討ちを遂げた赤穂事件があった日。つまり「忠臣蔵の日」でもあります。
時代劇で描かれる赤穂事件では、雪の降りしきる中を討ち入りに向かう赤穂浪士たちの姿がドラマティックに描かれていることが多いですが、史実では前日まで降り積もっていた雪は残っていましたが、討ち入り当日には雪は止んでいたそうです。
あれから320年、赤穂浪士たちの評価も時代の価値観とともに移ろいゆき、そして気候もずいぶんと変わり、東京に雪が降り積もることも珍しくなりました。
何もかもが変わりゆく時代だからこそ、すぐに溶けて無くなってしまうみぞれに、時の儚さへ思いはせてみるのも良いかもしれませんね。
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