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【イベントレポ・後編】「紹介営業を科学する –紹介が生まれ、契約を頂くまでの極意–」

*本記事では、株式会社オンリーストーリーがTORiX株式会社 代表取締役 高橋 浩一 氏、株式会社マツリカ 執行役員 中谷 真史 氏とウェビナーイベント「紹介営業を科学する –紹介が生まれ、契約を頂くまでの極意–」をオンライン共催した際の内容をまとめています。

コロナ禍において多くの企業が新規開拓に頭を悩ませる中、「紹介営業」が注目を浴び始めています。一方で、紹介営業は属人化することが多く、これまでそのノウハウも語られる場面が多くはありませんでした。

オフライン集客手法が機能しづらい中でも効果を期待できる営業手法としての紹介営業について、イベント内で議論した様子をまとめています。

日頃の営業組織、手法の改善にお役立てください。


前編はこちらから…


スピーカーの紹介

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高橋 浩一 氏|TORiX株式会社 代表取締役

戦略コンサルティング会社を経て、25歳で起業。アルー株式会社に創業参画し、6年で70名までの組織成長を牽引。2011年にTORiX株式会社を設立。コンペ8年間無敗の経験を基に、2019年『無敗営業「3つの質問」と「4つの力」』、2020年に『無敗営業 チーム戦略』を出版(シリーズ累計6万部突破)。
中谷 真史 氏
株式会社マツリカ 執行役員

新卒にて外資系製薬会社へ入社、MR約1000名中トップセールスを経験。その後コンサルティングファーム2社にてセールス分野のプロジェクトを中心としたコンサルティングに従事。2018年よりマツリカに入社。カスタマーサクセス統括部長に就任し、顧客のSenses活用による営業成果向上の支援に従事した後、現在では執行役員として営業・マーケティング組織を管掌する。また平行し、Sales Science Lab, Inc. Founder & CEOを務める。
竹中 龍聖 氏
株式会社オンリーストーリー

マーケティング・セールスマネージャー。2019年インターンにてオンリーストーリーへ入社。インサイドセールス組織の立ち上げを実施。その後、フィールドセールスのトップセールスとなり、2020年全社年間MVPを受賞。現在は、同社のマーケティング・セールスセクションのマネージャーを務める。


紹介を生むためのポイントとは?

◆紹介したくなる要素を「身近な人」からつかむ。

高橋:
紹介を根本から考えたときに、その人の強みや、他の人のお役に立てるポイントが広がっていった結果、起こる現象みたいなことだと思うんです。
その人の紹介したくなるポイントがクローズアップされて、いろんなところに(話しが)登場するから声がかかると考えています。

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高橋:
声がかかる人になるステップを整理したものがあるのですが、そもそも紹介がかかる人というのは、身近な人の間で紹介されやすい。例えば社内で声がかかるとか、頼りにされるといった要素があると思うんですよね。

何らかの紹介を増やしたいと思っている人たちにまずおすすめしたいのは、自分の身近なゾーンで声がかかる現象が増えているかどうか。

自分の強みというか、紹介したくなる要素の種をつかんでいるかどうかで結構変わってくるなと思っています。それが広がると知人の知人へと広がる。言語化されると、世の中に広がると思っています。

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高橋:
大事なのは、自分が何によって人から必要とされるかの種をどのくらい知っているかだと思います。職場の人とか、友達とかお取引先で、おそらくいろんなフィードバックがあって、そこに自分の強みのヒントがあり、行動してみると何かいいことが起こる。それが手ごたえを掴むことではないかと思います。

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高橋:
目の前の人に貢献して、何が良いかを聞き、人にお役立ちできる要素の芽が大きくなってくると、中谷さんが言っていたようなタイミングにかかる確率が上がっていくんじゃないかなって思うんです。タイミングが何によって起こるのかについて、自分がいないところで話題になる回数だと思っています。

その人の何か光る要素があるから、思わず他の人が話題にする。そうすると、知ってる人と知らない人の接触が発生して、お願いしたいことが発生するかもしれない。これが中谷さんの言っていた、Why youとかwhy nowの話に通じるなって思っています。


◆人の心が動く瞬間は、自分の想像と違うところにある。

高橋:
紹介の再現性を上げるためにやったほうがいいことは、紹介してくださった方に対して、なぜ紹介してもらったのかフィードバックをもらうこと。
中谷さんの話しにあった、お客様に対して紹介で来たのかを必ず聞くというのは、上手い言いまわしだなと思いました。 

僕は紹介をしてくださった方に「どういうセリフで私を紹介していただいたんですか」と聞きます。何か心が動く要素があったから、紹介してくれたと思うんですよ。その心が動いた瞬間のフィードバックをもらう。そうするとさらに強みが拡張されていくんじゃないかなと。紹介で会えた人に、また何かお役立ちをするというサイクルが回ってるから、紹介が上手くいくなって思います。

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中谷:
自分がいないところでポジティブな話題になることを設計するのは、至難の業ですね。極論、自分の人間性とスキルを高め続けるしかないのかなという……相当難しいところですね。紹介いただけた文言まで細かく聞いていくのは、再現性が高いですね。今すぐにでも始められることかもしれないという印象を持ちました。

高橋:
人を紹介する行為って、やっぱり心に負担がかかると思うんですよ。だから、自分の周りで誰かの心が動くことに対して詳しくなればなるほど、(紹介の)精度が上がると思ってるんです。

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高橋:
心が動くというのは、大抵、人生の大事な場面で誰かの心を動かしてるわけじゃないですか。会社に入った時点で採用に迷う会社を動かしていますし、ご結婚されてる方はその相手の心を動かしていますし、引っ越して部屋に住んでる方はオーナーの心を動かしているわけですよね。

紹介するということは、紹介しようかどうしようか迷って紹介する行為をしているわけですから、心を動かしたポイントがあると思うんですよ。

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高橋:
僕は人の心が動いてる瞬間は、自分の想像と違うところにあると考えてるんですね。

だからこそ紹介を狙って起こすのは難しいと思うんですけど。採用面接で自己PRが響いたのかと思ったら、実は挨拶が良かった、みたいな(笑)。
紹介も似てると思うんです。だから、心が動いたポイントを聞く。僕はいつもセリフを聞いていまして。最近ありがたいことにいろいろご紹介とかお声掛けいただくんですけど、そこに共通して出てくる言葉の中に、『言語化』って言葉が、登場率7割位なんです。

この言葉があることによって、紹介が生まれているとすると、僕はそこをもっと頑張ったほうがいいっていうことじゃないですか。近い言葉として、『コンテンツ』とかあるんですけれども、でも言語化って言葉で紹介されるんだなって思ったら、多分、自分が発するいろんな情報に『言語化』っていう単語を置いといておいたほうがいいと思うんですよ。

高橋:
会社はコンサルティングなので、組織の共通言語をつくるという文脈で紹介してもらえたら嬉しいと思っていたのですが、調べると「型を作る」という文脈で紹介されることが多かった。だから途中で、資料の中に「型」っていう言葉を増やしたんです。自分の知らないところで話題にあがるときに、「型」という言葉が結構使われていました。しかし僕自身は「型にはまった営業」みたいな感じであんまりポジティブな意味じゃないなと思っていた。意外にも「強い営業組織って型がしっかりしてるよね」といったポジティブな意味で言われることに気づきました。

それが、自分の想像とは違うところで相手の心は動いているということでした。それで「型」っていう言葉をポジティブな文脈で使う回数を増やしたんです。そうしたら、HPのお問い合わせの中に、型をつくりたいという相談が増えたんですね。それってやっぱり聞かないと気づかないというのがある。だから、確かめたほうがいいですよっていうことです。


◆言語化をして、紹介の再現性をアップ。

高橋:
(心を動かしたポイントの)聞き方にもタイミングがあって、何かの会話のきっかけにどこかで必ず聞き忘れがないようにしています。

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高橋:
よいのは、紹介直後です。「ご迷惑がかからないように1つだけ伺っておきたいんですけれど、私を紹介いただくときにどういう表現やどういう線で紹介いただいたか教えていただけますか。そうすれば、ズレが起こらないようきちんと対応できると思いますので」と伝えると、大抵教えてくれます。

気が利いた方は、メールを転送してくれたりする。このメール内容の表現が参考になります。社内の資料で載せるスライドとかを送ってくれたりとか、パワーポイントを丸ごと送ってくださったりもするので(笑)。社内のそういう資料の中に何ページ目にどういう文脈で入ってるのかっていうのがわかると、すごく紹介の再現性が上がるなっていうのはありますね。

声がかかる人になるステップで言うと、世の中に発信していくステージになると、自分がなんで紹介されるのかっていうことを言語化しないと声がかからない。ある程度できるようになってくると、例えばSNSでお役立ち情報を継続的に発信するとか、自分の領域でキーになる人にフォローされるとか、大体1500から3000文字くらいの文章を書いているとか……とにかく(言語化を)意識していくんです。

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高橋:
フォロワー数とエンゲージメントで見たときには、いきなりインフルエンサーになるのは難しいので、少ない人数で濃いつながりがつくれるかどうかが結構大事ですね。

僕が言語化しているときにやってた習慣がありまして。コメントつけて投稿をシェアするのをやってくれたら、やっぱりめちゃくちゃ嬉しいんですね。でもその理由が気になるので、会話の中で「何がおもしろかったですか」とか聞いて。

言語化して情報発信したときに、リアクションに対してなんで反応してくださったのか分析すると、伝え方がもっと上手くなります。だから僕はTwitterをやってるときに、「最近Twitterがんばってますね」と発した方に、「頑張ってるけどなかなか効率悪くて」と言って、どのツイートが心に残っているかを聞いていました。そしたら僕が投稿するテーマで反響があるのが3種類あって。僕はその3種類の話を適度に散らばらせながら意図的にその3つの投稿を増やしています。それで、声のかかり方がその言葉に近づいてくるんですよね。

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竹中:
フィードバックをもらうことを高橋さんが意識し始めてから、実際によい循環になるまでどれぐらいの期間がかかったのでしょうか。

高橋:
身近な人からフィードバックをもらうことに気づいたのは、26歳のときです。コンサル業界ってパワポをよくつくります。だから、コンサル会社出身の人は結構パワポで勝負するんです。僕もかつては営業のときにパワポで勝負してた時期が、20代の時にあったんですけど、大量に資料作るのに全然響かない(笑)。

中谷:あぁ、ありますよね(笑)。

高橋:
あるとき、僕が手書きで書いてるノートに注目したお客さんに「そのノート写真を撮らせてください」って言われたんですね。そうしたら1日に2回同じ現象が起こったんですよ。あ、そっちが響くんだと。それを聞いたら次からパワポたくさんつくるのやめますよ。そして手書きのノートを一生懸命頑張ってつくる。だから、スケッチブックを持って商談に来る営業みたいな印象も(笑)。そんな感じでやり始めたのが20代のときですから、今、43歳なので効率はそんなに良くないと思います。だから、あらかじめ知っていたらもっとその期間2年とか縮められると思います。

紹介って結局人が決めることなので、短い時間軸でリターンを求めるとやっぱりうまくいかないだろうなとは思います。


◆人の心を動かす力は、一生もの。

竹中:
最後にお二人から何か伝えておきたいことがありましたらお願いいたします。

中谷:
BtoCに紹介いただくポイントみたいなところで言うと、その人の気持ちがより重要になります。一方で、BtoBだと組織の思惑と個人の思惑で必ず何かしらズレはあるので、個人の思惑だけでは動かしきれない部分があります。だとすると、BtoCって基本的にはその人にとって、何か見返りがある、もしくは嬉しい気持ちになるところを設計してあげればいいですよね。直接的にお金だったりとか、金銭的なメリットを得られるキャンペーン、そういったものをつくるんです。

例えば僕が困っている営業パーソンに高橋さんを紹介して差し上げたときに、高橋さんがその人に会ってくれたとすると、(紹介した人にとって)僕の株が上がるわけです。「中谷さんって高橋さんとつながってるんですか、すごい」ってなるんです。それを演出する。なので、自分の能力を高め続けることでしかそれは演出できません。そこは飛び道具ではなくて、時間がかかっても自分の人間性とスキルを高めていきましょうっていう話かなと思います。

高橋:
紹介が今回のテーマでしたが、紹介がうまくいっている人ほど長い時間軸で考えてるというのはあるだろうなって思います。とは言っても、やっぱりメリットとリターンは人間である以上、欲しいじゃないですか。

自分の強みとか、なんで必要とされてるのかっていうことに詳しくなるっていうのはすごく大事だなと思ってまして。ただ、他人の心の中って覗けないので、やっぱ聞いてみないとわからない。そういう意味で言うと、今紹介を必要としている営業に携わる方っていうのは、目の前のお仕事もあるとは思うんですけど、そういう人の心動かすっていうことって一生ものの力だと思います。

生涯かけてそういうのは上がっていくと、先々にいっぱいいいことも起こるので、やっぱりそういうのを鍛える意味で、営業はすごくいい仕事だと思います。

竹中:
本日は多くの方にご参加いただきありがとうございました。


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