世界の学校から“良い教育”を学ぶ旅@フィリピン 〜萎縮する子への勇気づけ編〜
はじめに
僕は昨年度「日本に新たな学校のスタイルを築きたい」と思い、仕事を辞め、世界中の学校を回っている元小学校の先生です。
今はフィリピンの語学学校で英語を叩き込み、世界中の人々とコミュニケーションをとれるように頑張っています。
そして先週、語学学校で行われたスピーチコンテストに出場しました。
英語を初めて3週間の僕が、“場違い”と分かっていながらもそのコンテストに挑戦した結果、教育における大切なことに気づくことができたので紹介したいと思います。
萎縮する生徒に対する教師の2パターンの声かけ
英語のスピーチコンテストは、発音だけでなく、声の大きさや表現力が大切になります。
教師の圧倒的な表現力に圧倒され、多くの生徒が萎縮して小さな声になっていました。
そんな中、「先生は萎縮する生徒にどんな声かけをするのだろう」と気になって観察してみたところ…
先生の声かけが大きく2パターンに分かれることに気づきました。
「他人の目を気にしないで」という言葉の落とし穴
1つ目のパターンが、「他人の目を気にしないで」や「恥ずかしがらないで」というように、萎縮していることを否定するパターンです。
結構こういった言葉を使う先生は多いです。
しかし、この言葉をかけられた生徒は、ますます萎縮していっているように見えました。
なぜなら、人間の脳は否定語を認識することが苦手だからです。
と言われたあなたの頭にはきっとかわいい赤ちゃんパンダの姿が浮かんだはずです。
このように人は「〜しないで」と言われたことを無意識の領域では意識してしまうという特性があります。
故に、「他人の目を気にしないで」という言葉がけによって、ますます他人の目を気にしてしまうという矛盾が生じるのです。
僕はこれを否定語の落とし穴と呼んでいます。(勝手に)
望ましい姿を具体的に言語化する
しかし、中には萎縮する生徒を上手に勇気づけることのできる先生もいました。
そういった先生は、
「どんな姿になってほしいのか」を具体的に生徒に伝えていました。
「もっと口を大きく開けてごらん」
「目線を上げて胸をはってごらん」
具体的に指示を出した後に、「うんうん。自信に満ち溢れて見えるよ」とラベリングします。
行動を整えてあげて、さらに勇気づけの言葉を投げかける。
こういった先生に教えてもらった先生はとても生き生きとした表情で楽しくパフォーマンスを発揮することができていました。
上位目標に「成長」を置いてみる
さぁいよいよ本番です。
立派なステージが準備され、辺り一面にオーディエンスが広がっています。
「フォーーーー!!」と本場のパリピたちが盛り上げており、生徒の中に一気に緊張感が走りました。
生徒たちが緊張する中、僕の尊敬する先生がこんなお話をしてくれました。
これぞまさに教師の役目だと思いました。
生徒は時に目の前のことに精一杯になって目的を見失います。
そんな時に生徒の灯火となって、生徒を勇気づけ、信じて待ってくれる教師がいたら、どれだけ生徒はパフォーマンスを発揮できることでしょう。
今回は僕もその生徒の一人でした。
おかげで自分の中での最高のパフォーマンスを発揮できました。
今回もフィリピンの先生に大切なこを教えてもらうことができました。
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