Teacher Teacher はるか

九州大学で教育行政を専攻後、5年間の小学校教諭の経験を経て退職。その後、オンラインで大学院に通いながら世界中の教育施設を訪問。現在子どもたちが無料で通えるフリースクール「コンコン」開校

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九州大学で教育行政を専攻後、5年間の小学校教諭の経験を経て退職。その後、オンラインで大学院に通いながら世界中の教育施設を訪問。現在子どもたちが無料で通えるフリースクール「コンコン」開校

最近の記事

世界の学校から”良い教育”を学ぶ旅@トルコ 〜これが本気の特別支援編〜

はじめに トルコの中にある世界遺産カッパドキア。どこを見渡しても絶景のこの街のLittle Prince Academyという施設で、「本気の特別支援教育」を味わってきました。その中で、宝のような学びと気づきがあったので、これを皆さんにも共有したいと思います。 これが本気の特別支援 世界中から特別な支援を必要とする子どもが集まるこの施設には、子どもの心と身体を育むヒミツがたくさんありました。 子どもが「夢中」になれる環境  ここLittle Prince Academy

    • 世界の学校から”良い教育”を学ぶ旅@カンボジア 〜子どもの『自立』編〜

      はじめに カンボジアのバッタンバンにある孤児院(Hope Of Children)に行ってきました。ここには様々な理由でお家に帰ることのできない子や学校に行けない子が暮らし、学んでいます。そこでボランティア支援をしている岩田亮子さんにお話を伺ってきました。  そのお話の中で、子どもたちが『自立』するために全力で支援する岩田亮子さんの教育観と、この孤児院を「自力で運営できる」ようにするための様々な挑戦に感動と深い学びがあったので皆さんにもシェアさせていただきます。 「この子

      • 世界の学校から“良い教育”を学ぶ旅@マレーシア 〜教育移住する日本人が増えているワケ〜

        【はじめに】 近年世界中から教育移住が増えているマレーシア。そのワケを知るために、マレーシアで最も有名な学校の一つであるISKL(THE INTERNATIONAL OF KUALA LUMPUR)というインターナショナルスクールを訪問してきました。  日本の教育と比較することで見えてきた“良い教育”についてのヒントを皆さんにも共有したいと思います。(今回の記事はかなりボリュームが多いので、見出しの気になった箇所だけでも読んでいただければ幸いです) 【結論】マレーシアに教

        • 世界の学校から“良い教育”を学ぶ旅@フィリピン 〜萎縮する子への勇気づけ編〜

          はじめに 僕は昨年度「日本に新たな学校のスタイルを築きたい」と思い、仕事を辞め、世界中の学校を回っている元小学校の先生です。 今はフィリピンの語学学校で英語を叩き込み、世界中の人々とコミュニケーションをとれるように頑張っています。 そして先週、語学学校で行われたスピーチコンテストに出場しました。 英語を初めて3週間の僕が、“場違い”と分かっていながらもそのコンテストに挑戦した結果、教育における大切なことに気づくことができたので紹介したいと思います。 萎縮する生徒に対す

          世界の学校から“良い教育”を学び旅@フィリピン 〜教師の主体性編〜

          はじめに昨年度、大好きな「学校の先生」という仕事を辞めました。 学校現場に危機感を覚え、日本で「新たな学校のスタイルを築きたい」と思うようになったからです。 そのために世界の学校を回っています。 日本の学校と世界の学校を比較して「良い教育とは何か」について考えを深めいくとともに、公立でなくても無料で教育が提供できるモデルケースを世界の学校から学んでくるためです。 そしてその旅のスタートがフィリピンです。1ヶ月で英語を叩き込んで、世界中の人々とコミュニケーションをとれるよう

          世界の学校から“良い教育”を学び旅@フィリピン 〜教師の主体性編〜

          世界の学校から“良い教育”を学ぶ旅@フィリピン 〜心理的安全性編〜

          はじめに「世界の学校を回って良い教育を吸収するぞ!!」と意気ごんだものの… 英語が全く話せない!! まずは英語を身につけるために、セブ島に行くことに決めました。 なぜかというと、セブ島にある語学学校は、安くて質の高い教育が受けられるからです。 そして実際に行ってみたところ… 1日目から宝のような気づきがたくさんあったので、ほったらかしにしていたnoteアカウントを叩き起こし、みなさんにシェアしようと思った次第であります。 忘れかけてた子どもの気持ち… 「まぁ英語話せ

          世界の学校から“良い教育”を学ぶ旅@フィリピン 〜心理的安全性編〜

          子どもの悪口を止める魔法の指導。

          カッとなったら「だまれ」「バカ」。 やる気が出ない時は「だるい」「めんどくさい」。 子どもたちはそんな言葉使わない方がいいと分かっています。 しかし、やめられません。 なぜなら、自分事として考えられていないからです。 そこでこんな話をしました。 こんな話をすると、子どもたちは一生懸命前向きな言葉を使います。 また、反射的に「え~」や「だるい」などの言葉を使ってしまっても、「今のリセット!だるいけど、がんばる」と前向きな言葉に変換することができていました。 子どもは

          子どもの悪口を止める魔法の指導。

          「私は頭が悪い」と言う子どもへ

          はじめに 「私は頭が悪い」 テストが返ってくると決まって言う子どもがいます。 一体何が子どもにそんな思いをさせてしまうのでしょうか。 どんな子どもにも必ず光るものがあります。 私たちの大人の役目は、決まりきった基準で子どもを評価するではなく、 子どものもつ光を見つけ出し、磨きをかけるお手伝いをすることではないでしょうか。 多様な能力をもった子どもたち クラスの中には、実に多様な能力を持った子ども達がいます。   発表したり説明したりすることが得意な子もいれば、文字や

          「私は頭が悪い」と言う子どもへ

          子どもたちに伝えたい「才能よりも重要な力」

          はじめに  先日、計算検定が行われました。計算検定とは、学校全体で行われる計算力を試す試験のことです。5年生になると複雑な計算が出題されるため、初めはほとんどの子どもたちが合格点数に届かず、弱音を吐く姿が見られました。しかし、最終的にはほぼ全員の子どもが得点を大幅にアップさせることができました。前日までに、子どもたちは一体どれ程の数の計算をこなしてきたことか…。子どもたちの粘り強く取り組む姿に心打たれました。さらに驚くことに、子どもたちは教師にやらされたのではなく、  「先

          子どもたちに伝えたい「才能よりも重要な力」

          「独学の時代」を制する子どもを育てる

          「先生このサイトいいですよ〜」 最近はこんな声を2年生の子どもから聞くことができます。誰でもWebサイトを作り、誰もがWebサイトにアクセスできる時代になりました。今は子どもたちが学ぶためのWebサイトがたくさんあります。全て無料で、かなり質が高いです。お金を払わなければ学べなかった時代から、誰でも簡単に質の高い学びができるようになってきました。僕は勝手に「独学の時代」と呼んでいます。学び方を知っていれば、誰でも上を目指せる時代です。今回は、この時代にピッタリの「独学大全」と

          「独学の時代」を制する子どもを育てる

          「なんで勉強するの?」と言われて答えられますか?

          はじめに「なんで勉強なんかしなきゃいけないの?」  この問いは誰もが考えたことのある問いでありながら、なかなかその「答え」に納得できなかった問いではないかと思います。皆さんは、子どもにこの問いを投げかけられたらどのように答えるでしょうか。今回は哲学が積み上げてきた知恵をお借りして、この問いについての「答え」を探っていきたいと思います。  一般化の罠 問いを投げかけられるとすぐに一つの「答え」を探そうとしてしまうのが人間の性です。まずは、この一般化の罠から抜け出さなければなり

          「なんで勉強するの?」と言われて答えられますか?

          世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方

           最近、子どもたちが将来のことについて話をするようになってきました。科学者になりたい子ども、プロ野球選手になりたい子どもなど、夢や希望に満ち溢れています。そんな中でも、特に「やりたいこと」がない子どもたちもいます。そんな子どもたちはどのように「やりたいこと」を見つけるのでしょうか。ということで今回は、“世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方”という本をもとに、子どもの「やりたいこと」を見つける方法について、紹介していきたいと思います。 結論「やりたいこと」の見つけ方 結論

          世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方

          バカの壁を越え、賢い人になるために

          はじめに今回は、養老孟司さんの「バカの壁」という本から、誰もがぶつかる可能性のある「バカの壁」について詳しくお話しようと思います。養老孟司さんは東京大学名誉教授であり、「バカの壁」は戦後日本の歴代ベストセラー4位という記録を残しているものすごい本です。  この本を読んだ率直な感想としては、僕自身が「バカの壁」にぶつかっているいるどころか、四方八方その壁に塞がれているんじゃないかと思うほど、この本の中の“バカ”の特徴に当てはまりすぎました。ですので、「こんな人はバカだよね」とい

          バカの壁を越え、賢い人になるために

          不登校を99%解決する方法が      不登校でない子どもにも効果絶大でした。

          はじめに みなさんは、今日本に何人の不登校の子がいるかご存知ですか?なんと、小・中学校合わせて196,127人です。(文部科学省、2021)信じられない数ですよね。20万人近くの子ども達が学校に行くことができず、その中には、学ぶこともできない子どもが数多くいます。「どうにかしなければ。」と思い、『不登校は1日3分の働きかけで99%解決』という本を読みました。読んでみると、この内容は不登校の子だけではなく、全ての子どもに必要な支援であると確信を持ったため、皆様に共有することにし

          不登校を99%解決する方法が      不登校でない子どもにも効果絶大でした。

          なぜ子どもは本音を話さなくなるのか

           先日、衝撃的な本に出会いました。岡本茂樹さんの「反省させると犯罪者になります」という本です。題名から衝撃的ですよね。この本を読んだ瞬間に、みなさんに共有しないと!という使命感に駆られ、今回の記事を書きました。まずは、事例を紹介したいと思います。 さかのぼっていくと…。 40代後半の男性受刑者のお話です。彼は、覚醒剤常用者で殺人を犯しました。殺人をした理由を問うと、「覚醒剤を使ったことです。だから覚醒剤を使ったことを反省しています。」と答えました。事件を起こした原因は、覚醒

          なぜ子どもは本音を話さなくなるのか

          子どものウソの暴き方と寄り添い方

          はじめに  皆さんは子どもが嘘をついた時、なんと声をかけますか?「嘘をつくことは人として許されないこと。」と諭していくでしょうか。「嘘をついたら悲しい。」と心に訴えかけるでしょうか。もちろん答えなどありませんが、ただ一つ明らかなことは、子どもはうそをついてはいけないことくらい分かっているということです。何かもっと大切なことを忘れていないでしょうか。今回は、子どもが自分で嘘を認める対話法と、子どもが嘘をついた時の対応について記事を書いていきたいと思います。 子どもが自分で嘘を

          子どものウソの暴き方と寄り添い方