世界の学校から”良い教育”を学ぶ旅@カンボジア 〜子どもの『自立』編〜
はじめに
カンボジアのバッタンバンにある孤児院(Hope Of Children)に行ってきました。ここには様々な理由でお家に帰ることのできない子や学校に行けない子が暮らし、学んでいます。そこでボランティア支援をしている岩田亮子さんにお話を伺ってきました。
そのお話の中で、子どもたちが『自立』するために全力で支援する岩田亮子さんの教育観と、この孤児院を「自力で運営できる」ようにするための様々な挑戦に感動と深い学びがあったので皆さんにもシェアさせていただきます。
「この子たちを自立させてあげたい」
現在子どもたちの成長を全力で支える岩田さんには、「子どもたちが社会を生き抜くことができるように自立させてあげたい」というブレない軸がありました。
そのため、子どもたちは自分の生活のことはもちろん、農作業や薪割り、建物のメンテナンスも自分たちで行っています。
こんなに小さい子どもも自分で自分の器を洗っている姿、誰から言われることなくみんなのために薪割りをする姿に驚きました。
「自分のことは自分でやる」という厳しい言葉の裏には、将来の自立のことを見据えた岩田さんの愛情が感じられます。
生きるためには人の役に立つスキルが必要
自分の生活を維持するだけでなく、学費を払ってくれる人がいるわけではない子どもたちにとって、将来生きていくためには様々なスキルが必要です。
学校の勉強だけでなく、日本で働くために日本語を勉強したり、絵を買ってもらうために絵の練習を一生懸命する子もいました。
「日本に行ってみたいな。雪も見てみたいな」という子どもの純粋な言葉が忘れられません。
実際に伝統的なサーカスで絵を展示してもらったり、日本で表彰された子どももいるそうです。すごい!
運営していくためには…
ここで生活する子どもたちは全員で29人います。学費や生活費もタダではありませんし、支援にも限界があります。
やはり…お金が必要です。
そのため、子どもたちは自給自足できるように野菜やフルーツを育てています。また、それだけでなく生きていくためには様々な費用が必要になりますので、その費用を生み出すためにも様々なことをチャレンジしてきたそうです。
そのチャレンジの一つがレストランの経営です。自分たちが育てた無農薬の畑や野菜を使い、街で美味しい料理を提供することで、その売り上げを生活するための費用にするということです。
このレストランの始まりは、ある女の子の夢から始まったそうです。「自分でレストランを経営してみたい」という女の子の夢を叶えるために、日本に送り出して日本のレストランで修行を積み、実際にお店を開くことができるようになったそうです。今では、その女の子が立派に成長していて、笑顔で僕たちを接客してくれたから本当に驚きました。味もとっても美味しく栄養満点で感動しました!(是非みなさんも行ってみてください)↓リンク
しかし、実際はここの売り上げだけで費用をまかなうのは難しく、たくさんのトライアンドエラーを繰り返しているそうです。
これからの挑戦
岩田さんと子どもたちの挑戦はまだまだ続きます。これからは、子どもたちがオンラインで学ぶことができる環境を整え、自分たちで学びながら教え合い、全体的に底上げできるようにしていくそうです。また、オンラインで学ぶだけでなく、子どもたちはオンラインで発信する方法も学んでいるそうです。
さらには、カンボジアのスーパーフードと言われている食物を育てたり、それを加工する技術を開発したり、ゴミの再利用や、それを使ったメタンガスを作る仕組み作りをしたり…。とにかく色々なことに挑戦しているそうです。
これらの挑戦は全て「子どもが自立するため」という信念で貫かれているように感じました。
終わりに
今回初めてHOCに行ってみて、僕は生涯忘れられない経験になったことを確信しています。
初めは、「子どもたちに何かしてあげたいな」と思っていました。
しかし、気づいたら子どもたちの『自立』した姿に勇気をもらい、子どもの笑顔と優しさに幸せをもらい、子どものこれまで頑張ってきた軌跡に感動して涙が流れていました。
こんなにも子どもたち、世の中の役に立っている施設が運営に苦しまなければならないことは、僕にとってはとても不自然なことに感じます。
これから世界中の学校を回り、こういった施設が運営できる「仕組み」を知り、それを実現させることで力になりたいと強く思いました。
〜プロフィール〜
大好きな「学校の先生」という仕事を辞めて世界一周中の27歳です。
学校現場に危機感を覚え、日本で「新たな学校のスタイルを築きたい」と思うようになったからです。
日本の学校と世界の学校を比較して「良い教育とは何か」について考えを深めいくとともに、公立でなくても無料で教育が提供できるモデルケースを世界の学校から学んでいます。
一緒に旅をしているつもりで、リラックスして読んでいただけると幸いです。
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