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世界の学校から”良い教育”を学ぶ旅@トルコ 〜これが本気の特別支援編〜

はじめに

 トルコの中にある世界遺産カッパドキア。どこを見渡しても絶景のこの街のLittle Prince Academyという施設で、「本気の特別支援教育」を味わってきました。その中で、宝のような学びと気づきがあったので、これを皆さんにも共有したいと思います。

これが本気の特別支援

 世界中から特別な支援を必要とする子どもが集まるこの施設には、子どもの心と身体を育むヒミツがたくさんありました。

子どもが「夢中」になれる環境

 ここLittle Prince Academyでは、子どもが「夢中」になって学べる環境が整っていました。洞窟のような作りになっており、楽器やダンスを楽しめるスペース、アートやおもちゃを使って遊ぶスペース、静かに読書ができるスペースなどがあります。

 それぞれのスペースで音楽療法や心理劇療法など、子ども達の心理的な成長や回復、コミュニケーション能力の向上のための理論に基づいたワークショップが開催されていました。

動物が子どもの心を救う!?

 この学校には、なんと馬がいます。子ども達の最も楽しみにしている活動の一つが、この乗馬の時間です。

これはアニマルセラピーの一環として行われており、ADHDなどの注意力に障害のある子の意欲や注意力が上がることや、自閉症の子どものコミュニケーション能力の向上に繋がることが研究によって明らかになっています。
(詳しくは参考サイト→https://polaris-toyota.jp/ryoiku/animal-therapy1/

実際にここに来ている子どもも「人とは話せないけど、動物とならコミュニケーションをとることができる」といった子どももいました。子どもが馬に話しかける姿や、馬に乗っている時に見せるあの笑顔はとても眩しかったです。

一人の責任にしない!

僕がこの施設で子どもと関わって1番感じたことは…

全然うまくいかない!」ということでした。

これまで教育についてたくさん学んできて、「こんな時はこんな解決法を!」といった知識をたくさん身に付けてきました。

しかし、その知識が最も通用しないのが特別支援教育だと感じました。

もちろんADHDや自閉症についても知識は持っています。しかし、子ども100人いたら100人、全然違います。ADHDだからこんな対応をしようなんてことは全然お門違いで、一人ひとりをじっくり観察して、一人ひとりに合った支援を考えなければ全然通用しません。

これが大切!観察・記録・共有!

子どもと関わる上ですごく有効だったのが、子ども一人ひとりの記録ノートです。

・何をするのが好きなのか。
・何がトリガーで問題行動が起きるのか。
・誰のどの行動で気持ちは落ち着いたのか。

このように、子どもの行動パターンを長期的に追跡し、記録することで、問題行動の傾向や特定のトリガーを特定することができます。この記録がすっごく役に立ちました。

一人の責任にしない。

 大切なのは、上記の記録をみんなで共有してみんなで対応できる環境を作っておくことです。

「あの子はあのお母さんの言うことしか聞かない」といった状況では、お母さんがずっと張り付いておかなければいけない状況が生まれます。

「もう辛いんです」と本音をこぼす保護者の方もいらっしゃいました。

実際に特別支援の子どもと関わると分かると思いますが、一人で対応するのには無理があります。

一人の責任にしないことがとっても大切で、みんなで適切な支援を考え続けることが大切ですね。

〜プロフィール〜
大好きな「学校の先生」という仕事を辞めて世界一周中の27歳です。

学校現場に危機感を覚え、日本で「新たな学校のスタイルを築きたい」と思うようになったからです。

日本の学校と世界の学校を比較して「良い教育とは何か」について考えを深めいくとともに、公立でなくても無料で教育が提供できるモデルケースを世界の学校から学んでいます。
一緒に旅をしているつもりで、リラックスして読んでいただけると幸いです。

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