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子どもたちに伝えたい「才能よりも重要な力」

はじめに

 先日、計算検定が行われました。計算検定とは、学校全体で行われる計算力を試す試験のことです。5年生になると複雑な計算が出題されるため、初めはほとんどの子どもたちが合格点数に届かず、弱音を吐く姿が見られました。しかし、最終的にはほぼ全員の子どもが得点を大幅にアップさせることができました。前日までに、子どもたちは一体どれ程の数の計算をこなしてきたことか…。子どもたちの粘り強く取り組む姿に心打たれました。さらに驚くことに、子どもたちは教師にやらされたのではなく、
 「先生、もう一枚プリントしていいですか?」
 「家にたくさんプリント持って帰ります!」
と、自ら進んで学習に取り組んでいたのです。そのような子どもたちの姿を見て、世界的に有名なある研究結果を思い出しました。ペンシルヴェニア大学のアンジェラ・リー・ダックワース教授による、「グリット力」についての研究です。

才能よりも重要な力

 「グリット力」とは、日本語で「やり抜く力」などと翻訳されます。アンジェラ・リー・ダックワース教授は、もともと中学校の教諭でした。そして、学校の教諭時代に、ある重要なことに気づきました。それは…成績優秀な学生の特徴は頭の良さや、生活環境ではないということです。そして、大学に戻って研究を続けた結果、成績が優秀な学生の共通した特徴は、「情熱」と「粘り強さ」、すなわち「グリット力(やり抜く力)」であることが明らかになったんです。まさに、努力が才能を上回ることが証明された瞬間です。そしてその後の研究から、グリット力は成績だけでなく、あらゆる物事を達成する上で非常に重要であることが明らかになりました。
 私は、この研究が大好きです。なぜなら才能や生活環境を変えることはできませんが、この「グリット力」は後天的に伸ばすことができると考えられているからです。私は、このような子どもが自分で伸ばせる力を思う存分に伸ばしてあげたいと思っています。では、どのように伸ばすことができるのか…!!と話し出すと、まだまだ長くなるので、また次の機会にでもお話しできたらと思っています。

おわりに

 このような話は、子どもたちも大好きです。まるで宝石でも見るかのように目をキラキラ輝かせながら話を聞きます。

 偉大な教師は心に火をつける 

ウィリアム・アーサー・ワード氏

 このような、子どもの心に火をつける話をすることが、我々教育者にできる最大のプレゼントなのかもしれません。

参考文献 「GRITやり抜く力」アンジェラ・ダックワース著、2016

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