「独学の時代」を制する子どもを育てる
「先生このサイトいいですよ〜」
最近はこんな声を2年生の子どもから聞くことができます。誰でもWebサイトを作り、誰もがWebサイトにアクセスできる時代になりました。今は子どもたちが学ぶためのWebサイトがたくさんあります。全て無料で、かなり質が高いです。お金を払わなければ学べなかった時代から、誰でも簡単に質の高い学びができるようになってきました。僕は勝手に「独学の時代」と呼んでいます。学び方を知っていれば、誰でも上を目指せる時代です。今回は、この時代にピッタリの「独学大全」という本に出会ったので、紹介していきたいと思います。
【目標が実現できない理由】
いくら志を高く持っても、大きな目標に向かってやみくもに突き進み続けるというのはなかなか難しいものです。大きな目標だけを掲げることは大海原に出ていくようなもので、どこに進んでいいかも、何をどれだけすればいいかも分からない状態です。例えば、「英語を話せるようになりたい」という目標だけをを立てても、なかなか続かない人が多いのはそれが原因です。
【1/100 プランニング】
目標だけ立てて彷徨ってしまわないようにする方法が1/100プランニングです。1/100プランニングとは、簡単に言うと、目標を細かく分解するということです。具体的な進め方としては、大きな目標を数に置き換えるという作業から始めます。例えば、「英語を話せるようになりたい」という大きすぎる目標を、まずは、「英会話の300ページの本を読み切る」という数で管理できる目標に置き換えます。そこからこの数を1/100にしていきます。300を100で割ると3ページになります。つまり1日に3ページの本を読むという目標ができあがるわけです。どうでしょうか。「英語を話せるようになる」という目標と、「1日3ページ英会話の本を読む」という目標、どちらの方がモチベーションを高く保てるかは明白だと思います。
【実行の鍵は〇〇】
さぁ、先程の1/100プランニングで、「英会話ができる」という目標が、「英会話の本を1日3ページずつ読む」という数字で見える目標に変わり、モチベーションが上がったと思います。しかし、実はここからが難しいんです。この簡単そうに見える、「1日3ページ」を習慣化させることがどれほど難しいことか、これまで数々の三日坊主を繰り返してきた僕にとっては痛いほどわかります。そう、つまり、1/100プランニング実行の鍵は習慣化です。ここでは、どのように習慣化させることができるのか。方法は様々ありますが、一番大切なことを紹介したいと思います。この方法で僕は様々なことを習慣化させることができるようになりました。
【習慣化する仕組み】
結論、脳に快楽を与えることであらゆることを習慣化することができます。脳は、正しいことよりも楽しいことを優先します。脳に快楽を与える、やることは二つです。一つ目は、目標のその先に何が得られるのかを言語化することです。例えば、「英会話ができるようになると得られるものは何か」について言語化し、常に意識しておくことで、脳は快楽を得られます。例えば、「英会話をしなければこの先困る」というようなネガティブな発想ではなく、「英会話をできるようになれば海外旅行で楽しむことができる」や、「周りの人にすごいと思ってもらえる」など、何でも良いので、その先の「楽しい」を意識することが非常に有効です。
二つ目は、最初は絶対に達成できる程小さな習慣にすることです。例えば、「本を1日1回開くだけ」などです。本を開くことくらいは誰にでもできますよね。このことによって、脳は、「達成できた」という快楽を得ることができます。そして、英会話の本を開くことに前向きになるのです。逆に、「全問正解するまで読むことをやめない」などと完璧を求めるのが一番よくないです。これだけで、脳は、その行動そのものに拒否反応を起こしてしまいます。僕が宿題を細かくチェックしないのはそれが理由です。子どもは、完璧を求めると、行為そのものに拒否反応を示します。できたを繰り返すことで、子どもはさらにより良い出来を自ら求めるようになります。小さな達成を繰り返すことで、それから先の大きな目標に繋がっていくということです。
さてここまでいかがだったでしょうか。今回の「独学の時代」の内容で最も伝えたかったことは、まず「一番小さなこと」から始めていきましょうということです。習慣に関するコツはまだまだありますので、是非お話しする機会があれば、お話しましょう。
参考文献:読書猿さん,「独学大全」,2020
吉井雅之さん、「習慣が10割」、2018