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研究中に勧めない仕事とは

修士・博士ともに海外のオンライン大学院で、公衆衛生の研究を行っている。オンライン大学院に使える奨学金はほぼないため、仕事と研究を両立するスタイルを3年間ほど続けている。

様々な仕事をするなかで、研究活動にプラスに働くものとそうでないものがあった。本noteでは、過去の仕事にまつわる経験を記述する。

全部に言えること

・取引先や上司との相性が重要
・研究業をリスペクトしている取引先を大事にする
・報酬と実稼働時間を確認してから、働くか判断する
・「修業期間だから…」と謙遜せず、時給を譲歩しない
・研究活動に悪影響が出る場合は、すぐ辞めたほうがいい
・複数の仕事を並行し、リスク管理したほうがいい
・無理に稼ぐ必要はない(私は妻からお金を借りている)

塾講師(推奨度★★☆☆☆)

中高レベルの理科、社会科を復習する必要性がある場合は、inputしながらお金を稼げるのでお勧めできる。私の場合は、研究テーマ上哲学について触れる必要があり、そのため高校の「倫理」を教えながら学べたのは、とても良かった。

時給の高い塾講師バイトでは、その分無給の準備時間が発生することが多い。また、個別指導では学生がドタキャンすることもあり、その場合時給が下がることがある。そのため、安定的に稼ぐとなるとかなりの労働時間が割かれるため、注意が必要。

専門学校講師(推奨度★★★★☆)

学校にもよるが、時給換算2,000-10,000円と幅が大きい。定期試験作成料や採点料、会議出席代などが支払われるかは、事前にチェックすべきである。

専門学校の大半はクラス制なので、同じ科目を同一日に何回か教えるケースがある。その場合、1日の出勤で1週間暮らせるくらいの稼ぎが得られるので、コスパは高いと思う。

一方、研究テーマとの関連が薄い科目の指導は、教材作成を含めて大変なので、避けたほうが良い。

大学非常勤講師(推奨度★★★★☆)

大学等に今後就職する際に、非常勤講師実績が見られることがある。何も無いよりはあった方がいいだろうと思い、最近勤務を開始した。

自分の専門分野と近い科目を教えるため、inputとoutputの機会として最高である。しかし、90分×15コマの講義を設計するのは大変であるため、実質の時給はそこまで高くない。未来の投資として行うイメージである。

非常勤講師の求人はJREC-INというサイトに掲載されるのだが、条件を満たす応募がなかなか出てこない。そのため、専門学校等で講師経験を積みながら、求人情報を定期的に確認するとよいだろう。

民間企業研究員(推奨度★★★☆☆)

アルバイトや派遣社員として雇用される場合、時給1,500-2000円が一般的であり、塾講師とあまり変わらない。しかし、オンライン勤務を許容している組織が多い印象があるため、通勤時間がないのはメリット。

タスクが自分の研究テーマと近い場合や、関心のある研究手法を獲得できる場合は、お金以上の恩恵を得ることができる。「何でもやります!」スタンスだと消費されがちな世界なので、自分が投資する時間コストに見合う対価が得られるかは、しっかり検討する必要がある。

コンサル出身者が多い部署だと、WordやExcel、Powerpointを素早く綺麗に作る能力も高まる。ショートカットキーを沢山覚えられたので、その点は良かった。

研究委託(推奨度★★★☆☆)

自分が専門とする領域や研究手法を活用した調査の委託を複数回受けたことがある。打ち合わせ、文献検討、データ分析、報告書作成まで込みで、数十万~数百万円が相場感である。学術研究と違い、誰かの意思決定に直結する研究なので、自己効力感が上がるというのは、メリットかもしれない。

下請研究だと、報告書にクレジットを載せられないケースがあるため注意が必要。Researchmapなどに実績として書けるかどうか、事前に確認することをお勧めする。委託者の研究観に振り回されがちなので注意。

「何をすれば儲かるか?」系の研究をやりすぎることと相性が悪い専門分野はいくつかあると思われるため、ほどほどにしたほうがよい。

コンサルタント(推奨度★★☆☆☆)

単価は月数万から100万円前後まで幅がある。その分求められる成果量が大きいため、研究時間を圧迫することがある。顧問契約みたいな形で、月1回ノウハウ共有ミーティングを行うくらいの負荷が少ないものをお勧めする。

記事監修(推奨度★★☆☆☆)

ウェブメディアの記事の編集や校閲、監修などを行う。委託者のビジョンややりたいことに共感できないと、しんどくなりやすい気がする。ライターの質によって、稼働量が大きく変動するので注意。

教材開発(推奨度★☆☆☆☆)

需要に合うものを開発できれば、安定した収入源になる。私は資格対策教材を作成し、100万円/年の利益を得ることができた。

動画のほうが単価が上がるものの、録画コストやシステム利用料など、負担が大きいというデメリットがある。また、紙媒体の教材でも、顧客対応や郵送作業などが発生し、なかなか大変である。せっかく作っても売れる保証がない点も注意。


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