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「アフターコロナを見据えて、ビジネスパーソンは今何をしておくべきか」 早稲田大学MBA 内田 和成氏 特別講演

「今の状況に対応するとともに、今後の変化を見据えて動いておいた人や企業が生き残る」

ボストン・コンサルティンググループ日本代表も経て、現在は早稲田大学 大学院経営管理研究科(ビジネススクール) 教授の内田氏の特別講演。
長年に渡りビジネスの変化を見てきた「目」が今の状況をどう捉えているのか。限定セミナーなので全ては語れないがその一部を紹介したい。

「今のコロナ禍において、社会や企業がどう変わり、ビジネスパーソンは何をしておかないといけないか?」

テーマはこれだ。
誰しもがわかる通り、コロナによって大きな変化が起きている。それはつまり、イノベーションが起こるということにつながるという。

内田先生の話では、イノベーションには3つのドライバーがあると言われた。
①技術革新
②構造変化
③心理的変化

これまで、イノベーションが起きるところにはこの3つの要素が絡んでいる。一般的には「イノベーション=技術革新」と捉えられることが多いが実はそれだけを指すものではない。技術革新はあくまで一つの要素だ。

例えば、メルカリ。メルカリのシステムに特別な最先端技術は使われていない。都市部への居住が進んだ社会の構造変化や、全て新品でなくても中古でもよいという人の心理的変化をうまく捉えて、オンライン上で個人がフリーマーケットを開けるという仕組みを構築した。これはイノベーションと言ってよい。

まさに、今コロナによって、構造変化や心理的変化が生まれているのだ。この変化をうまく捉えてイノベーションを起こせるかどうかが、企業やビジネスパーソンに求められている。

特に、心理的変化がコロナ禍においては強く現れていると内田先生は言う。

医療を優先するのか、経済を優先するのか、どうバランスをとるのか。
高齢者の命を守ることで、経済を止め続けると、職を失い生きていけない人も出てくる。心理的な葛藤が様々な場面で、企業、個人、社会それぞれに現れている。

企業は、売上をあげて株価を上げて、規模を拡大し発展することが正しいとされてきた。しかし、今後は、規模を追うのではなく、ある地域において必要とされ、その地域の人によって支えられる企業がもっと生まれてくるかもしれない。

コロナ後の個人の変化も様々あるだろう。
・単純な話だと、都市部に住んでいる人が郊外や田舎へ移動する。
・コミュニケーションがリアルなものからバーチャルなものが前提になってくる。

このような心理的変化が、構造的変化を及ぼす。例えば、飲食店のあり方を変えるだろう。ビルや商業施設といった不動産のかたちも変えるかもしれない。

このような変化に今、私たちは対応しようとしている。それは、今、目の前で起きている課題や問題に対処するかたちで行動しているはずだ。

ただ、それだけではいけないと内田先生は言う。

アフターコロナの社会では、今の問題とは違った問題が現れてくる。それだけ変化が大きいということだ。

この将来の変化を見据えること。
その見据えた変化に対して、今、行動して準備しておくこと

「今に対応すると同時に、将来を見据えて、行動すること」

そこで重要なことは、誰も正解を持っているわけではないので、自分の目で見て、自分で考えることだ。

嵐が通り過ぎるのをただ待つのではなく、嵐の最中でも、嵐の後のために行動を起こすべきだという強いメッセージを受け取った。

歴史を見ると、このような変化は何度もあった。
例えば、明治維新が起きた時、それまでの江戸時代での優秀な人は優秀とみなされなくなった。新しい制度を考えられる人が明治では必要だった。

まさに、今コロナという「黒船」よって、社会が大きく変えられていると言っても過言ではない。

ビジネスパーソンに求められること。
大きな荒波に耐えるとともに、先の世を見て、動き始めることだ。
今できることから始めよう。

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