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大西羊
2020年11月14日 20:09
そこは厳密な空間だった。暗いトーンの青が部屋中に張り巡らされていた。われわれはその青いソファにかけた。いくらか緊張していた。ソファにかけてしまったのは、向かいに座る彼がそうするよう勧めたからだ。座ってから、その空間と同じような沈黙が流れていた。それは気分を悪くする静けさだった。われわれは――三人組だった――みながみな緊張しきってしまっていた。誰も話しはじめることはおろか、声を出すこともままならな