見出し画像

【HSP】よいサービスを受けたいなら、よい客であれ【INFJ】

よいサービスを受けたいなら、よい客であれ
これはわたしの恩師の言葉。
産まれてこの方「先生」と呼ばれるものにとことんツイていなかったわたしが、唯一恩師と呼べる人が隙あらば生徒に話していた言葉。

生意気なクソガキで、世の中とオトナのことをめちゃくちゃ舐めていた当時のわたしは、その言葉の意味をあまり理解できていなかった。

先生が言うには、ルールやマナーを守るのは当たり前で、小さなことでもいいから店員に思いやりを見せるのが大事なんだと。
たとえば温泉旅館とか。
旅館の備品を丁寧に扱うとか、食後の食器をまとめておくとか、スタッフとのやりとりに「ありがとうございます」と笑顔で感謝を伝えるとか。
こういう「よい客」をしていると、スタッフ側もいい気持ちになって「お客さん、実は地元の人間しか知らないオススメスポットが近くにあるんですけど……」とちょっとした情報を教えてくれる。
たぶん、先生はこの「ちょっとした情報」のことを「よいサービス」と呼んでいたんだと思う。

それが理解できるようになったのは大人になってからだし、自分がサービスを提供するお仕事に就いてから。
相手にしているのが、まあ言葉が通じなかったりそもそもボケちゃっていて何もわからなかったりする人間が多いんだけど、相手によってサービスの質が変わるのは事実かもしれない。
いやね「相手によってサービスの質が変わる」という言葉だけをとらえられてしまうとあんまりよくはないんだけど、そういうことじゃなくてね。
基本的にはどんな相手に対しても最低限のサービスはするんだよ。これがフラットなわけ。
でも、わたしにいつも笑顔で挨拶してくれたり、話をしてくれたり、何かをお手伝いしたときに感謝を伝えてくれたりする相手に対しては、最低限のサービスにプラスアルファを提供する。
それを「よい客」と表現すると、たぶん怒られるんだろうけど。
いっぽうでいつもわたしに悪態をついたり、暴力をふるったり、話しかけても全部無視したりするような相手には最低限のサービスしかしない。
この思想でもっとも大切なのは、どんな相手に対しても、必ず最低限のサービスは提供していること。
あくまで加点方式の思想だということを忘れずに。
ここを疎かにしてしまうと、文句を言われてしまうので。

自分がお仕事をする人間になって、初めて先生が言っていた言葉の意味が理解できた。
だからこそ、わたしも外食とか旅行で旅館に泊まるときはなるべくスタッフ側のことを考えて過ごそうと心掛けている。
大事だよね、こういうの。
経験しているからこそ、同じ業種の相手に優しくできる的な。




この「よいサービスを受けたいなら、よい客であれ」という考え方。
なんともHSPやINFJが好きそうな考えじゃありませんか
わたしは互酬性の原理というものが大好きでありまして、それゆえに日々いろんなことに苦しんでいるのですが。
御恩と奉公の関係も大好き。
尽くしたら報われる。報いたら尽くされる。
そのきっかけは、先生のこの言葉だったりするのかもしれない。
よく聞いていた当時はあんまり理解できていなかったはずなのに。

ただ、わたしは何度も主張しているように、互酬性とか御恩と奉公を盲目的に信仰していると、絶対に人間関係で躓く。絶対に。言い切れる。
元寇を退けたはいいものの、御恩として与える土地がなくて、結果的に幕府の滅亡につながったように。
サービスを提供する側ならいろんなことを考えなくてもいいけど、見返りを求めてよい客を演じてしまうとたぶん苦しくなるよ。
反応がなければムカつくようになるし。
どんなことでも見返りを求めるのはよくないのさ。
頭ではわかっているけどね。なかなか実践するのは難しい。
それに、全員が全員よいサービスをする人間ではない、ということも覚えておかないとならない。
お仕事に熱意のない人間もいるしね。わたしみたいに。

先生のあの言葉には、たぶんこんな続きがあった。
よいサービスを受けたいなら、よい客であれ。
しかし。
よい客であるからといって、よいサービスを受けられるわけではない

なるほどなー。
わたしにしかわからないけど、あの先生が言いそうで言わなくて、でも言外ににおわせていそうだ。
でも、よい客がよいサービスを受けられないのであれば、それは提供者の質が悪い
質って、そういうところだと思うよ。
「最低限のサービス」の底を上げるか、「プラスアルファの加点」を大きくするか。
いま、サービスを提供する者の立場が問われている……。
個人的には、全員の最低限の底が上がったほうが全体の質は高くなると考えている。
そんなの実現しないだろうけど。




サービスって難しいよね。
エラいオトナたちは「スタッフとお客様は対等だー!」なんてすぐ言うけど、実際そんなことないよね。
普通にスタッフのほうが立場は弱いからね。
わたしの場合は、利用者様や患者様が「痛い!」と大声をあげたら虐待を疑われてすぐお仕事を失っちゃうから。
意味がわからん。
新人が心のバランスを崩して退職しても、環境や教育指導の見直しとかなーんもしないくせに、利用者様には小さな内出血ひとつあったらガチガチの話し合いをして対策を練る。
これが、対等……?

いくら「よい客」がいても、サービス提供側がヘトヘトなんだから。
よいサービスなど生まれるわけがないんだ……。


今回はこんな感じ。おつかれサマー。
みなさま、よき御恩と奉公ライフをお過ごしください。


この記事が参加している募集