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【HSP】よく考えると損な性格をしている【INFJ】

ついこのあいだのできごと。
職場への迷惑とかあまり考えずに無理やり休みをこじ開けて、友だち数人と泊まりで旅行に出かけた。
旅行の方針としては「宿はちょっとお安めのところにして、それ以外のところにお金をかけよう」というもの。
時はお盆直前の三連休。わたしたちは長野県の温泉旅館へと出かけたのであった。
わたしはもともと温泉巡りが好きなこともあって、この旅行を珍しく楽しみにしていた。

で。
実際に着いた旅館は、正直「レトロ」という言葉では補って余りあるほど年季が入っていた。なんでも100年以上続く旅館らしいんだけど、老舗旅館ってもっと高級そうなイメージがあるじゃん?
建物には年季が入っているけど、不快感や嫌悪感を抱くような古さではなくて、時の流れを感じさせるような古さっていうのかしら。
それこそ、たぶんレトロという言葉で表現されるものなんだと思う。
今回わたしたちがお世話になったところはそうではなくて、ただただ年月が経っているだけような感じ。
長いあいだ愛情とお金をかけて整備してきた車と、長いあいだ空き家の駐車場にほったらかしになっていた車の差みたいな。
たとえ同じ年月が経っていたとしても、前者のほうがきっと人間から好かれるに決まっている。
客室も外観といっしょで、ただ古いだけみたいな感じ。
わたしなんかは引っ越しで失敗して以来、水回りに厳しい人間になってしまったので、客室の洗面所は使いたくないくらいに古かった。
布団の類が清潔だったのがせめてもの救いだったかな。それもダメだったら、わたしは布団を使うのを拒否して、夜通し温泉街のスナックでお酒を舐めていたに違いない。

客室の質に敏感だったのはわたしだけだったみたいで、ほかの子たちは「お酒飲んじゃえばどうでもよくなるでしょ」と楽観的だった。
その強さ、ちょっと分けてほしい。




さて、件の「よく考えると損な性格をしている」と思った事件について。
夕食時、時間通りにレストランへ行ったにもかかわらず、スタッフは他の大所帯のお客さんにつきっきりになってしまい、わたしたちのもとにはなかなか来ない。
割とわたしはこういうときに「あ、スタッフの人も忙しいんだ……」と黙って待っているタイプなんだけど、友だちのうちのひとりは痺れを切らしたみたいで、大声で「すみませーん!」とスタッフを呼んでいた。
お食事自体は満足できるものだったし、なんだったら楽しみにしていた地ビールまで飲んじゃって。会話も弾み食事も進み、わたしはそこそこ楽しんでいたのだ。

しかし。
そこで、ちょっとした事件が起こってしまう。

ほとんど食事は食べ終わり、お腹いっぱい大満足。いい時間を過ごせたなぁ、と満足したまま部屋に戻ろうとしたわたしたち。
すると、スタッフが申し訳なさそうな顔をして、わたしたちのテーブルに近寄ってきた。
その両手には、人数分のお椀とそこそこ大きめのお櫃。そして汁物らしき汁椀。
これから部屋で二次会をするつもりでウキウキだったわたしたちの顔は、一気に怪訝な表情に変わる。
そして、衝撃の一言。

大変お待たせいたしました。こちら、ごはんとお吸い物でございます

そのとき、わたしたちの心の中には、同じひとつのひらがなが浮かんでいたに違いない。
は?
もう何も残っていないんだよ? 仮にごはんを食べるにしたって、おかずがないわけですよ。
しかも、こんな食事が終わったタイミングで、ごはんをお櫃でもってくるってどういう了見なの?
大所帯の常連さんにつきっきりでてんてこまいになっているあいだだって、わたしたちのテーブルの近くを行き来していたよね。食事がどれくらい進んだでいるかは見えていたはずだよね。
で、もう戻ろうかというタイミングで、お櫃?
ふだんだったら「ありがとうございますー」なんて愛想笑いを浮かべるわたしなんだけど、このときはこの対応をされたときにめちゃくちゃ腹が立った。理由はあんまりわからない。同じようなことをお仕事でしているからかもしれない。
友だちのひとりはわたしから見てもとっても優しい人間だから、「忙しかったんだね」なんてニコニコしていたけど、わたしはその子に「食後にお櫃でごはんを持ってくるなんて、文句言われても言い返せないレベルの怠慢じゃん」
みたいなことを言ってしまった。
わたしはふだんこういうことに対して文句を絶対に言わない。無理やり胃の中に飲みこむタイプ。
実際、わたし以外からは「おにのすけがこんなに怒るなんて、なんか厳しくなったね……」と驚かれてしまった。

で。
これだけ対応に腹が立っているなら、最後の最後に持ってきたごはんに手をつけないで帰っちゃえばよかったのに、わたしは義理で1杯ごはんを食べた
冷静になってみると意味わからないよね。
雑な対応をされたんだから、すぐ帰っちゃえばよかったのにね。
こういうところが、損な性格をしている、と思う所以なのです。




いやね、こういう性格をずっと悩んできたわけですよ。
心無い対応をされたときに、わたしがそれに真摯に向きあう必要は1ミリもないって、何べん言ったらわかるんですかねわたしは。
ひどいことをしてきた相手のことなんて考える必要はないんだよ。
むしろわたしもツンツンしてそいつにかかわったっていいくらいなのに。
こういうところで「これで手をつけないのはなんだか申し訳ない」みたいに考えて、義理で無理やり食べる必要はないんだよね、ほんとうは。

はっきり言って、無駄な気遣い。
必要のないホスピタリティ。
どんだけ自罰的なんだ。
そんなことしているから舐められるんだよ。
自分に向けての悪口がいくらでも浮かぶけど、ここらへんで止めておきましょう。

社会人になってからのモットーとして「嫌なことをされたら、そいつには同じことをしてもいい」というものがある。
たとえば、挨拶を無視した人間(わたしより長く社会人やっているくせに挨拶もできないなんて!)は、わたしも無視していい。
たとえば、わたしに心無い言葉をぶつけて傷つけた人間には、わたしも同じような言葉をぶつけていい(そんなことできないから、あからさまに避けるとか)。
頭や胸に強く刻んで毎日を生きているんだけど、いざそういう場面に出くわすと「やっぱりやらないほうがいいかも」と臆病風に吹かれて、ニコニコしてしまうのがわたしの悪いところ。
そりゃ舐められるよね……。

わたし、変わりたいんだ。
自分にとってどうでもいい相手を容赦なく攻撃できる人間になりたい
それで、容赦なく攻撃して相手がつぶれても平気な顔で生きていられる人間になりたい
きこえは悪いけど、そうなったほうがいまより健全な生活ができると本気で思っている。
ほんとうに好かれる人間って、誰にでも優しい人間じゃなくて優しさを見せる相手を選ぶのが上手な人間なんだよね。
「誰にでも優しい」って美談として語られるけど、ふつうに欠陥だと思うよ。
誰にでも優しいあなたは、あなた自身には優しいの
あなたに優しくしてくれるのは、あなた自身だけだよ。
優しさを他人に依存すると、とんでもないことになっちゃうよ。
だからこそ、時には優しさを捨てて、危害を加えてくる相手を攻撃できる強さが必要なんだ……。

でもね、いつか同じことしてやると思って毎日生きているから、言われたことやされたことは全部覚えています
月夜の晩ばかりだとは思わないことです。

そんなことばっかり覚えているから人生が楽しくないのにね。


ちなみにですが、食後に持ってこられたお櫃に「忙しかったんだね」と言っていた優しいあの子は、義理でごはんを食べるわたしをニコニコ眺めていながら、彼女自身は一粒もごはんを食べていませんでした。
そういう強さ、憧れる。だからあの子のこと大好きなんだわたし。

今回はこんな感じ。おつかれサマー。
わたしの職場では、今年からお盆の連休取得に制限が設けられました。
みなさま、よき義理ライフをお過ごしください。

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