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【HSP】おそらくリーダーに向いていない話【INFJ】

最近よく思う。
わたし、たぶんリーダーには向いてないなぁって。
なんでそう思ったか。

「他人に指示を出す」という行為が死ぬほど苦手だとわかったから。

周りから「長いねえ」なんて言われるくらい(別に長くない、とわたしは思っている)このお仕事をしていると、当然後輩というかわたしより後に入職する職員がいるわけ。
で、もちろんわたしのほうがお仕事について詳しいから、「あれをしてくれ」「これをしてくれ」と次の動きを指示しないといけない場面がある。

そりゃ新卒で、わたしより若い、業界未経験の人間には多少指示を出せるよ? 曲がりなりにも年数を重ねている人間ですから(経験が積めているかどうかはどうかはさておき)。
でもねこの業界、人間の出入りが激しいせいでふとした拍子に年上の後輩というものができちゃったりする
3歳上とかまでなら誤差で同い年だからいいんだけど、ヘタするとふたまわりも年上の後輩が来ることもある。
しかも、そういう人間はたいてい経験者。そもそも他の業界で活躍したオトナが未経験で飛び込みたくなるようなおもろいお仕事じゃないし。

さあ、困った。

業界の人間としては大先輩。でも職場ではわたしが指示を出さなきゃいけない立場じゃん?
指示の出し方というか、そのときに使う言葉をめちゃくちゃ選んでしまうのよ。
何かを言ったときに「そんなこと言われなくてもわかってるよ!」みたいに、反抗期の少年少女さながらの敵意を向けられてもわたしは困るわけさ。幸い、その手の人間にはまだ遭遇していないけど。
というか、いい歳してそんなこと言っちゃう人間は職場を変えたりしないだろうしね。
だから苦肉の策として、何かしてほしいことを伝えるときに、頭に「もう聞いてるかもしれませんが」「ご存知だったら申し訳ないですけど」などと、いちおう相手がわかっていることも想定していますよ?みたいなニュアンスの言葉を付け足している。
言葉は長くなって、やりとりがめんどくさくなるけど、相手の気を逆なでするよりかはマシだよね。

これが指示を出すのが苦手な理由のひとつ。
言葉を選びすぎるのだ。




自分でスムーズにお仕事をすることと、全体の流れを見て他人に指示を出すことは、使っている筋肉が違うなーとわかってきた。
お仕事する筋と、指示を出す筋ってこと。
いくら腕の筋肉をもりもりマッチョにしても、高く跳べるわけでも速く走れるわけでもないでしょ?
わたしはこの数年でスムーズにお仕事する筋肉はそこそこ大きくなっていたけど、この他人に指示を出す筋肉はあんまり大きくなっていなかった。それを最近になって痛感している。

難しいんだよね。
頭の中では、このタイミングでこれとこれを並行して終わらせたら後々楽かもなぁ、みたいな効率のいいスケジュールが浮かんでいるんだけど、それを他人に伝えることができない。
年上の後輩の人も「あれしろ、これしろって指示出してね」とは言ってくれるんだけど、どうしても「たぶん、この人の頭の中にもぼんやりとしたスケジュールがあって、わたしのそれとはまったくのベツモノかもしれない……。もし、わたしがここで指示を出して、この人のスケジュールが乱れて、いろいろ不機嫌になっちゃったら……」とかなんとか考えすぎてしまって、キッパリと指示が出せなくなる。

もしかしたら、年上の人に指示を出すのが苦手なのかもしれない……。
自分と同じような立場の人間相手なら、もうちょっとすらすら指示が出せるかも。




話はガラッと変わりまして。
みなさま、三隅二不二の『PM理論』という、リーダーシップ関する理論をご存じでしょうか。
福祉や看護の勉強をされていた方は、どこかで聞いたことがあると思うんだけども。この人、福祉学者とかじゃなくて経営学者なんだってね。
めちゃくちゃ簡単に説明すると、リーダーが取るべき行動についての理論なのよね。
PMのPは「Performance」を意味していて、要は目標を完遂して成果を出すために発揮されるリーダーシップのこと。
いっぽうで、PMのMは「Maintenance」を意味していて、集団を維持するために発揮されるリーダーシップのことを指している。

そして、PM理論ではリーダーのタイプを4つに分類しているのです。

①PM型:成果を出す力と集団を維持する力の両方が優れているタイプ
②Pm型:成果を出す力は優れているけど集団を維持する力は弱いタイプ
③pM型:成果を出す力は弱いけど集団を維持する力は強いタイプ
④pm型:どちらの力も弱いタイプ

見てわかると思うけど、大文字の能力のほうが優れているってことね。
まあ、これを最近改めて思い出したときに、わたしは間違いなく「p型」の人間だって確信した。
集団を率いて成果を出す力は間違いなく弱い。ほんとうに。
いろんなところでうたわれているINFJの性質を鵜呑みにするのであれば、「M型」のリーダーとしての適性が高いわけよ。

ほんとうに?

実際に周りの人間をこの理論にあてはめて評価したことはないけど、「M型」のリーダーはやり手のナンバー2が必要不可欠だと思うんだよね。
周りを顧みないレベルで成果を出していくナンバー2の存在があってこそ、リーダーのメンテナンス能力が輝くと思うんだ。
でもまあ、こういうリーダーはのちのちナンバー2に下克上されて立場を追われるんだ。
成果を出すことだけに囚われた元ナンバー2のリーダーに率いられた組織は、周囲を顧みないリーダーの運営の方法に腹を立てた部下たちによる反乱でその役割を終えるんだ……。

とまあ、わたしの妄想はさておき。

とにかく、他人に指示を出すのが苦手な人間のパフォーマンス能力なんてたかが知れているというハナシ。
その話がしたいためだけに、『PM理論』を持ち出しただけ。
それに、わたしがこれを勉強したのはもう何年も前だから、間違っているところもあると思う(引用するにあたってもう一回見返したけどね)。

この理論を教えていた教授も言っていたけど、福祉に携わる人間はメンテナンス能力が高い人間が多いんだって。調べたわけじゃないだろうけどいくらか信憑性はあるよね。
それに加えて、ここからはわたしの自論。
たぶん、INFJもメンテナンス能力が高い人が多いと思う。
性格とか適職とか、そういうのを読んでいると「まさに」じゃない?
テキパキ課題をやっつけて、どんどん成果をあげていくタイプではない。
どちらかと言えば、メンバーの様子を観察して、不満や不安を傾聴して、個人と集団の折り合いをつけていくのが得意そうじゃない?

というか、ほんとうにINFJってリーダー向きなの?
わたしはリーダーよりナンバー2のほうが性に合っているんだ。
先頭に立って集団を率いるより、最後尾で遅れそうな人間に寄り添いたいタイプなんだ。

あ、結論が出ましたね。
リーダーよりセーフティネット向きな人間でございました。


今回はこんな感じ。おつかれサマー。
「きょうは35度? 昔は30度を超えることなんてなかった……」なんてお年寄りは毎年同じことばかり言っています。
みなさま、よきリーダーシップライフをお過ごしください。