【人と会って、自分と向き合う】南伊豆滞在を終えて、いま思うこと
まだ暑い日は続くけれど、涼しい風がほおを横切ると、夏はもう終わりか...なんてしみじみとする今日このごろ。
私は大学生最後の夏を、静岡県南伊豆町のゲストハウスローカル×ローカルのインターン生として過ごしました。
滞在中は、宿の仕事に加えて、元編集者であるオーナーのイッテツさんから編集のノウハウを学んだり、地元の人と交流したりしました。
↓ 南伊豆滞在をすることになった経緯はこちらからぜひ
ひたすらに自分と向き合った1ヶ月
南伊豆に来たばかりの私は、周りが苦笑いするほどにエネルギッシュでした。
「南伊豆のことをとにかく知りたいです!!!」
「いろんな人に会いたいです!!!」
そう意気込んで、一足先に滞在していたインターン生たちにも質問攻めで…まるで餌の宝庫を見つけたイノシシみたいに今にも走り出しそうな状態でした(盛りあがり過ぎていました、反省)。
でも、振り返ってみるとこの1ヶ月は、南伊豆を知るために駆け抜ける、というよりも、立ち止まって、ひたすらに自分について、自分の頭のなかと向き合った期間だったなと感じます。
言葉にして、モヤモヤをかたちにする
インターンの毎日は、朝7時半のラジオ体操から始まります。
体を動かして目が覚めたら、今の気持ちや体調を共有しあうチェックインタイム。
その後は、自分のノートに思ったことを3分間書きまくる、モーニングページ。
声に出したり書いたり、いろいろな方法で頭のなかをアウトプットしました。
なかでも私にとって特別だったのは、その後に行うインタビューの時間。
一緒に活動しているインターン生と、最近のできごとや考えていることをお互いに聞き合います。
「ゆめちゃんが今、話してみたいことって何かある?」
「のんちゃんが最近、心動いたことは?」
「うーん、はっきりこれっていえるわけじゃないんだけど...」
「うんうん」
頭のなかのぼんやりしているなにかを言葉にして、聞き手と一緒にイメージを描いていきます。
私の頭をいつもぐるぐるしていたのは、「これからの生きかた、暮らしかた」について。
来年の3月に大学を卒業するから、一般的には、既に就職先が決まっている時期。でも、私は畑で野菜をつくったり、そういう暮らしもやりたくて…。どう折り合いをつけていけばいいかに悩んで、けじめがつけられずにいました。
朝のインタビュー時間を通して、そんな焦りや不安を言葉にしながら、毎日自分のモヤモヤと向き合いました。
人と出会って、そして自分を見つめる
滞在中は、南伊豆に住む人々のもとで暮らしを体験する、ということをしました。
たとえば、現在古民家改修に取り組む、なんでも屋のよっしーのもとへ。
作業をしながら、どうして南伊豆にきたのか、普段は何をしていて、これからどんなことをしたいのかなど、いろいろお話をうかがいました。
特に印象に残っているのは、会話の途中で聞かれた、ひとつの質問。
私はこれまでやりたいことについて考えてきたはずなのに、ぱっと答えられませんでした。
「私は、うーん...。」
水で湿らせた壁をガリガリと削りながら、考えこみました。
翌朝のインタビュー時間でも、聞かれたことが頭に浮かびます。
「昨日、よっしーにこんな質問をされて」
「うんうん」
「その質問にすぐ答えられなくて、すごく頭に残っているんだよね」
「へえそうなんだ、どんなところが?」
・・・改めてできごとを振り返ってみて、自分が今まで常識に影響されていた、ということにはっとしました。
「働かなければいけない」とか「お金を稼がなければならない」とか。
もちろん、それが善い悪いとかではないけれど。
常識で頭がいっぱいになって、自分に素直になりきれていなかったのだと気づきました。
生活するために考えなければならないこと、妥協することってたくさんあると思う。
でも、人と出会って、お話して、自分と向き合って。
そんなことをするたびに、自分の気持ちにもっと目を向けていいんだ、と思うようになりました。
ほかにもいろいろな方とお会いして、自分のこれからにじっくりと向き合った南伊豆滞在。たくさんの方にお世話になって、人の温かさに触れた夏になりました。
南伊豆に来る前と後の自分。
不安も焦りもあるけれど、心の支えと勇気ができて、少し前に進んだ気がします。
次に来るときは、パワーアップした姿をみせたいな。
――帰ってこられる場所があるって、こんなにも心強いんだ!