失敗しようと思っても、できない仕組みが大事!

109日目。
今日も若干ビジネス的な話題をば。

先日、小林化工株式会社という製薬メーカーにおいて
爪水虫治療薬に睡眠導入剤成分が混入した事件を
事例に綴りたいと思います。
事件詳細は以下をご参照ください。

業界関係者「普通は起こらない」ミス次々と判明 小林化工
(産経ウエスト)


■”注意する・ちゃんと確認する”は何の意味もない

小林化工では以下のような予防措置を講じていたようです。

①原料容器の形状を変える
②チェックリストを導入する
③作業時は複数人で当たる
④作業記録を残す
⑤品質検査データチェック

上述の事件では、これらの仕組みは
導入されていたものの、
特に②③の徹底不備が根本原因となり
発生したようです。

ちなみに、医薬品製造業においては、
"GMP(Good Manufacturing Practice)"
という製造管理・品質管理の共通基準が
厳密に設定されており、事業主は事前に
行政の認可を取得する必要があります。

小林化工はこのプロセスにも従っていなかった
とのことなので、今回の事件は論外ですね。
(参考)医薬品製造の基礎知識HP 


ただ、今回の事件から我々が学ぶべきことは
非常に重要です。

それは、どんなに注意してもミスは起きる
ということです。

チェックリストを作ろうが、
確認プロセスを入れようが、
人が実施する以上、”慣れ”や”見逃し”は
発生するものなのです。

「そりゃそうだ!」
「そんなのわかってる!」
と反論したくなるかもしれませんが、
世の中思っている以上に、
そういう対策で済ませている部分は多いのです。

言ってしまえば”気合い”ですね。

それでうまくいっている場合は良いです。

でも、何かトラブルが発生した時を
想定しておかないとより大きなトラブルに
発展するリスクがある
ことを
私たちは認識しておくべきなのです。

このように”行動”に主眼を置くのではなく、
設計”に主眼を置いた対策について
以下では記述していきます。


■失敗しようと思ってもできない仕組み、を構築する

最も望ましいのは、
失敗しようと思ってもできない仕組み
を構築することです。

最もポピュラーなものは、
フールプルーフ (Foolproof)”と
フェイルセーフ (Fail Safe)”でしょう。

フールプルーフ (Foolproof)
・思想:誤解の余地のない、ばかでも扱える 設計
・例 :扉を締めないと動かない電子レンジ
    座ってないと水が出ないシャワートイレ
    両手で同時にボタンを押さないと動かない工作機械 等
■フェイルセーフ (Fail Safe)
・意味:失敗しても安全な方向に制御する 設計
・例 :転倒時に自動停止する電気ストーブ
    停電時に自動で降りる踏切の遮断機
    故障時は”赤”を表示する信号機

これらは”トラブルは発生するという前提”を置いている
設計思想になります。
如何に発生しうるトラブルを想定できるか”は
とても重要な能力なのです。

本来マネージャー層がするべき仕事は
このような”仕組みづくり”です。
”人間の行動に依存する仕組み”は汎用性が高い、
という利点もありますが、
どうしても構造的にリスクをはらんでいるものなのです。


せっかくなので他にも類似する設計思想も
紹介します。

■フェイルオーバー (Fail Over)
意味:トラブル発生時に予備機に自動切替する設計

■フェイルバック(Fail Back)
意味:トラブル回復時に予備機から本機へ自動切替する設計

■フェイルソフト(Fail Soft)
意味:トラブル発生時に機能を落としても継続を優先する設計

他業界の常識を知ることは
意外なところで生きてくるものですよ!


■プライベートでの活用

上述では基本的にビジネス面での想定をしていますが、
今回も例によってプライベートでも活用できる
考え方です。

不測の事態が発生したら”という想定を如何にするか、
という思想なので、プライベートでも
活用できる場面は多分にあります。

特に小さなお子様がいるご家庭や
ペットを飼っているご家庭なんかでは
大人だけでは想定できない事態も
多分に発生すると思います。

「そんなことないだろ~」
「まさかね!」

起きないに越したことはないのです。
起きてから後悔しないためにも、
今一度思いを巡らせてみることを
おススメいたします!


今年もあと2日ですね。

私はたらふく食って寝ることにしようと思います!





おにぎり紳士🍙

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