見出し画像

馬に乗ってモロッコを冒険したら指名手配された話し➀

数年前にアフリカで馬主(ガチ)になったことがある。目的は馬に乗って冒険をすること。モロッコ語とフランス語をしゃべる国で村人と交渉をして仲間に。馬に関してはド素人だったので、現地で乗馬のスキルと、馬の世話の仕方なんかを1カ月ほど教えてもらった。

モロッコの第3の都市フェズからアトラス山脈を超えて北へ300kmの港町タンジェをゴールに設定。全部で1カ月半の旅程。現代の旅行では、車やバス、飛行機なんかが主な移動手段だったが、その移動手段を馬にしたのだ。

画像1

馬と旅をしようと思った理由は2つ。実はビデオゲームが大好き。小さいころからドラクエやゼルダの伝説といった冒険モノが大好きだった。リンクが馬のエポナに跨って草原を駆ける。あんな冒険ができたらな~となんとなく思っていた。そして2つ目の理由が突然降ってくる。ある日、キルギスという国で実際に馬との冒険をやってのけた日本人の青年がいるのを知って驚いた。彼はリアルRPGというテーマをもとに、動物を仲間にして冒険をしていた話しがまとめサイトに上がっていたのだった。読み終わるころには朝になっていた。引き込まれるリアルな冒険譚と、興奮を感じたあと、「あれ?ひょっとしたら俺もイケるんじゃね?」と頭によぎり、約束を取り付け、3日後には夜行バスに乗って関西まで会いに行った。

半年後、俺はモロッコのカサブランカにいた。バックパッカーとして色々世界を周っていたが、アフリカに降り立つのは初めてだった。意外とビル立ってるな~というのが最初の感想。携帯のsimカードを手に入れて、すぐに列車で4時間ほどゆられ、目的地のフェズに向う。

画像3

日本からは中東を経由。行きの飛行機で話しかけられた隣の座席のモロッコ人女性。話しを聞いたら不動産勤務でイスラエルまで仕事仲間と出張に行っていたらしい。「馬に乗って冒険するために来たんだ!」と言ったら、「ほんと?!ファンタジーみたいな話しね。」とあまり信じてなさそうな口調で言われた。こんだけ整備された道路に車がブンブンしてるようじゃもう昔の話しなのね(´_ゝ`)

モロッコ地図

今回の旅先を決める際、最初からモロッコに行きたくてモロッコに決めていたわけではない。どこなら馬に乗って冒険できるのか?と考えて調べたら、たまたまモロッコが条件が良かったのだ。他には遊牧民の国モンゴルが思い浮かんだが、時期的に寒すぎたので却下。次に思い浮かんだシルクロードは治安が心配だったのと、キルギスあたりは言葉が通じる自信が全くなかったので却下。トルコは馬が40万円との情報が。高い。ヨーロッパもそもそも物価が、とリアルRPGの彼に相談したところ、"モロッコは?"観光地は英語通じるし、フェズってところなら家畜の馬を見かけたよ!など情報を教えてくれた。

出発時、家族には「旅行に行ってくる。」とだけ伝えた。
心配性なので、よもやアフリカで馬を探してなんて話しをしたら止められるに決まっている。1カ月以上の長旅だけど、必要と思ったものだけ30Lのバックパックに詰め込んで家を後にした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?