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【ファンタジー】ケンとメリーの不思議な絆#10

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第二章 見知らぬ旅行者


宿泊場所

 ケンはいつも行き当たりばったりで宿泊先を見つけたり、ない時には持参のテントで寝泊まりをして旅行していた。メリーからの問いかけに、別にどうってことないよという顔をして答えた。

「あぁ、いつもテントとシュラフは持って回っているから、最悪は野宿。そんなに寒くも無いし」

「あら、結構ワイルドなのね。そうね、よかったら、ここに泊まっていいよ。部屋は余っているから。あっ、変な考えはなしだからね。ケンはとってもいい人に感じたから。それに、、」

「うわー、助かるなぁ。あったかいベッドは大好きなんだよ。ん、それにって何かあるの」

「うん、この地方では、向こうの山を越えたあたりから時々、ほのかな灯りが見えるんだけど、行くと何もないの。で、その中に入っていった人で戻って来た人がいないの。まぁ、本当に行った人がいるかどうかはわからないんだけどね。噂でしかないけど、村の人たちは、祖先の呪いかもしれないと言って近寄らないのよ。だから、夜は家の中にいた方が安全だと思うの」

「えっ、恐っ。じゃあ、喜んで部屋を借りまーす。テントよりベッドの方が絶対気持ちよく眠れるし」

「ふふ、ケンって本当に面白い人ね。でも、これも何かの縁なのかもね。私がまだワイン工場をやっているうちに巡り会えたっていうことが」

「うーん、そうだね。でも、このワイン工場は絶対続けた方がいいと思うよ。きっと何か手があるはずだから」

「でもそろそろ限界かもしれない。さっき言ってくれた日本という国との
コネクションもないしね。どうにもならなくなる前に決断した方がいいかもしれないと思い始めたのよね」

 こうして、メリーの家にケンは泊まることになった。事情はあるにせよ、ケンは正直ホッとしたという感じだった。それでも今メリーが置かれている状態をなんとかしてあげたいなという気持ちも強くなっていた。自分にできることは何があるのかなと考えていたところ、部屋の片隅に置いてあるパソコンが目に止まった。

「メリー、あのパソコン借りてもいいかな。ネットに繋ぎたいんだけど」


つづく


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