【SS】01.白昼の悪魔 ※クリエイターフェス
2022年10月1日から10月31日まで開催されているクリエイターフェスの「ショートショート書いてみた」への挑戦ショートショート(SS)です。
これから今月は毎日ショートショートを書いていきます。
今日は、最初の投稿です。フェスでの私のテーマは「毎日」から連想されることでショートショートを書くことです。最初はお昼寝から妄想したショートショートです。お楽しみください。
白昼の悪魔
最近は悪魔に遭遇することがあり、苦しみ悶えることがある。しかもそれは太陽が高い昼間のこともあるのだ。なんとか逃れたいと思いながらも逃れられない。いつものごとく朝はそれなりに早く起きるのだが、一日3食の食事は結構辛いので我が家は2食に移行して久しい。そのため、ブランチと早めの夕食というのが定着した。これは外食するのにも都合がいい時がある。多くの人の食事時間とは違う時間ででお店に入れるからだ。
今日も例外なく、自宅で妻が準備してくれ、10時過ぎにブランチとなった。ゆっくりとテレビを見ながら妻と二人の食事を楽しむ。毎日のことではあるが、食事を美味しくいただける幸せを噛み締めながらいただいている。
ゆっくりとしたブランチが終わると私はコーヒーを淹れ、ソファの上で淹れたコーヒーを燻らせながら味わう。テレビではいつもの見慣れたアナウンサーが地元のお店を紹介している。
ひととおり、テレビを見た後は、お腹いっぱいになったせいか眠気が襲ってくる。しばらく今日の予定を考えながら、ゆっくりできるなとわかったら、とりあえずベッドに行ってゴロン。そう、しばしの昼寝を決め込む。
30分くらい眠りについていると、急に足の裏あたりに違和感を覚える。まるで悪魔に掴まれているかのようだ。とは言っても悪魔につかまれたことはないのだが。。。とにかく痛い、体を捩って耐えるがなかなか元に戻らない。どこかに引きずり込まれるのではないかという恐怖と闘いながら、掛けていた薄い羽毛布団を跳ね除けてみる。そこには普通ではない方向を向いている私の足があった。
痛みで顔も引きつる。昼寝どころではない。なんとかこの地獄のような苦痛から逃れなければともがき、払い除けようと試みる。しかし、そこには誰もいない。もしかすると見えない悪魔がいるのか。負けることはできない。まだまだやり残したことが私にはあるのだ。
5分ほど戦いを継続すると次第に苦痛から解放され始めた。やっと悪魔が諦めたのかと安堵する気持ちが湧いてくる。しかし、これでは安心しして眠ることもできない。なんとかしなければと思案する。
よくよく考えてみると、ただの腓返りだった。まぁ、悪魔ではないということがわかりほっとはしたのだが、複雑な思いもしている。。。
了
期間限定マガジン (2022/10/1 -2022/10/31)
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