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【働きやすい美容室】社員が一生やりたいことができる会社づくり

「女性が輝けるステージをつくり続ける」O.N.Gです。
前回のnoteで、妊娠中や育児中のママスタッフでも働ける組織づくりをしていることをお話しました。
今回は、さらに「一生働き続けられる組織づくり」を行っていることについて説明させていただきます。

美容師は40代定年説がある

ところで皆さんは、高齢の美容師を見たことがあるでしょうか?
地方在中の方はあるかもしれませんが、おそらく都心ではほとんどの方が見たことがないでしょう。

実際、美容師の定年は40代だと言われています。
厚生労働省の「令和元年(2019年)賃金構造基本統計調査」によると、美容師は40代以下が全体の93.6%。50代以上のスタッフはほとんどいません。
また、平均年齢は32.6歳だそうです。これはサラリーマンの平均年齢と比較すると、10歳以上も若い。どおりで年配の美容師を見ない訳です。

私は、美容師になった時、この平均年齢の低さに驚きました。
「年配のスタッフがいない」
この事実は、美容師を一生の仕事にしたいと思っていた私にとって衝撃でした。

では40代で定年した美容師は引退後になにをするのでしょうか。少し調べると、どうやらネイリストやエステサロンなど同じ美容系のお仕事に就く方が多いようです。もしくは全く美容と関係ない事務職だったり、料理人だったり、ブライダル業界などに行く方もいるようでした。

美容師は18歳で専門学校に入って、20歳前後から現場で働き始める人がほとんどです。若い頃から40代まで美容師としてのキャリアしか積んできていない人が、新しい仕事を探すのはどれだけ大変でしょうか。

また、もし仕事を見つけることができたとしても、新しい職場では新人です。自分よりもはるかに年下の先輩に指示を受けながら、業務をゼロから覚えていく。その大変さ、辛さは計り知れないと思います。

多角化で、一生働き続けられる会社へ

私は経営者になった時、会社として年配の美容師でも働き続けられるようにするにはどうすればいいかを考えていました。

ほとんどの美容室では、年配で立ち仕事がしんどくなってきた美容師は辞めてもらい、新しく若くて動ける人を採用するのが普通です。要するに年配の美容師をお払い箱にします。でも私はそういうことをしたくないと思いました。能力が高い時だけさんざん使っておいて、動けなくなったら他を探す。そういった人を大事にしない経営は絶対にしたくないと心に誓っていました。

そして考えた結果、出た答えの1つが事業の多角化でした。美容師として1日中仕事ができなくなった方が、セカンドキャリアを自社の中で探すことができる。そういった会社にしようと思ったのです。

現在O.N.Gでは、様々な事業を会社の中で展開しています。プリン専門店もそうですが、他にもネイルサロンやアイラッシュサロン、ドライヘッドスパなどの店舗を経営しています。
万が一立ち仕事が難しくなり美容師として働けなくなった時も、会社の中でできることはいくらでもある。創業して13年で、そうした状況をつくり出すことができました。O.N.Gなら座りながら働ける別の事業に移籍したり、経理や店舗管理などのオフィス系の仕事に異動したりすることができます。

そして、なにより大切なのは美容師としても働くことができるということです。1日中働くことが難しいとしても、固定客を1日に1人カットすることならできるでしょう。そうした融通が利く働き方も叶えていきたいと思っています。この会社でなら一生美容師でいられるのです。

縁を大切にする会社でありたい

O.N.Gでは現在50歳以上の美容師が働いています。また私を含めて40代の美容師も在籍しています。1人1人についている固定客の数も多く、全員が辞めてもらっては困るくらい活躍しています。また、ヘッドスパ専門店には60代のスタッフも働いていて、今日も元気にお客様を癒してくれています。

最近では終身雇用制度が崩壊したと聞きます。家族経営という言葉も古いそうです。でも私は、能力が高いうちは働かせて、できなくなったらやめてもらうという考えにはやっぱり違和感があります。

私は長く働いてくれる人ほど大切にしたい。その人たちのおかげで今がありますし、同じ時代に巡り合えた縁や奇跡を大切にしたいと思うからです。働く社員を家族のように思うからこそ、これからも彼ら彼女らがずっと働き続けられる環境づくりに励みたいと思っています。