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ECサイト運営・マーケティング(AuB株式会社): 伊藤 大樹「サッカーを通して身につけた能力。みんな自分の価値に気づくべき」

※note移管にともない2021年2月の記事を掲載しています
<プロフィール>
伊藤 大樹(いとうひろき)1988年生まれ
出身:北海道、ポジション:MF
経歴:札幌新川高校⇒北海学園大学
現在:ECサイト運営・マーケティング(AuB株式会社)


現在の状況について

ー 今はどんなお仕事をされているんですか?
元サッカー日本代表の鈴木啓太さんが代表を務めるAuB株式会社でECサイトの運営・マーケティングをやっています。

サッカーとの関りについて

ー サッカーキャリアを教えていただけますか?
小学生の時にサッカーを始めて高校までサッカー部に所属していました。大学でも体育会でプレーしたかったのですが、家庭の事情などもあり、中途半端にはできないという思いから大学サッカーは断念しました。
ですが、中学時代のコーチからの誘いもあり、コンサドーレ札幌の試合当日の運営やイベントをお手伝いさせて頂き、サッカーに関わっていました。

ー おもしろい流れですね。コンサドーレでの経験はいかがでしたか?
とてもいい経験になりました。本当に色々とやらせて頂いたので。

ー チーム運営にも関わっていかれたんですね?
はい。1番面白く難しかったのはマスコットキャラクタードーレくんのマネジメントですね。試合当日ドーレくんは1人しかいないのでスタジアム内のどこに現れるかなど分刻みでスケジュールが組まれていました。移動の途中でもサポーターに声をかけてもらえるので、「何分までにスタジアム前でサイン会」、「何分までに選手入場の時間にピッチに行く」など思ったよりタイムマネジメントが大変でしたがやりがいがありました。
いま思うと、社会に出る前にめちゃくちゃいい勉強になりましたね。マスコットは話せないので、ドーレくんの行動や雰囲気からサッカーの試合中のように次は何をすべきかを予測して動いていました。いかにスケジュール通りに進められるか、いかに多くのサポーターに楽しんでもらうかを考えて仕事をしていました。
チームの勝敗を左右するものではないですが、マスコットを通じたサポーターとのコミュニケーションはチームにとって非常に重要だと実感しました。一般企業にも言えますがマスコットキャラクターのブランディングは難しいですが有効だと思います。

ー 現役選手たちとも多く関わられたんですか?
はい、そうですね。Jリーグの試合って2時キックオフが多いんですが、スタッフは当日の朝7時頃には現場に入って準備するんです。スタジアムでのコレオグラフィーなんかは前日までに準備します。多くのスタッフやサポーターが関わって1試合が成り立っているのを体感しているので、試合で負けるとめちゃくちゃ悔しいんですよね。勝った時はめっちゃ嬉しい。選手たちもそのあたりのスタッフの頑張りを感じてくれていて、必ず挨拶やお礼を言ってきてくれます。
毎試合前に選手達とハイタッチをして、いよいよ試合だという高揚感とJ1に昇格した時に共に喜び合えたことは忘れられないですね。他チームで印象に残っているのは横浜FCと対戦した時に三浦知良選手がスタジアムの清掃のおばちゃんにまで自分から「よろしくお願いします」と挨拶していたことですね。自分は真剣勝負の直前にそんな余裕は持てないと思いました。

ビジネスキャリアについて

ー 大学卒業後はどうされたんですか?
ありがたいことにコンサドーレからスタッフとして残るというお話しも頂きました。すごくサッカーが好きだし、コンサドーレにも愛着があったのでとても迷いました。ですが、社会人として自分の実力をつけたいというのもあって一般企業への就職を選択しました。

ー どういう選択をされたんですか?
サービスでもモノでも、結局は世の中は何かを販売することで経済が成り立っている。その何かを売るという事を愚直に出来る企業を就職活動で探していました。
複数社内定をいただき、どこに進もうか迷っているときに、興味本位で面接を受けていたドン・キホーテからも内定をいただきました。企業について調べていくとこれからの世の中にマッチしてるんじゃないかと思い始めて、これはなかなか面白そうだと感じました。
今後は所得の二極化が進んで、ディスカウントストアみたいな「モノを安く手に入れる」お店の需要は増加すると考えていました。あとは若くても多くの経験が出来ると聞いたので。大変かなとも思いましたが、他企業より伸びる予測と、売る力は必ず付くと思いドン・キホーテを選択しました。
入社1年後に評価頂いて部門責任者になりました。棚割りや値付けもなども任せてもらい、キャンペーン、LINE広告、新聞チラシ、アルバイトさんの採用、時給も決めていました。こんなに早く裁量を持たせてくれる企業は少ないと思うんですよね。8年間在籍して、他にも書ききれないほど多くの経験をさせてもらいました。そして入社時の売上高は6,300億円で、今は1兆6千万ですよ。思った通りでした。

ー その後、どういった経緯で現在の会社(AuB株式会社)に移られたんですか?

>サッカーに関わりたいというモヤモヤ期
またサッカーの世界に関わりたいって気持ちも少しありながら、ドン・キホーテで働きながらも毎週コンサドーレの試合を観に行っていました。で、やっぱり運営の方も気になってみていました。販売の経験を積んできたので、気になったのかもしれませんね。サポーターが買いやすい値付けとか、見せ方とか。ドン・キホーテで実証済みですが手書きのポップってめっちゃ効果あるんですよね。全然売り上げが変わってくるんですよ。例えば選手自身にサイン付きでメッセージポップを1枚書いてもらう。メッセージには選手のパーソナリティが乗るので個性が出る。そのポップと商品セットをオークション形式で販売したら面白いんじゃないかとか想像を膨らませていました。やれることは沢山あるなぁって。そんな状況を見て、「サッカー界に戻りたい」「ドン・キホーテで出世するんだ」という気持ちを何度も行ったり来たりして、2年ほどモヤモヤ期がありました。

Jリーグアドバイザー岡部恭英さんとの出会い、そして憧れの鈴木啓太さんとの出会い
モヤモヤ期の中AuBに入社が決まるわけですが、その経緯をお話ししますね。欧州サッカービジネス最前線にて活躍するJリーグアドバイザーの岡部さんにお誘い頂いたのをきっかけに北海道小樽で開催されたスポーツイベント「スポーツビジネスサミット(SBS)」にスタッフとして参加できることになりました。その際に鈴木啓太さんとご一緒する機会があって。サッカー選手としてずっと目標で憧れの選手でした。体形やポジション、プレースタイルなどレベルは違いますが自分と重なるところがあって。派手ではない、テクニックがすごいわけでもない、でも浦和レッズでスタメンで試合に出て、日本代表でも重宝されている。ああいう選手になれたらいいなって。世界で1番会いたい選手でした。そんな方にイベントでご一緒出来る。全身が震えましたね。勇気をもって行動すればこんな奇跡が起きるんだって思いました。岡部さん、啓太さんとの出会いの話は長くなってしまうので詳細はnoteを見てもらえたらと思います。

代表、鈴木啓太が創業したAuB株式会社への人生をかけたチャレンジ
SBSをきっかけに連絡先を交換した数か月後、啓太さんが代表を務める「AuB株式会社」の営業職募集という案内が目に留まりました。
「チャンスだ」と思い応募しましたが、実際には入社できるなんてこれっぽっちも思っていませんでした。応募者も多かったみたいで。
書類審査後、面接の案内を頂きました。最終面接では啓太さんもいらっしゃいました。面接進行の方が啓太さんに「何か質問ありますか?」と聞いたら「人となり知ってるから特に聞くことはないです」と。もうだめだと思いましたね笑。ダメだろうなと思いながらも1%の可能性にかけようと思って数日待っていたら、なんと採用の連絡を頂きました。
後日談ですが、面接までは啓太さんは自分が残ってることは知らず、面接で初めて知ったみたいで。モノを売る事に関して評価頂いたのかもしれません。めちゃくちゃ嬉しかったですね。コネ入社じゃなくてホッとしました笑。
ですが、住まいは北海道、勤務地は東京、家族もいるし企業マンとして育ててくれたドン・キホーテや上司もいるし、憧れの人と働けるというミーハー心で行ってはいけないなど、かなり悩みました。
ただスポーツ界への思い、販売経験を活かして憧れの人の力になりたいと決心し、その思いを妻に伝えたところ、快くOKしてくれました。何より面接を通して関わったAuBメンバーは本当に魅力があって、一緒にキャリアを積んでいきたいなって心から思いましたね。決心しAuBに参画しました。

ー AuBでは具体的にどういった業務をしているのですか?
EC運営とマーケティングを主に担当しています。これまでモノを売ることについては自信があったのですが、ECは対面とかなり違う世界なので戸惑いもありました。今はECでやれることを試行錯誤して知見を蓄積していっています。焦っても仕方ないですが即戦力で雇っていただいているので早く結果を出したいですね。
現状としてはプロテインの「AuB MAKE(オーブメイク)」という新商品が発売できたので、既存商品である腸内細菌サプリメント「AuB BASE(オーブベース)」と共に商品の良さをどう伝えていくかに注力しています。これらの商品を広めていく事が日本のサッカー界、アスリートはもちろん、全ての人のパフォーマンス向上に繋がると信じています。必ず成功させてみせます!

セカンドキャリアについて

ー 「セカンドキャリア」の準備にあたりおすすめはありますか?
引退はいつか来ますから、考えておくべきだと思います。ちょっとしたことでいいと思うんですよね。サッカーを起点として関わっている人がどのような仕事をしているか調べたり、どういう考えで仕事に取り組んでいるかを聞いたり、サッカー関連のニュースを読むだけでもいい。
アンテナを張って情報を集めて、新たな気付きを得るだけでもぜんぜん違ってくる思います。プレーにも還元できるところもあると思うので。

>身につけてきた能力は他の世界でも必要とされますよ
高校時代に試合に出れなくて腐ってる時期がありました。その頃監督にも反抗的で。なんで出れないんだって、監督が分かってないんだって思っていました。だけど、今思うと結果を残す選手って自分の役割や特徴を理解しているんですよね。自分の特徴を活かす術を身につけていると言うか。
例えば2006年当時の日本代表チームで言うと中村俊輔や高原直泰などのスター選手が攻撃に専念出来るように自分がその分走って汗をかく。それが生き残る術であり、特徴となります。そうすることで監督が使わざるを得ない、必要不可欠な選手になったと啓太さんが仰っていました。
自分の特徴を活かすには?この組織に何が必要か?必要とされるにはどうすればよいか?仕事も一緒でそれらを意識しながら何事にも取り組んでいます。サッカー選手として華やかな経歴はありませんが、どんな環境でも生き残る力があるというのは自信を持って言えますね。
例えば、今の会社で自分は周りの人よりも腸に関する専門知識が少ないですが、知識の少なさは一番お客様に近いっていうストロングポイントでもあるわけですよ。「自分が理解できればお客様も理解できる」と思えば、最適なコミュニケーション設計は自分が1番出来ると思います。

現在サッカーを頑張っている方々へアドバイスをお願いします

自分の価値に気づいてないアスリートが多いと感じています。競争を勝ち抜いて、努力を継続して、質の高いプレーを継続してきた。みんなトップオブトップですよ。
仕事でオリンピックレベルの体操選手にヒアリングをしたことがありました。
「毎日の生活で気にされてる事、こだわっている事はありますか?」って聞いたら「何もしてない」って言うんですよね。その後、話を聞いていくと毎日細かな体重管理・食事制限をしていたんですよ。
自分では当たり前にやってることだから何もやってないって言うんです。それが普通出来ないことだって知らないんですよね。アスリートって自分の基準が高い。
アスリートだけでなく僕のような一般の人が他者との違いや価値にどうやって気づくかというと、多くの人、他業界の人と話すしかないと思っています。それが自分の価値に気づくきっかけになると思うので、多くの方とお話しすることをオススメします。

【伊藤さん現職のご紹介】


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