何もあなたはクレイジーではない
1. 誰もが勘違いをしている
自分は、「どうやったら人は成長できるのか」というテーマにずっと関心を持って生きてきました。
それは同時に「なぜ人は変われないのか」というテーマを掘り下げることも意味します。
人が変われない要因のひとつに、自分の体験から得た価値観が正しい、もしくは正しくあってほしいという考えのもと、それに囚われてしまうことが挙げられます。
ある研究によると、ある特定の領域(お金、恋愛、仕事など)で得た個人的な経験というのは、世界で起こったそれらの領域の出来事の0.00000001%程度にしか相当しないにも関わらず、その人の思考の8割ほどを占めているそうです。
冷静に考えてみたら、わざわざ統計を取らなくとも想像がつくことだと思いますが、改めて数字にしてみるとより実感が湧くのではないでしょうか。
自分の体験をもとに、物事を判断することの危険性がこのことから分かると思います。
一般的に「素直さ」が大事だと言われます。
これは「素直さ」を持てる人間が少ないという事実の裏返しだと言えるでしょう。
それもそのはずです。
自分という思考の檻に閉じ込められ、日々その思考を強化しようと生きるのが人間です。
私たち人間は、本来とても極端で偏った物事の見方をする傾向があることを誰しも知るべきだと思います。
2. ストーリーの罠
私たちは、ストーリーというものが大好きです。
それが、衝撃的なものや感動的なものであれば尚更でしょう。
人間は、言葉で理解する以前に感情をベースに意思決定する生き物です。
いくら頭では分かっているものの、腹の底から納得してyesと言えない経験が誰しもあるのではないでしょうか。
良いストーリーというのは、感情に訴えかけるものです。
ただしひとつ注意しなければいけないことは、感情的になっているときに下す判断というのはほぼ確実に好ましくない結果に繋がるということです。
感情と、直観は異なります。
人が感情的になるのは、往々にしてひとつの視点からしか目の前の出来事を見ることができないことが原因です。(一つ述べておきたいのは、感情自体に良いも悪いもなく、感情に支配されることが問題だということです)
感情的になる≒偏った見方をする
と言えるのではないでしょうか。
先ほど書いたように、人はその思考の大半を自分の体験をもとに形作っています。
その体験が、世界における出来事の0.00000001%程度でしかないにも関わらずです。
人間が偏った経験をベースに思考することを理解している人間は、幅広く、そして多角的な情報を取り入れ、それをもとに判断を下すものです。
そうすることで直観力が磨かれていくのです。(それは同時に感情との付き合い方も覚えていくことを意味します)
良いストーリーとは、感情に訴えかけるのものと先ほど書きました。
ネガティブな感情が人の成長を妨げる要因になることは容易に想像できると思うのですが、ポジティブな感情も時に人々の成長の原因を妨げる要因になり得ると思うのです。
例えば、私たちは人々を感動させ、勇気や変化するきっかけを与えてくれるアスリートや偉人たちのストーリーに盲目的にYesと言ってしまっていないでしょうか。
ここに落とし穴が隠れているのです。
そもそも誰一人として、自分以外の人間とまったく同じストーリーを生きることはできないのです。
当の本人ですら自分のストーリーを繰り返すことはできないです。
たとえばナイキの創業者が今から創業時と全く同じやり方で新しくナイキという会社を立ち上げようとしたところで、今あるナイキの形にはならないでしょう。
別の時代、別の環境、別の条件…
すべてが異なるなかで、同じストーリーを繰り返すことはできないのです。
話を戻しますが、成功者や自分が理想とするモデルがいたとして、彼らのストーリーをそっくりそのまま真似ることはできないのです。
真の科学者とは、「99.9%これは事実であるが、0.01%の未だ見ぬ可能性が存在するだろう」という姿勢を持っているものです。
その昔、天動説が正しいと考えていた時代の人間は、地動説を唱える人間を戒め、殺害してしまいましたが、人間が自らの五感で感じられることだけに頼って生きていると、思いもよらぬ落とし穴にはまってしまいます。
常に疑いの眼差しを向け、新たな可能性を信じ続ける姿勢こそが、成長し続けることのできる人間の必須条件のひとつであると感じます。
多様な生き様、ストーリーに感動し、ときに恐怖を感じ、様々なことを考え、影響を受けるのが人間ですが、大事なことは、
自分の世界を広げる生き方をしつつ
そのうえで感情的にならずに、直観を鍛えること。
そうして初めて自分らしい生き方、というものが浮かび上がってくるのではないでしょうか。
かく言う自分も、自分らしい生き方は何なのかということを日々探しているいます。
まとめに入ります。
・人は自分の体験がとても偏っているにも関わらず、それらをもとに思考の大半をその経験をベースに行っている
・偏った見方は感情的になる原因になり得る
・良いストーリーを活かすには、そこに疑いの眼差しを向けることが必要(感情に支配されず、感情を俯瞰する)
最後に、自分が今後の人生で大事にしていきたいテーマを共有して終わりにします。
それは「問い」を持ち続ける。
です。
人間は「想像力」を持っています。
言葉が出来たのも「想像力」を持っていたからであり、私たちが生きる現代の社会を支えているのも、「想像力」です。
「問い」は「想像力」をベースに発せられるものです。
人間が人間らしくある行為が「問い」にあるのではないかと感じるのです。
今日はここまでにします。
最後まで読んでくれた方、ありがとうございます。
良い一日を!
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