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月曜日の抹茶カフェ

青山美智子 2021年

・あらすじ

桜並木のそばに佇む「マーブル・カフェ」では、定休日の月曜日に「抹茶カフェ」が開かれ――。
ツイていない携帯ショップの店員、愛想のない茶問屋の若旦那、祖母が苦手な紙芝居師、京都老舗和菓子屋の元女将……。一杯の抹茶から始まる、東京と京都をつなぐ心癒される物語。(解説・けんご)

『月曜日の抹茶カフェ』あらすじより引用

・感想

先日、インスタ、Xで年末に読む本を募集しました。ご回答ありがとうございました。その結果、青山さんの作品を紹介してくださった方がいらっしゃいました。しかし、すでにその作品は今年の春ごろに読んでしまっていたので、同じ人の別作品も探してみたところ、この作品を見つけました。

簡単に言えばこの作品は、人の縁に関する物語です。1年間、12か月間が章に分けられ、その中で話が進んでいくというものでした。こういった作品はなかなかなかったのでとても面白かったです。季節やその時の行事によって、出会う人も変わりその中で人の心情もめまぐるしく変わっていく様が鮮明に描かれていました。

人との出会い、別れはすべてその時の縁なのだと実感することの出来る作品でした。自分がその時にその場所に行く予定を作らずにじっと家にこもっていた場合、そこの人と出会うことはないでしょう。こういったことを考えた時、コロナ禍で外出自粛などが謳われた時期を思い出しました。外に出られずに、人と人との距離感が大幅に広がってしまいました。ですが、この外出自粛の期間に新しいことを始めて、リモートやSNSを通して出会った人もいましたよね。

その時の取り巻く状況は、始まったばかりはどうなるのか分かりません。コロナ禍のように一見マイナスそうなことでも、結果的にプラスの方向へ向かうこともある。だからこそ、「縁って大事なんだなぁ」と感じることが出来る作品でした。巻末の小説クリエイターのけんごさんの解説にも「出会いはすべて縁だ。」とお話しされていました。人にとって縁って本当に必要なものだと感じました。いつもは気付かないことですが、こうして誰かと出会うことが出来ているのも何かの縁だと思うので、当たり前と考えない、これほどにありがたいことはないと考えることが大切だと感じました。これからもいろんな人との縁を大切にしていきたいです。

この作品、実は『木曜日にはココアを』という別作品の続編のようです。買ったとき全く知らなかったので、来年その作品読みたいと思います。


最後に
今年も1年間、お読みいただきありがとうございました。受験で大変でしたが、読んでくださっている皆さんのおかげで今年も最後まで頑張り続けることが出来ました。

今年1年間のまとめということで、「12月の本紹介まとめ」、「ベストブックトップ3 2023」も公開しました。来年の本選びのお役に立てることが出来たら幸いです。

2024年もよろしくお願いします。良いお年をお迎えください!

・書籍情報

月曜日の抹茶カフェ 青山美智子
初版刊行日:2023年6月20日
刊行元:宝島社
定価:本体691円+税
ISBN978-4-299-04409-9
備考
単行本:2021年9月  宝島社刊

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