ペンギンと青空スキップ
小川糸 2010年
・あらすじ
・感想
去年『卵を買いに』を読んで知った作家さんです。図書館に先週も行き、その時に見つけた作品です。この作品も普段の生活を描くエッセイです。『卵を買いに』よりも10年近く古い作品で、小川さんの2009年のことが描かれていました。2009年というと、私はまだ小さかったです。ほとんど覚えていません。
作家としての生活だけでなく、旅行や普段生きていて感じることなど、様々なことが綴られていました。サイン会や取材旅行であった人に対しての想いが綴られており、支えてくれている人がいるおかげで今の自分があるという想いに共感しました。「人っていつも誰かに支えてもらいながら生きているんだ、ひとりだけですべてを行うことはできない」、それは読者である私にもいえることだと思います。教えてくれる人、話を聞いてくれる人、ご飯を作ってくれる人、疲れる日常に潤いを提供する人、私は少なくとも、こんなにたくさんの人に支えてもらっているということを思い出しました。それは私だけでなく多くの人にもいえることではないでしょうか。偉そうに言える立場ではありませんが、今一度忘れている人は思い返すと良いと思います。
作家さんの生活、日々大変だということがわかる作品でもありました。立て続けに遠くの町へサイン会をしに行かないといけなくなったり、旅行も仕事のためのものばかりだったりで、プライベートで行ったのはかなり久しぶりだったようです。しかし自分の思ったことを自由に創作することの出来る作家という職業、ほんの一握りの人しかなることは出来ませんが、好きなことで生きていくというスタイルにフィットしたものだと感じました。こういった創作活動を行う人たちによって、私たち読者も日常を潤すことが出来ていると考えると、芸術系の人たちって人が生きていくうえで必要不可欠な職業だと感じました。
富士山に登ったという話も印象的でした。富士山結構登るのが大変だと言われますが、意識がもうろうとして辛いぐらいだと、この作品のは書かれていました。そんなに大変なことなのか、登ったことのない身としては分かりようのないことです。
人情味のある小川糸さんの作品。まだこの2作品だけではないので、他の作品も機会があれば読んでみたいと考えております。