ナミヤ雑貨店の奇蹟
東野圭吾 2012年
・あらすじ
・感想
6年ぐらい前に金曜ロードショーか何かで放送されていたのを少しだけ見たような気がします。前々からずっと気になっていた作品の一つです。名前だけは聞いたことがありましたが、読んだことがなかったのです。2017年に映画化、20年、22年にある劇団によって舞台化されたようです。最近舞台もあったということを知り、これは一度読もうと考え始めました。
平穏な雑貨屋を営んでいるお爺さんが、ちょっとした遊び心で始めた悩み事を聞くことを始めました。本書にも書いてありましたが、子どもの遊び半分の悩み事ものから、自分自身の生き方について考えるものまで、多くの相談に応えていました。ときに重い相談が来たとき、応えないでスルーするのもかわいそうだと話していた姿を見て、「優しい人なんだなぁ」と感じました。こういう相談は、考えるだけでも相当難しいと思うのですが…。
ときどき、お爺さんとは思えない荒い言葉遣いで手紙が返ってくることも作中では描かれていました。もらった人は怒っていましたが、後になって、その手紙はお爺さんが書いたものではなく、全くの別人からものだったということが描かれていて、なんだこの不思議な展開はとなりました。この後の展開を読んでゆくとずっと暗くてわからなかったものが明確になったような感覚に陥りました。普通は人助けとは無縁の泥棒なんですけどね。
相談に来る人もいろんな人がいました。「家族に悩まされる人」、「自分の将来性が分からない人」、「恋人とスポーツ、どっちを切り離せばいいのか分からない人」など。こういった様々な人の悩みをみていると、人は悩む動物であり、いつも誰かを必要としているように感じました。努力することは大事なことですが、それだけではどうにもならないものもあるという世の中の厳しさを示すものではないでしょうか。
ナミヤのおかげで人生を救われた、または逆に不幸になったという人がたくさんいたと書かれていましたが、もしそれがなかったら、この人たちはどうなってたんだろうとか思ったり、それはそれでまた面白そうな気がしました。
・書籍情報
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