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長野地域取材班レポート「減災ナースながの 防災・減災をきっかけにまちの共生をつくっていく」

ONE-NAGANO長野地域版取材班

ONE NAGANO.NETを運営する長野地域取材班から、防災・減災に取組む地域の皆さんのアクションをご紹介します!今回は、長野市を中心に災害時の医療的ケアを行っている「減災ナースながの」として活動される 清泉女学院大学看護学部小児期看護学 准教授の北村千章さんに取材をいたしました!

医療的ケアを必要とする人だけでなく、すべての人が安全に避難ができるために

減災ナースながのは、令和元年東日本台風災害時に長野保健所さんから「駅前ほけん室@清泉」チームに支援のお願いがあり、避難所での看護サポートをした経験をきっかけに発足されました。

https://gensainurse-nagano.org

令和元年東日本台風災害時、依頼を受けた私たちは、豊野西小学校や北部スポーツ・レクレーションパークなどの避難所で看護支援を行っていました。特に豊野西小学校に避難生活をしていた250名の中には、日常的な看護支援が必要な方々もいらっしゃいました。その方々を中心に避難所での看護面でのサポートを約2ヶ月行いました。

しかし、中には災害時に避難所を利用できず、医療や福祉などの適切なサポートが受けられない方がいらっしゃったことも目の当たりにしました。福祉避難所に移動したくても移動手段が確保出来ずに避難できなかった方もいましたし、中には避難所ではなく、浸水被害のあった自宅2階などで暮らす在宅避難者がいたのも事実です。

このような環境下での経験を通して、災害が起こる前から看護師や保健師を中心とした住民が、地域にどのような方が暮らし、どのような課題があるかを平時から知っておく必要があると痛感しました。

そこで、平時から医療的ケアが必要な人も含めて、すべての人が安全に避難を行えるよう、医療従事者が地域住民の方々と一緒に医療ケアが必要な方々のことを学び、防災・減災の在り方を考えていくチームとして減災ナースながのが設立されました。

それぞれの立場の人々が共に防災・減災について考え、自ら環境を整えていく

減災ナースながのでは清泉女学院大学看護学部の教員を中心に、被災された医療的ケアが必要な方々にヒアリングを行いながら、課題についての検討、学習会や訓練を定期的に開催し、防災・減災活動の啓発などに取り組んでいます。

その取組のひとつとして、医療的支援が必要な人とその家族、支援員や近隣の住民の方など様々な人が参加する「医療的ケア児」の避難を想定した避難訓練を実施しています。実際に避難を行いながら、それぞれの役割や必要な人員や用意する必要のあるものなどを確認し検討していくことが目的です。その内容を報告書にまとめ、安全に避難ができる環境整備にも役立てています。実際に、市町村の教育委員会は、医療的ケア児を預かる中学への避難器具設置の検討を始めたりもしています。

このような取組を通して、地域で医療的ケアが必要な方々、支援をする人、その地域の住民の方々など様々な人が、災害の前から看護支援が必要な方々の減災について主体的に考えていくことや、必要な環境や関係性を作っていける仕組みづくりをしていければと思います。

災害時の医療だけの問題ではない!避難所でも共生していけるように。

私たちが取組を通して感じていることは、災害時の医療だけの問題にとどまらないということです。だからこそ、防災知識を身につけた看護師が、地域の事情にも応じた避難計画の策定に携わり、災害が起きる前から医療や福祉の観点を反映させていくなど、環境を整えていくことも必要だと思っています。

その一環として、私たちは災害時の電源の確保についても取り組んでいます。電源は人工呼吸器や酸素療法が必要になる医療ケアが必要な方々にとって生命線であり、この確保は喫緊の課題でした。

そこで、災害時には電気自動車による電源を提供いただくよう、日産自動車様と連携をとる体制を整備しました。また、実際に電気自動車からの電力配給方法についてのレクチャーや人工呼吸器や加湿器の作動を試行するなど共同で学習会も開催しています。

そして、自治体や看護学会、地域の病院などとの連携強化にも着手し始めています。災害時には勤務先の人員調整や被災地への移動に時間がかかってしまい、被災地に支援に入るのが遅れるケースも散見されました。また、その地域にいる医療ケアが必要な方々の情報や必要な機器の準備などの事前準備の重要性も浮き彫りとなりました。そのため、それぞれ組織の役割分担についての検討、ケアが必要な方々の情報共有ができる仕組みづくりをしていけるように取り組んでいます。災害が起きる前から私たちの学習会やイベントをの中で顔が見える関係性を作り、いざという時にスムーズに連携が取れるような環境を整えていきます。

このように、減災ナースながのは、まちの人々の医療支援をきっかけに医療や看護以外の分野の方々とつながりながら、長野地域の防災・減災についての課題に取り組んできました。これからも減災ナースながのは様々な方々と一緒に活動しながら、長野で災害を乗り越えていくまちづくりに取り組んでいきます。

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