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長野地域取材班レポート「減災ナースながの 防災・減災をきっかけにまちの共生をつくっていく」➁

3月11日、東日本大震災から12年となるこの日の前後には、様々なメディアで今後の災害に備えた防災・減災の取り組みや準備の必要性が大きくとりあげられ、あらためて、身のまわりの点検をされた方も多かったのではないでしょうか?放っておくと忘れがちになる、「そのときどうするべきか」を学ぶこと。それは、実は身近なところに窓口があったのだということを私たちは知りました。
今回は、<減災ナースながの>北村千章さんへのインタビューの後編です。
清泉女学院大学看護学部小児期看護学 准教授として教鞭をとられながら<減災ナース>の活動にも精力的な北村さんに、同校の学生による取材班がお話を伺いました!

「減災ナースながの 防災・減災をきっかけにまちの共生をつくっていく」前編はこちら


安心できる、「拠点」としての大学


メインメンバーである3名が清泉女学院大学の教授であることから、<減災ナース>の事務所は、大学内に設置しており、災害に対する勉強会などを開く場合も、キャンパスを使用しています。ただ、職場と近接した場所にあって便利という事ではなく、この活動が地域の中に入っていく上でも、大学が拠点であることはとても重要なことだと北村さんは言います。
「事務局を置かせていただいている清泉女学院大学には、本当に色々なサポートをいただいています。この大学の中に拠点を置くことにより、HPや事務局宛に問い合わせがあった場合は、チームで話し合いながら対応を決めやすいから、行動にも移しやすいんです。でもそれ以上に大きいのは社会的な信頼感ですね。<減災ナースながの>という、まだ立ち上げて間もない民間の団体が地域の中に入っていくのはすごくハードルが高いんです。でも、<清泉女学院大学を拠点としている減災ナースながの>と言うだけで、まちの方々から、安心感をもっていただける。それが本当にありがたいことです。」

また、自治体や看護学会、地域の病院などと連携をする上でも大学が拠点であることが重要となっている部分もあります。その一つが、情報をキャッチできる環境であるということ。
「私たち中心メンバーは、学会に出席するなど最新の情報が届きやすく、アドバイスをもらえる環境にいます。普段から看護行為を行なっている看護師さんのような現場の経験はどうしても少ないですが、そういうことができるのは大学が拠点だからこそだなと思います。」


減災ナースとしての役割


<減災ナースながの>で主催するイベントを行う際には、清泉女学院大学の学生も参加しています。<減災ナースながの>として、地域の看護師にノウハウを伝えるだけでなく、学生にも主体的に考えてもらうことに意味があるそうです。
「私たちが<減災ナース>の活動をしている中で、看護学生が参加してくれるのは本当にありがたい事です。平常時の看護を学ぶことも勿論ですが、災害が起きた時の看護を学ぶことはとても大切です。そして、若い世代に私たちの取り組みを知ってもらう、考えてもらうことも活動の役割だと思っています。<減災ナースながの>のマインドを持つ看護の卵が、地域に出ていくことで更にひろがっていってほしいですから。
私たちだけでなく、まち全体で防災・減災について主体的に取り組んでいく一助となれれば良いなと考えています。」
<減災ナースながの>は、多くの地域の看護職の皆様に参画いただいていますが、大切なのは、地域の住民の皆さんが一緒に取組んでくれることです。その地区の特性や、どんな方々が暮らしているのか、地域を良く知る皆さんが少しでもかかわってくれたら、まちの防災・減災はきっとより安心できるものになっていくと信じています。

わたしたちと一緒に地域の安全を考えてみませんか?

減災ナースながの
https://gensainurse-nagano.org/