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<長野地域版ONE NAGANO.NETアーカイブVol.3>災害を忘れず、次の世代へ伝えていく。東日本台風と、"それから"の活動アーカイブ

2019年10月12日から13日にかけて起きた「令和元年東日本台風」。長野県は、台風の発生に伴って千曲川の氾濫も起きたことから、県内広域において様々な被害を受けました。
「長野地域版ONE NAGANO.NET」は、台風被害からの復興に向けて、ボランティア団体や行政機構、応援を必要としている人、被災地の現状など、様々な声を取り上げてきました。令和2年の開設以来、多くの県民の皆様にご利用いただきましたが、2023年3月31日をもちまして終了させていただくこととなりました。4月1日以降については、一部コンテンツを長野地域振興局のホームページに移設し、引き続き発信していきます。

本投稿では、実際に被災した地域の方から投稿いただいた声を掲載する「VOICE」のアーカイブ記事の中から、地域のみなさんの取り組みをご紹介します。(投稿された時期のレポートです)

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いまこそ応援『がんばろうNAGANO』復幸BOX


「<復幸BOX>は被災地の企業や被災地区の特産品などを詰め合わせたもので、購入することが直接復興支援につながる仕組みになっています。」


「長野市にある専門学校・岡学園トータルデザインアカデミー 学生ビジネスデザイン科の1年生がBOXをデザインしました。BOXには、長野市の復興キャッチフレーズである<ONE♡HEART>とハート、想いをとどける折鶴のデザインがあしらわれています。復幸BOXに入っている信州銘菓<りんごのささやき>のパッケージデザインも、岡学園の学生が担当しています。」


岡学園の学生たちは、2020年11月に行われた「復幸BOX」の箱詰め・発送のボランティアにも参加しています。

「一人でも多くの人に被災地支援の活動が届くよう、岡学園の学生たちが "どうしたら被災地に興味を持ってもらえるだろう"、"どうしたら復興への願いの気持ちが伝わるだろう" と考えながらデザインを作成しました。」
 

復興を祈願した町ぐるみのイベント「路地裏ファンタスティック!」

台風の発生後、被災した地域の方々だけでなく、長野県内のさまざまな地域の人たちが復興を応援するイベントを実施してきました。

千曲市戸倉上山田温泉街で開催されたマーケットイベント「路地裏ファンタスティック!」も、そのひとつです。地元商店会と屋代高校の学生有志により企画された本イベントでは、地元商店や市内外からフードやクラフト雑貨のお店が集まり、街全体が賑やかでどこかノスタルジックな雰囲気に包まれます。

2019年は、台風被害により中止となった本イベント。2020年11月8日に開催されたイベントには台風被害からの復興への想いが込められており、子供から大人まで幅広い年代の方々の笑顔に溢れた一日となりました。

被災地区の小学校へ、復興への願いを込めた絵画を寄贈


寄贈された絵画は、小学校の職員室前に飾られています。

「2021年の5月、長野市立長野高校の美術部の学生たちが、被災した長沼小学校の子どもたちを励まそうという想いを込めて絵画を制作し、長沼小学校に寄贈しました。絵画の中には、長沼地区の名産であるりんごや、菜の花、桜の木などが描かれています。」

祈りの折り鶴をあしらった「復幸りんご」の栽培


色づく前のりんごにシールを貼ることで、りんごの表面に模様がつきます。

「被災した地域の名産であるりんご。地元の農家と学生ボランティアなどが協力し、復興を祈願した折り鶴の模様をつけた「復幸りんご」を栽培しました。

2021年の9月には、清泉女学院大学・短大の学生たちや、被災地の支援を行っているボランティア団体「チーム.H(アッシュ)」の皆さんが、被災した農地でりんごにシールを貼る作業を行いました。ケガのないようチームで支えあいながら、一人ひとりが鶴に復興の願いを込めてシールを貼りました。」

「まちづくり」の視線から復興を。Hope Appleの取り組み


Hope Apple(穂保被災者支援チーム)は、被災地長沼地区で「まちづくり」の視点から復興支援に取り組んでいます。

「2022年度は「ながの地域まるごとキャンパス」に参加し、「被災地長沼の復興大作戦 第二弾!」として、学生さんに令和元年東日本台風の被災当時の様子を伝えたり、一緒に様々な復興支援に取り組むなど活動を行いました。

2022年の9月には、長沼地域区区長会の松原会長が、被災現場を案内し、当時の話を参加した学生たちに伝えました。案内後、参加した学生たちは被災の体験をに基づいた長沼地区の防災対策について、松原さんにインタビューを行いました。今後、学生たちが主体となった防災の研修も企画しているそうです。」

災害を忘れない、防災意識は次世代へ


「2019年の令和元年東日本台風の発生から、地域住民やボランティア、企業、行政などがそれぞれに、また、お互いに協働して復旧・復興に取り組んできました。たくさんの人の手により、復興が進んできています。」

 

今回取り上げたように、これからの防災に向けた取り組みや意識が、若い世代や学生の中でも拡がっています。災害を忘れないこと、次世代に伝えていくことが、未来の災害時の防災・減災につながります。これからも、私たち1人1人が災害を忘れず、災害に備えるだけでなく、身近にいる人たちと一緒に災害に強いまちを作っていきましょう。


Vol.1 地域活動のアーカイブ

Vol.2 地域やインフラの今、アーカイブ