私と大学院⑤
我が家の車は、高速道路で、約2時間かかって、国立大学に到着する。
国立大学は、あまりにも広すぎた。
私の通った大学よりも、各学部のキャンパスの距離があまりにも長く、自転車かスクーターで移動する方が効率よいぐらいの広さだった。
アポを取った教授の研究室を訪ねて、自分の経緯を話した。話を聞いてくれた教授は、日本の仏教分野を研究している方で、学芸員に関することも熟知していた。
あれこれと話を聞いてくれて、教授からも大学院のことや学芸員に関することを教えてくれた。
ただ、結論を言うと、学芸員は狭き道であること、それから、歴史分野の大学院に進学するのであれば、現時点で、歴史学部のある大学に転入することが分かった。
この時、既に3年次生の真っ只中にいた私にとって、まず最大の選択を迫られた。無論、夢に向かうのであれば、躊躇なく、転入して、また新たに学び直すという選択もできなくもなかった。
しかし、、、である。今ここで、学んできたことを反転して良いのだろうか。具体的に言うと、今在学している大学から変わるということがどうしても、当時の私には嫌だった。
結局、国立大学の教授との交流は、ここで終わり、また、一から、大学院探しになったのである。
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