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華への怒り

いつもより早く寝たのに、全然熟睡できなかった、、、

平島孝介、、、もう、絶対にあいつを許せない。

私の生活リズムが狂ったこと、本当に苛つく。

土曜の仕事が終わり、14時過ぎにアパートに戻った。

と思ったら、あの華男がのんきに私の部屋のドアに寄りかかっていた。

「よ、、、お疲れさん。」

 服装は、前と同じ黒いカッターシャツと黒いズボン。でも、髪型はまとめておらず、前髪は、下げていた。

「な、何で、、、、」

「いや、やっぱり気になって。大上さん、ものすごく疲れてい、、、。」

「もう、いい加減して‼︎アンタのせいで、イライラするし‼︎眠っても疲れ取れないし、本当に最悪、、、。」

「あっ、、、すまん。怒っちゃったか、、、いや、、本、、、。」

「そもそも、何で私に付きまとうの‼︎なんか私に文句あるん‼︎あるんだったらはっきり言いんさいよ‼︎この華男‼︎」

どうしたんだろう。私、この男が現れてから精神が安定しない。今まで、こんなに他人に怒鳴ったこともないのに、、、

「あ、、、本当に、ごめん。ってか、泣くまで疲れていたのか、ごめんって、、、。」

男はいつものように頭をボリボリかいて情けなそうな顔している。もともと少しタレ目なところもあるせいなのか、、、、

それよりも、いつの間にか、私の方が、目から涙が溢れていた。本当におかしいのは私。

「大丈夫か?あっ、、、俺ハンカチ持ってねえけど、、、。」

華男はおもむろに、左手で、私の顔を触ろうとした。
「触んな‼︎もう、全部あんたのせいよ。このクソッタレ‼︎。」

本当に無意識でも、こんな汚い言葉を、この男に吐き捨てたなってくらい自分でも驚いた。
まずい、、、いやそれよりも、無性に止まらない涙、それに私の場合、泣くと鼻水が出る癖が昔からあった。本当にまずい。
一生懸命に、カバンの中からポケットティシュを探す。

「なあ、本当に大丈夫か?疲れで風邪引いたのか?」
「うっさい。ほっといて。もう‼︎」
興奮しているわけではない。でも、ティッシュが見つからない、、、

いろんな苛立ちが私を襲う中、急に男が私の腕を取り、抱きついてきた。

「は‼︎嫌‼︎ちょっと、、誰か、、、た。」
最初の夜のように、男は強い力で、私の頭を、例のデカ胸にくっつける。
叫ぼうとしても、男の馬鹿力が強い。

「悪い、本当にすまん。相手が男なら、みぞおちとか、一発殴って黙らせるんだが、、、。本当にごめん。」

男がそう言う中、急に私は今まで感じたことのない変な気分になり、目を閉じてしまった、、、。

最後に見えたのは、イカつい男の情けないタレ目の顔、、、。

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