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『源氏物語』における匂い表現の卓抜性――匂いの感性と前後作品との比較から―― Prominence characteristics of the smell expression in “The Tale of Genji”:――From the comparison between sensitivity and anteroposterior work of the smell――

※ここでは、久しぶりの投稿で、約11年前くらいに書いた、修士論文の研究テーマを投稿する

  • 『源氏物語』の匂い表現について、現代人の感性を基にした先行研究をもとに、同じ意味合いの匂い表現がどのように使われているのかを明らかにする。これにより、『源氏物語』の匂い表現がどのような感性のもとで使われているのかを具体的に把握することができる。

  • 『源氏物語』とその前後の作品の匂い表現を比較し、共通する表現や独自の表現を明らかにする。特に、前期物語と『源氏物語』の匂い表現の関連性や、『源氏物語』と後期物語の匂い表現の技法に注目する。これにより、『源氏物語』が他の作品と比べてどのような卓抜性を持っているのかを明らかにする。

  • 『源氏物語』の匂い表現を詳細に分析し、前期物語の表現を場面ごとに役割に応じて使っていることを明らかにする。また、この変化が後期物語にも受け継がれていることを指摘し、紫式部が日常生活の匂いを物語に取り入れる工夫をした可能性を考察する。これにより、『源氏物語』の匂い表現の卓抜性が読者の共感と物語の展開にどのように貢献しているかを明らかにする。

  • 『源氏物語』の匂い表現における共通パターンを分析し、匂いの感性のツールとしての役割を明らかにする。例えば、「記憶としての匂い」と「行動を起こさせる匂い」などの要素を特定の匂い表現に対応させることで、感性の基盤となる心情や行動を読者に伝える方法を分析する。これにより、『源氏物語』の匂い表現が読者の感情や行動にどのような影響を与えているかを明らかにする。

  • 『源氏物語』の匂い表現の卓抜性に基づき、読者が共感しやすいような匂いの描写を工夫している可能性を考える。紫式部が自らの経験から普段の生活の匂いを取り入れ、読者に共鳴するように配慮した可能性を探究する。このような工夫が、『源氏物語』の匂い表現の卓抜性を支え、後期物語にも受け継がれるほど読者に受容されていたことを示す。

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