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ドイツで勤務先のスタートアップが上場企業に買収されたときに

もうしばらく時間が経っていますが、2022年5月ドイツで働いていたスタートアップが上場企業に買収され、その企業の一員として統合されることになりました。

バイアウトを目的としている起業家も多く、新しい技術や事業、人材を獲得や競合との統合で買収が発生することは珍しくありません。

ただ会社員としてスタートアップで働いている場合は、起業家に比べると金銭的に得られるメリットは少なく、企業規模や組織文化などの違いで、スタートアップの時にはできたチームや事業により大きくインパクトを与えることが難しくなったりします。

今回は実際に起きた時に知っておきたかったこと、学んだことを紹介します。自分への戒めも含みます。

給与の引き上げをしよう

買収の形にもよりますが、スタートアップが買収される際、技術や事業を買うという点もありますが、それと同時にそこに付随する人材を買うという見方があります。

買収でスタートアップを解消し、大きめの企業への切り替えの際、たくさんの人が離れてしまっては買収した側も困るといった事情があるのです。少なくともオンボーディングが完了するまでは引き留めようとする場合が多いようです。(ここで下手な真似をすると、LinkedIn等のポストやSNSで企業イメージに傷がつくこともあるため)

これは給与を引き上げるには良いチャンスです。スタートアップで駆け出しの頃は経験>給与として働いている人も多いと思います。希望の金額を提示して交渉してみましょう。

ポジションも上げてもらおう

先ほどの点と同じですが、JuniorレベルだったならMid、MidならSenior、SeniorならLeadやPrincipleなどポジションを上げてもらえる可能性もあります。

また先方と話し合い、その組織での新しいチームでのチャンスとかもある可能性があります。良い機会だと思って、ポジションを上げる交渉をしましょう。結果的に将来の転職等で役立つ場合があります。

プランBを常に考えて動こう

ここまでに紹介したことをやってもやらなくても常にリスクはあります。オンボーディングの期間は通常6ヶ月から2年ですが、それを終えると買収した側もある程度のことが分かってくるので、そこで組織の再編成や人材カットの対象となる場合があります。また企業文化が合わない等の相性の問題が発生するかもしれません。

そのため、いつでも動き出せるようにプランBを頭に入れておくことが大切です。履歴書やLinkedInを更新しておいたり、コネを広げたり、個人プロジェクトを進めるなど、できることはできるうちにやっておきましょう。

もうスタートアップではないということを自覚しよう

スタートアップから上場企業へ所属が移るということは、もうあなたはスタートアップ社員ではありません。スタートアップ時代にはあったような、チームでの頻繁なランチや柔軟な休暇申請やリモートワーク、比較的フラットな序列なんかはないと思った方が良いです。

逆に上場企業は厳しい予算管理や、より厳格な組織運営等など、多くの社員をまとめる仕組みが整っています。そして従業員手当(交通費の支給や、カウンセリング、各種割引サービスの利用等)も変更になりますので、自分に必要なものは率先して使いましょう。

小規模なスタートアップから社員を500人以上抱える上場企業へ所属を変えることは、働き方や組織形態、そして自分の精神状況に大きな変化を与えます。

小規模スタートアップにも、上場企業にも良い点・悪い点はありますし、自分のプランやその時の状況によって最適解は異なります。

ただ起きてしまったことは自分のコントロールできる外のことなので、自分の操作が及ぶ範囲で可能な限り納得できる選択肢を導いていくことが大事だと痛感しました。


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