Toshiaki Onda

都内で弁護士をしています(東京弁護士会所属)。弁理士登録もしているため、知財ネタが多い…

Toshiaki Onda

都内で弁護士をしています(東京弁護士会所属)。弁理士登録もしているため、知財ネタが多いかもしれません。

最近の記事

スタートアップとの事業連携の見方が変わる!?

2021年3月29日、経産省と公取委から「スタートアップとの事業連携に関する指針」(ガイドライン)が公表されました。似たようなガイドラインとしては先日、「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」(こちらは内閣府、厚労省との合同)が公表されたばかりです(そちらについて紹介した記事はこちら)。こうした新たな働きかた、事業創出に対する連携の仕方についての官公庁における注目の度合いが高いことを示す一例といえ、ガイドラインの具体的な内容については、追々解きほぐ

    • 「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」公表へ(その1)

      フリーランスとの向き合い方が変わる!?2021年3月26日、国から「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」というガイドライン(以下では単に「ガイドライン」といいます。)が公表されました。内閣官房、公正取引委員会、中小企業庁、厚生労働省の連名というこのガイドライン、それだけフリーランスの働きかたに関する問題が広範囲に及ぶものであることを示しています。 このガイドライン、「フリーランスとして安心して働ける」と銘打っているわけですが、これは逆に言えば「

      • 業務委託契約の「秘密保持」条項と「個人情報取扱」規定の関係って?

        LINE社の「業務委託」をきっかけにLINEによる個人情報の取扱に関するニュースが巷をにぎわせています。 #日経COMEMO この記事のタイトルの是非はともかく、この件ではLINE社による業務委託先(外注)との関係がひとつ問題になっています。そこで今回は、業務委託契約と、個人情報保護条項の関係について、一見すると似ているようにも見える秘密保持条項との比較を通じてまとめてみたいと思います。 ※なお、本記事は、LINE社で今回問題になっている個人情報の取扱に関する問題を契

        • あの人のクセが買えるようになる!?~IoAのある未来と個人DX化による法的価値を考える~

          IoTのその先に待っていることとは近い将来、あの有名ピッチャーと同じ弾道の球が投げられるようになる?あなたもあの超一流店の味を再現できるようになる? ありとあらゆるモノがインターネットでつながる世界。IoT(Internet of Things)という言葉が広く知られるようになってずいぶん経ちますが、ここ最近はIoAという言葉に触れる機会が多くなりました。Internet of Abilitiesの略称で、「能力のインターネット」などと翻訳されます。このIoA、今後具体的な

        スタートアップとの事業連携の見方が変わる!?

        • 「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」公表へ(その1)

        • 業務委託契約の「秘密保持」条項と「個人情報取扱」規定の関係って?

        • あの人のクセが買えるようになる!?~IoAのある未来と個人DX化による法的価値を考える~

          店名の「真似」の境界線は…~「天ぷら大吉」VS「大阪天ぷら大吉北新地」~

          飲食店にとって「真似」されたくない「名前」飲食店の店名や、目玉メニューの名称、どうやって決まっているでしょう。きっとオーナーは、少しでもお客さんに覚えてもらいやすいようにと、知恵を振り絞って決めるのだと思います。 オーナーやスタッフ、常連さんたちにとって、愛着を持って覚えられる名称、他人に真似されたらどう感じるでしょうか?また、そもそも真似ってどういうことなんでしょうか?今回は、名前やネーミングの「真似」について、実際の事例をもとに考えていこうと思います。 (2021.0

          店名の「真似」の境界線は…~「天ぷら大吉」VS「大阪天ぷら大吉北新地」~

          商標使用の「たかが」「されど」Vol.1~「Re就活」 ⇔ 「リシュ活」場外編~

          商標使用をめぐるトラブルの底暗さ2回にわたって商標権侵害をめぐる争いについて書いてきましたが、商標使用をめぐるトラブルは、一度足を踏み入れると、なかなか抜け出せなくなる「怖さ」があります。 今回は場外編として、そんな怖さについて書いていこうと思います。 ※裁判の経過などについては、前編・後編もご覧ください。 前編・後編のまとめ前編と後編では、「リシュ活」というサービス名が、「Re就活」商標権に抵触するかについての裁判例を紹介しました。結果概要は以下の通り。 ・就活情報

          商標使用の「たかが」「されど」Vol.1~「Re就活」 ⇔ 「リシュ活」場外編~

          商標使用の「たかが」「されど」Vol.1~「Re就活」 ⇔ 「リシュ活」後編~

          前回のおさらい登録商標「Re就活」と、類似サービス「リシュ活」の類否問題。前回は登録商標「Re就活」の概要や、「リシュ活」サービスの内容や商標の使われ方をチェックしたうえで、商標権者(原告)が裁判所に、どんな訴えを提起したのか、そして裁判所がどんな判断を下したのか、というところまでをご紹介しました。改めてまとめると、「商標権侵害は認めたけど、認められた賠償額は激減」というものです(前編はこちら)。 裁判では何が争点になったのか?一般論として、裁判にまでなるくらいですから、双

          商標使用の「たかが」「されど」Vol.1~「Re就活」 ⇔ 「リシュ活」後編~

          商標使用の「たかが」「されど」Vol.1~「Re就活」 ⇔ 「リシュ活」前編~

          商標権侵害が「痛い」理由事業を行ううえで「たかが」「されど」のルールとして忘れてはいけないもの、それが商標(権)。特許などよりも比較的低額で出願・登録ができる反面、自社ビジネスを進めるうえで適切な権利を登録できていないと、すでに登録されている商標権の権利者とのトラブルで思わぬダメージを受ける場合もあります。 すぐに思い浮かぶのは「損害賠償」だと思いますが、わが国の制度上、高額な賠償が認められるケースはあまり多くありません。それよりも意外と「痛い」のは、権利侵害に使われた媒体

          商標使用の「たかが」「されど」Vol.1~「Re就活」 ⇔ 「リシュ活」前編~