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知っているようで知らない『BIRKENSTOCK』

知っているようで実は知らないファッションのこと。

聞くは一時の恥、知らぬは一生の恥。

しかしファッションのこととなると一体誰に聞いたらいいものか。

本来であればそんな時に助けになる販売員だが、ひとたび店員に聞こうものなら、インターネット顔負けの情報の濁流を浴びせられたのち、必要のない買い物をして店を後にする、なんて想像をしてしまう方も多いのではないだろうか。

毎日のように新商品がリリースされ、二次市場での相場変動が目まぐるしく変動する近年のスニーカー市場。

踊らされていると分かっていながらも、そんなスニーカー市場を追いかけてしまう私たちの足元事情に、オーセンティックでファッショナブルな正解を求めているファンも少なくないだろう。

スウッシュや3本線のお馴染みのブランドロゴと一線を画す、行儀良い出で立ちのスエードサンダル。ファッションに目覚めた時から街中にいたはずのそのサンダルが、スニーカーを追うのに疲れた目には、なんだか格好よく見えてくる。

『BIRKENSTOCK(ビルケンシュトック)』は200年以上前にドイツでフットベッド(インソール)のメーカーとして誕生した。一般的なサイズ調節ではなく、履き心地を向上させるためのインソールの製造、販売は現在も続けられている。ビルケンシュトックの代名詞でもあるスエードサンダルの生みの親、カール・ビルケンシュトック氏は『デザインはしていない、自然が作り上げた』と語る。

一目でビルケンシュトックと分かるアイコニックなビジュアルは、意図して作られたものではなく、試行錯誤を繰り替えす中で生まれた、正に機能美が形となって表れたものである。

誰でも一度は目にしたことのあるコルク製のミッドソール。ゴムのアウトソールに始まり、麻、コルク、そしてスエードのフットベッドと特性の異なる素材を4層に重ねることで、耐久性、通気性、そして履くほどに足に馴染むという履き心地の良さを実現した。

そんな一見するとファッショナブルとは呼べない、健康器具顔負けの機能性を備えたサンダルは、いま多くのデザイナーズブランドとのコラボアイテムをリリースしている。

2017年に元SUPREMEのヘッドデザイナーであるルーク・メイヤー氏のデザイナー就任が話題を呼んだ JIL SANDER 、世界中から熱狂的なファンを獲得している Rick Owens 、日本のモードを牽引し続ける Y's など錚々たるブランドがその機能美に惚れ込んでいる。また程よいさじ加減のアレンジを加えた、国内の人気セレクトショップとの別注アイテムも人気を呼んでいる。

あのアイコニックな機能美のファッション性を疑う者は最早いないだろう。

各ブランドの2021年AWコレクションの立ち上げとともに、セレクトショップとの別注アイテムも次々にリリースされている。溢れるスニーカーのリリース情報にほっと一息つきたいヘッズは、心地よいフットベッドに足を沈めてはいかがだろうか。

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