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施設運営 さのさん|メンバーに聞いてみた

omusubi不動産の紹介をすると「いろいろなバックグラウンドの人が働いていて面白いですね」と言っていただくことがよくあります。きっかけはそれぞれ違うけれど、「omusubi不動産」という会社に集い、同じ方向を目指して日々精進しています。

omusubi不動産の一番の魅力は、一緒に働いているひとりひとり。どんな人が、どんなことをしているのか。どうやってomusubi不動産にたどりつき、一見、ちょっと変わった不動産屋で働いてみようと思ったのか。この連載では、omusubi不動産の日常の様子を覗きながら、なかで働くスタッフに話を聞いていきます。

プロフィール
四国生まれ。関西で服飾を学んだのち、東京にてアパレルの企画・販売を経験し、2021年omusubi不動産に入社。下北沢BONUS TRACK店にて、施設管理やコワーキング・イベントスペースの運営スタッフとして勤務。

小さいころから、手を動かすことがすき

――自分を表すものとして佐野さんが持ってきてくださったのは……ゲームボーイ! 懐かしい!! 今もやっているんですか?

さのさん:定期的にやりたくなる波がくるので、息抜きしたいときにやってますね。スマホのゲームと違ってボタンがあるので、操作しやすいなと思います。

――ゲームをやり始めたきっかけはなんでしたか?

さのさん:お兄ちゃんがやっていたのを見て、面白そうだなって。でも、兄がゲームをやりすぎて、親はゲームに対して良く思ってなかったんです(笑)。ようやく買ってもらったのが、ゲームボーイでした。今日持ってきたゲームボーイカラーは、大人になってから買い直したもので、このアナログな感じが愛嬌あるなって感じますね。

――電源を入れたときの「ピコーン」って音もかわいいですね(笑)。ゲームボーイ(とソフト)を「自分を表すもの」として選んだのはどんなところからですか?

さのさん:果たしてこれが自分を表しているのかな……とも思ったんですが、ずっとずっと好きなものなので、これかなと。おとなになってからもたのしんでいることなので、これからも飽きずにやっている気がします。

――以前はアパレルで企画のお仕事をされていたそうですが、小さいころから手を動かすことがすきだったんですか?

さのさん:そうですね。ちっちゃいときは、切ったフェルトを自分で縫い合わせて、そこに綿を入れてぬいぐるみを作ったり、編み物をやったり……。高校生くらいになると、古着のリメイクをしたりもしていました。祖母や母が日常的にお裁縫をしていたので、ふたりからの影響を受けているかもしれません。

次第に、アパレルの仕事に対して「もやもや」を抱えるように

――omusubiに入る前はずっとアパレルの会社で働かれていたんでしょうか。

さのさん:そうですね。新卒の会社では販売員として働き、その後は別のアパレルの会社に、企画として7年携わっていました。新卒で入った会社では、百貨店で接客をしていたのですが、お客さまへの接し方がちょっと特殊で。いわゆるお得意様には、他の方とは違うように接することが求められていたのですが、相手の方によって差をつけるというのが自分はあまり向いていないな、と思ったんです。もともと専門学校では作る方を専攻していたので、企画の業務に携われる会社へ転職することにしました。

――ふむふむ。転職後はどんなことをされていたんでしょうか。

さのさん:転職後はデザインや仕入れ、ビジュアル撮影、イベント企画など、業務としては幅広くやっていましたね。ただ、これはアパレル業界全体における課題だと思うのですが、これだけ服が溢れている中で、延々と作って、売れ残ったものは処分するという悪循環に対して、もやもやした感情を抱くようになりました。

――せっかくつくったものが捨てられてしまうのは、つらいですよね。

さのさん:それで、アパレル以外の仕事をしたいなと思って会社を辞めたんです。もともと暮らしにまつわることに興味があり、仕事を探しつつ、引っ越しも考えているタイミングで知人からある物件サイトを教えてもらって。それがomusubi不動産のHPでした。

――おうち探しでサイトを見ていたんですね!

さのさん:古いものが好きで、中古のリノベ物件とかをよく見てました。あと、アパレルの「作っては捨てる」という部分でもやもやを抱えていたこともあって、古い物件を再生させる取り組みがすごくいいなと思ったんです。仕事も探している状況でomusubiのサイトを眺めるうちに、「正しいと思えることをしている会社で働きたい」という気持ちが芽生えて、出ていた求人に応募してみることにしました。

――なるほど、それがアパレルから不動産屋に転職した経緯だったのですね。応募したポジションと今のお仕事は同じですか?

さのさん:そうですね。次第にナワシロスタンドやMEMBERのことにもかかわるようになりましたが、軸は変わらず、施設管理事務がメインの業務です。

――入社して一年半とのことですが、振り返ってみてどうですか?

さのさん:気がついたら一年半っていう感じで……あっという間だなと思います。業務のなかには事務作業もあるんですが、何か問題が起こったら対処するっていう仕事が多いので、そういったアクシデント対応をしていたら、どんどん日々が過ぎていく(笑)。

――個人的にはアパレルと不動産って、かなりかけ離れた業種のイメージがあるのですが、これまでのお仕事と共通していると感じることはありますか?

さのさん:「空間をどうやって人が交わるといいか」とか「こうやってみたら面白いかな」とか、場のデザインを考える部分においては、服をつくっていた感覚と近いところもあるなと思いますね。「不動産屋」としての業務だけを切り取ると違う部分も多いかもしれませんが、omusubiだからこそやっているような人と人をつないだり、場をデザインしていくような業務は、共通するところがあるように感じます。

施設管理は、地道な業務の積み重ね

――omusubiで働いてみて、印象的だったことはありますか?

さのさん:働き始めてすぐに、ナワシロの壁塗りがあったんですよ。不動産で施設管理で応募して、てっきりデスクワークをするのだと想像してたんですが、こんなことやるんだ! って(笑)。でも、それがたのしかったんですよね。

――いきなり壁塗り!(笑)

さのさん:そう、でも基本的には地道な事務作業の積み重ねで。さきほどもアクシデントの対応のお話をしましたが、たとえば「トイレが詰まった」とか。最初はその業務範囲の広さにびっくりしましたね。今ではもう慣れちゃいましたけど(笑)。

――施設管理ひとことで言っても、きっとほんとうにいろんなことが起こりますよね……。BONUS TRACKにはいろんなお店がテナントとして入居されていますが、この場所ならではだな、と感じることってありますか?

さのさん:あたらしい商店街をコンセプトに掲げている通り、入り口のロープがけをみんなで担当を振り分けてやっていたりして、都会にありながら昔ながらの商店街らしいつながりが形成されているのが面白いですね。植栽の水やりもテナントごとに決まっていて。あるテナントさんがおやすみしていた時期があったんですが、そのときは隣のテナントさんが静かに水やりをしてあげていたんです。他の商業施設では起こらない交流が発生しているのがBONUS TRACKらしさだなと感じています。

オフィス街ではなく、下北沢に自分の仕事場を持つということ

――出身は四国とお聞きしましたが、地元と違うなと感じるところはありますか?

さのさん:人口がそもそも違うので、「電車の本数が多いな」とか、「若い人こんなにいっぱいいるんだ」とか、とにかくなにもかもが違う(笑)。また、徒歩で行ける範囲に面白いお店がいっぱいあるのは、都会の良さですよね。でも、最近は共通しているなと感じる場面もあるんです。

――そうなんですね! それはどんなときでしょうか。

さのさん:田舎だと、いろんなひととつながりやすいんですが、BONUS TRACKで働いていても、「あ、その人知り合いだ」とか、初めましての方同士でも、実は知り合いの知り合いだったりするシーンに出くわすことが多くて。みなさんの顔が広いというのもあると思うんですが、そういったところでは懐かしさを感じますね。

――MEMBER'Sにはいろんな会員の方がいらっしゃいそうですもんね。それにしても、ここで働くの気持ちいいだろうなあ(笑)。

さのさん:おうちで行き詰まっちゃうから、と利用されている方も結構いらっしゃいます。「集中したい時はここ」とか、「お腹空いたらここ」とか、そのときの気分に沿う場所がひと通り揃っていますね。世田谷代田から来ても、下北沢から来ても、駅からBONUS TRACKまでの道を歩くのがとても気持ちがいいので、オフィス街で働くのとは違う気分で過ごせると思います。

――このあたりでおすすめの場所やお店はありますか?

さのさん:BONUS TRACKのなかだと、「胃袋にズキュン はなれ」さんのバスクチーズケーキ。これがとにかくおいしいんです……! もうひとつは、最近落合さんに教えてもらった「フルベジ」という八百屋さん。一番街商店街にあるんですが、安くて量がたっぷり入っていておいしい野菜が揃っているんです。行く時間が遅いと売り切れてしまってることもあるので、タイミングを狙って、ときどき落合さんと二人で野菜を買いに行っています。

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取材・撮影=ひらいめぐみ

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