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たかがバイト、されどバイト

 バイト先の店長は怖いし、厳しい。でも、とにかく人を大事にしている。いつも来てくれる常連のお客さん、近所のおばあちゃんやおじいちゃん、家族。そして、わたしたちバイト。入ったばかりのころ、先輩と同じように動けない自分が嫌になっていたときに、また厳しく注意されて、バイト中なのに泣いてしまったことがあった。

 その時、店長は、注意する理由を教えてくれた。それから、omuはomuらしい仕事をすればいい、先輩と同じように動く必要はない、そういってくれた。店長の気持ちを初めて理解できたし、なによりもその言葉が温かかった。まあ、次の日のバイトはこてんぱんにやられた。でも、前の日よりも怒られることはつらくなかった。

 同じ道を通ってきた先輩から学ぶことはたくさんあった。てきぱき動けて、店長にも怒られないしいいなあって思っていた先輩は、もう慣れているのにメモを取ることを欠かさないということに気付いた。メモ帳にびっしりボールペンで書かれたメモ。もう大体覚えたしメモ取んなくてもいいや~って思っていた時にそのメモ帳を見たから、自分にとっては衝撃だった。

 店長は、バイトを通して成長してほしいってわたしに言った。先輩のメモを見て、この先輩もたくさん努力してここまで来たんだなってわかった。だから、もっともっと本気でバイトに取り組もうって決めた。

 それ以来、注意されたこと、初めて聞いたことはすぐにメモを取って、家に帰ったら振り返る・バイトの前にもう一回振り返る、というルーティンをするようにしている。おかげか、仕事を楽しいと思えるようになった。

 おいしい賄いを用意してくれる店長も、とにかく優しくて頑張り屋のバイト仲間も最高。ここを初めてのバイト先に選んでよかった。きっとこれからも厳しいこと言われるだろうけど、四年生になるまで続けさせてほしいなあ、と、入りたてのころは思いもしなかったことを最近思っている。おかしくなっちゃったのかな😏